寄生虫の恐怖「ヴァイラル」感想・レビュー ~耳の奥からこんにちは~

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 毎年恒例の夏風邪を引いてしまったので、今日紹介する映画はこれ↓(※支離滅裂)

 2016年 アメリカ製 85分 ファインフィルムズ   ※VIRAL ウィルス性の感染症、流行った等の意。

出演:ソフィア・ブラック=デリア、 アナリー・ティプトン、 マイケル・ケリー、 マシン・ガン・ケリー
監督:ヘンリー・ジュースト&アリエル・シュルマン

 あらすじ:両親の都合で田舎に引っ越してきた女子高生のエマ。世間では謎の感染症が問題となっていた。ある日街にも感染症の疑いがある人々が現れて街は軍により封鎖される。姉のステイシーと共に自宅で待機する羽目になる。しかし感染症は凄い勢いで広まっており………。

総評:D
●キャラクター………〇、キャラは立っている。しかしティーンエイジャー特有の言動丸出しで、痛かったり恥ずかしかったりする。
●音楽………………〇、音の使い方が非常に良かった。
●ストーリー…………△、もうちょっと盛り上がりが欲しかった。
●怪物………………△、地味。地味に気持ち悪い

《この映画の印象に残ったところ》
●映画の作りはしっかりとしてるが、全体的に盛り上がりに欠ける。
●この手の映画お約束の人間の醜い部分が露わになるドラマや、ドロドロした人間関係はない。
●怪物映画、ゾンビ映画のノリではない。

※ネタバレ注意↓

《けっこうあっさり》
 あんまり怪物映画らしくない。パッケージの裏のあらすじ欄からだと『スリザー』や『パラサイト』みたいなお話かと思ったがそんな事はなかった。あともう少し話が続くかと思いきやけっこうあっけなく終わってしまい消化不良な感じがする。
 今作における感染所の原因は細長い紐みたいな虫です。口や鼻から入り込み人間の体を乗っ取る→乗っ取られた人間はまだ感染してない人間に体液を吹っかけて仲間を増やしていく。これが日本語訳だと「虫インフルエンザ」と表現されている。寄生虫が原因の「虫インフルエンザ」なるものが発生した世界でのドラマを淡々と描いている。そのせいでエンタメ寄りの作品ではなく、ややドキュメント寄りな印象を受けた。内容的には寄生生物モノの王道なんだが、これといった盛り上がりもなく終わる。”よくある女王的な存在が出てくる”→”退治したらみんな元に戻った!”といった荒唐無稽な展開はなく、感染した人間は淡々と隔離されて行く。ついでにこの手の寄生生物映画お約束の”感染した人間がもはや人間の原型を留めてない状態”、のとんでも描写はない。耳から虫が出て来てウネウネしている以外は普通です。
 さらにゾンビ映画や感染パニック特有の”親しい人が感染してしまった葛藤”成分も弱い。人間関係も妙にあっさり描かれていると言いますか、そんなにドロドロ殺伐としたものではない。

 荒唐無稽な展開や、ドロドロヒューマンドラマが絶対必要だとは思わないがその手の要素を排除したこの作品が妙に味気なく消化不良な感じがした。

※寄生生物モノのとんでも人間描写
ex1

スリザー プレミアム・エディション [DVD]
タニア・ソルニア
ポニーキャニオン
2008-04-25



 『スリザー』→人間の体が風船みたいに膨らんで体内は幼虫でr(以下略)

ex2

パラサイト [DVD]
イライジャ・ウッド
ワーナー・ホーム・ビデオ
2012-04-04



『パラサイト』→女の子の首がちょん切れたが触手が生えてきて復活

《色々と丁寧な作り》
 映画の作りとしては非常に丁寧に作ってある。カメラ、音響、演技と高いところでまとまっている。特に音楽に関しては良かった。虫インフルエンザに感染した者は眼が見えなくなり音で獲物を察知する。感染者の襲撃シーンで、極力音を排除して緊張感を煽る表現はありがちだがとても良かったと思う。
 映画の作り自体は丁寧でしっかりとしている。だからこそもう一展開欲しかったと思う。このままだとホラー、パニック映画としてもエンタメ作品としても中途半端な作品だと思えてしまい残念だ。

 登場キャラも立ってるし、カメラ、音楽等も高いレベルでまとまっているのにあんまり楽しめなかったなぁー(;´Д`)

 予告編はこんな感じ↓

 淡々と仕事する米軍が非常にいい味をだしていたと思う。

 映画の内容にあまり関係ない話で恐縮だが、劇中の登場人物達のファッションについて。劇中で日にちをまたぐと登場人物達がちゃんと着替えている。毎回ジーパンに地味目のシャツとニューバランスやアディダスのスニーカーといった感じ。ノームコアファッションっでしたっけ?個人的に非常に楽なんで日本でも一過性のものではなく、一つのスタイルとして定着してくんないかなぁー(`・ω・´)
 30過ぎて野郎がファッションどうのこうのってのも少し気恥ずかしいんだが、多少は時節にあった格好をしなきゃならん。むしろおっさんになってからのが小奇麗な恰好しといた方がいいってのが身に染みる事が最近多い。昔は「男子辺幅を飾らず」、なんて言葉もあったもんだがもはや死語である。かくして何を着たらいいか悩む30代ヤローが出来上がる訳だ。こういったシンプルなスタイルが定着してくれた方が個人的に助かるなーと思うわけです、ハイ。