今回紹介する作品はこれ↓
製作年:2013年 製作国: アメリカ
上映時間:86分 原題:「ATLANTIC LIM」
監督:ジャレッド・コーン、『ブリザード・エッジ』『ザ・バトル ネイビーシールズVSミュータント』『アトランティック・リム』
製作:ポール・ベイルズ/デヴィッド・マイケル・ラット/クリストファー・レイ/デヴィッド・リマゥイ―
出演:グラハム・グリーン/トレッチ/デヴィッド・チョカチ/ジャッキー・ムーア/ニコール・アレクサンダー・シプレイ
監督・製作陣にアサイラムのブレインが大集合。日本にパチモン映画が大量に出回っているのは、だいたいこいつらのせい低予算ながらユニークな作品が楽しめるのは彼らのおかげ。
監督の過去作品の『ブリザード・エッジ』は「管理人が今まで観た酷い作品ワースト10」入賞作品。
(↑低予算映画の中でもかなりの猛者。お店で見かけてもそっとしておこう)
【あらすじ】
ある日、大西洋の石油採掘基地からの連絡が途絶える。
基地からの最後の通信には、何か巨大な物の接近に怯える声が……。
調査を開始した軍の前に、巨大な怪物が姿を現す。
人類は極秘に開発していた”アルマダ・ロボ”で怪獣に戦いを挑む!
●キャラクター………〇、一見テンプレ通りの登場人物が揃っている。しかし、怪獣と戦う以上に仲間同士で喧嘩してばっかりいるのはいかがなものか? 熱さと勢いはある。演技が適当な俳優が何人かいる。
●ストーリー…………△、ロボット別にいらなくね? ミサイルがあれば大丈夫な気がする。
ピンチになるのは、だいたい初歩的なヒューマンエラーのせい。
●カメラ………………〇、いつものアサイラムクオリティー。
●怪物…………………△、CGの造形自体は意外と綺麗。
但し、動かし方、背景との合成の仕方に難あり。
そもそも、この怪物に何をさせたかったのか不明。
●ロボット……………△、本作のもう一つの主役だが、↑怪獣の出来からだいたい予想通りのクオリティー。
デザインについては、管理人の感性はあんまりあてにならないので言及を控えさせてもらう。
参考までに申し上げておくが、管理人は以前模型作りにハマった際、ジム系ばっかり製作していた事がある。友人曰く「よく分からん人」らしい。
CGの出来がどうのこうのではなく、ロボットのコンセプトがよく分からない。
「とりあえず3体用意しました!」といった感じだが、3体とも一緒。カラーが違うだけ。一応近接武器の違いはあるが、あんまり3体出て来る意味はない。
逆にそういった所が、観賞している内にだんだん好きになってくる。
劇中なんどもピンチに陥る。その原因は、間抜けなヒューマンエラーであることがほとんど。脚本の犠牲者である。
当然のごとく飛ぶ。
「だってロボだぜ!」
※備考:観賞は日本語吹き替え版をお勧めする。声優さんが頑張っているため、かなりマシになる。
※以下ネタバレ注意↓
予告編はこんな感じ↓
《日本よ!これがB級映画だ!》
もう見ての通り説明不要のB級パチモン作品。
アサイラム製作で、アルバトロス・PrimeWAVE配給作品。
あの『パシフィック・リム』の公開に合わせて作られた便乗作品なんだが、ここまで露骨だと一周回ってちょっと好きになってくるレベル。
(↑ギレルモ・デル・トロ監督による名作)
ある意味アサイラムが動くという事は、それだけ注目された人気作ということなのかもしれない。
まぁ、人気アニメがTMAに絡まれるよりはいいじゃないかな?
(※無責任極まりない意見)
監督は、あのジャレッド・コーン。引き伸ばしに定評のある男、ジャレッド・コーンが務めている。
当ブログで、以前紹介した『ザ・バトル ネイビーシールズVSミュータント』に加えて『ブリザード・エッジ』、さらには本作の続編である『アトランティック・リム』等を手掛けている。
(↑通称”アトリム”)
個人的に、やや冗長なシーンが多いかなー と思う監督。
おそらく、「カルピスを限界まで薄める競技」があったら入賞できる逸材。
ついでに制作陣に、アサイラムのオールスターが名を連ねていて笑ってしまう。
ここで本編の内容を、ざざっとまとめてみる↓
石油採掘基地が怪獣に襲われる。
↓
その事件に対して軍が調査を開始する。
↓
NASA(とりあえず”ナサ”って言いたいだけちゃうか?)で極秘に開発されていた”アマルダ・ロボ”(本来は海底探査用)を実験も兼ねて持ち出す。
(↑『アルマゲドン』的横並び歩きはお約束! ※左より、グリーン、ブルー、レッド)
↓
怪獣が地上に出て来る。
(↑とりあえずマシンガンをぶっ放す歩兵の皆さん。この後全員死亡)
↓
怪獣とロボ戦う。
ロボ、怪獣を押さえつける。
戦闘機からミサイル発射される&ミサイルが命中する。
(※活躍したのは戦闘機)
↓
怪獣死ぬ。
↓
怪獣死んでハッピー。
主人公(※レッド)、命令違反で捕まる。
ヒロイン(こやつもパイロット※ブルー)が、主人公の親友の黒人(パイロット3※グリーン)と浮気していた事も発覚。
↓
主人公チーム揉める。
怪獣がもう一匹見つかる&怪獣の正体がなんとなく分かる。
↓
もう一匹の怪獣も街に上陸。
(先に倒された怪獣に寄り添う、もう一匹)
↓
ロボットに乗れない主人公チーム、車で怪獣を誘導する。
戦闘機から爆弾が投下され、怪獣を追っ払う。
(※活躍するのは戦闘機2)
↓
怪獣再び。なぜかデカくなっている。
アルマダ・ロボ、神経接続装置により反応速度が上がる。
(パワーアップイベント)
(↑当たり前の様に飛んで移動する。構図はどこかで見た様なのが多い)
もう一回戦う。
ビッチなヒロインのせいで揉めていたが、そんな事はなかったかの様に戦う。
↓
副官が裏切る。上層部核ミサイル発射。
↓
主人公、核ミサイルを止める為、アルマダ・ロボで軌道修正。
主人公、核ミサイルを怪獣にぶつけながら宇宙(そら)へ。
「ロケットキック~!」
↓
怪獣爆発。
めでたしめでたし。
—END—
「ザックリまとめ過ぎだろ!」、と思うかもしれないが、ほぼこの通りだからね。
一応86分の短い時間に「チームの仲違いと再結成」「ロボットの強化」「主人公の葛藤」「恋愛要素」「チーム内の裏切者」といった、ロボット物の「お約束」をしっかり詰め込んだ内容となっている。
(※但し、ちゃんと描けているとは限らない)
「怪獣VSロボット」ものなのに、活躍するのは戦闘機とミサイルなのはどうなんだろう?
ロボットいらないじゃん!
「怪獣Vs巨大ロボット」の意味わかってんのか?
《お前のキャラがようわからんよ》
さて本作は、日本のロボットアニメに影響された作品だ。当然その手の映画ファンのツボを押さえった作りとなっており、登場キャラクターもどこかで見たような奴が多い。
ぱっと見でどんなキャラクターかだいたい分かるのだが、よく見ると「?」な奴がチラホラ。
これが日本とアメリカの解釈の違いなのか、それとも低予算ゆえの詰めの甘さなのかは分からない。
日米の価値観の違いの検証の為、当ブログでは、パイロットの一人であるグリーンに注目したい。
(本名はなんだっけ?まぁ、いいや)
この体に入れ墨だらけのイカツイ黒人。彼は怖い見た目とは裏腹に、言動が常識的で真面目。
↓以下グリーンのいいひと伝説。
●ちゃらんぽらんの、レッドとブルーに対してのツッコミ役。
●崩れそうな酒場に、生存者救出の為突撃。
●上記の酒場にて、怖がる生存者の少女を説得して釣れ出す。
●助け出した少女の父親に、「酒場に子供を連れてくるな!」と常識人らしい説教をかます。
●一匹目の怪獣退治後、浮かれる仲間達をよそに、「犠牲者追悼の碑を建てるべき」と発言。
●ブルーと関係を持った事を正直にレッドに報告。
●ブルーと真剣な交際も視野に入れる。
●レッドが宇宙に突撃した際、本気で心配。
●レッド生存を誰よりも喜ぶ。
………真面目か!
Q: 監督は何故? 入れ墨だらけのイカツイにーちゃんに、この役のオファーを出したのか?
A: ギャップ萌え
↑この辺が、観ていて個人的にツボだったw
ヒロインのブルーの演技が、非常に適当なのもあり、
「もうグリーンがヒロインでいいんじゃね?」
、と観賞中に思ってしまった。
この作品、とにかく引き延ばしが酷いので、その辺りを覚悟して観て下さい。
5人位しか出て来ないのに、ひたすら喧嘩して時間を稼ぐ軍隊とか、適当に始まり適当に終わる主人公チームの痴話げんかだとか、露骨な尺稼ぎが酷い。
こういった冗長なシーンの為に、管理人はモニターの周辺に握力鍛えるグリップだとか、ツボを押す健康器具なんかを常備してます。
………うん? そんな映画観るくらいなら自分は『パシフィック・リム』をもう一回観るって?
(そうだよな~)
【感想まとめ】
●総評:D
●ロボットも怪獣もあんまり出て来ない。
●人間ドラマが長い。
●戦闘機があればだいたい解決する。
コメント
怪獣がモンハンで見たような気がする。地方の中古店でバトルオブスカイアーク、バトルフィールドアビスと一括りで珠玉のバトル三部作と詐欺売りされていたです。私の健康器具は百円ショップで揃えました。