もうすぐ『エイリアン・コヴェナント』が公開されるのでその前におさらいです。そんな訳で今回紹介する作品はこれ↓
もろもろの映画サイトでは妙に叩かれてますが、僕はこの映画けっこう好きです。
「お前は怪物が出てる映画ならなんでもいいんだろ!」
と言われそうですが、うん、そうだよ。
あ、日本語吹き替えに旬の俳優やお笑い芸人を使うのは勘弁な!
という訳で、いつも通りの観る映画を選ぶ際にはさっぱり参考にならないレビューをどうぞ。
製作年:2012年 製作国:アメリカ 124分 原題:「PROMETHEUS」 劇場公開作品
出演:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスペンダー、シャーリーズ・セロン、イドリス・エルバ、ガイ・ピアーズ、ローガン・マーシャル・グリーン、レイフ・スポール、イーモン・エリオット
監督:リドリー・スコット
●総評:B
●キャラクター………〇、アンドロイド萌え。
●ストーリー…………△、ちょっと分かりづらい。
●世界観………………◎、さすがはリドリー・スコット御大。映像が凄く綺麗。
●怪物…………………△、出番を増やせ。
あらすじ:世界各地の遺跡で発見される共通のサイン。それは人類発祥の地を示す暗号なのか?2089年科学者のエリザベスは巨大企業のウェイランド・ユタニ社の宇宙船プロメテウス号に乗り、遥か彼方の惑星を目指す。2093年に惑星に到着した一行は調査を開始するが……。
《この作品の印象に残ったところ》
●映像の美しさ。圧倒的スケール。
●拳で語る脳筋宇宙人。
●話が分かりづらい。
●自動手術マシーン(医療用ポッド)のシーン。
※ネタバレ注意↓
《人類の起源?》
個人的な意見だが、この映画が叩かれている最大の原因はプロモーションのまずさのせいではないだろうか。『エイリアン』シリーズの前日譚だと知らずに観に行った人は、中途半端なホラーを観せられてイラっとする。
『エイリアン』の前日譚だと期待して観に行った人は全く出て来ないゼノモーフ(※あの体液が酸の化け物のことね)にがっかりする。
さらにCMで「人類の起源が明かされる~」なんて散々煽っておいて、あんまり本編に絡んでこない。
人類の起源云々は映画の内容というよりは、宇宙船の名前のプロメテウスの神話からの深読みみたいに感じた。
視聴者が聖書や色々な神話の知識があること前提で作られている感じがして、話が少し分かりにくいと思う。
※プロメーテウス ギリシャ神話
映画レビューサイトで他の方の感想を拝見していたら、リドリー ・スコット版『2001年宇宙の旅』を作りたかったのではないか?という意見が見られたがどうなんでしょうかね。
あの眠い分かりづらい映画を、2012年に再現されてもキツイものがあると思う。話のスケールの大きさとかテーマの深さとか分らんでもないですが、同時に意味不明で退屈な作品だったと思う。テーマの深さそのままに退屈さと分かりづらさを改善すればよかったのだが、残念ながらそっちの方面も引き継いでしまっていると感じた。
そもそも最後に20秒ぐらいしか出て来ないモンスターをパッケージに使うとは、どういった料簡なのか問いただしたい。いくつかパターンのある予告編にもチラッと出ている物もあって期待して観に行ったらこれだよ。
高度な科学技術を持った”エンジニア”がなんでも暴力で解決するタイプの脳筋で「神様は何を考えているか分からない」、のも人類の直接の先祖だからなんでしょうかね?
酷いブラックジョークもあったもんだ……。
しかし『エイリアン』シリーズにおいて最大の謎の一つだった”スペースジョッキー”が脳筋のただの野蛮人だと判明したのはがっかりだ。まぁどんなオチをつけても荒れるだろうけど、なんか拍子抜け。
《世界観について》
リドリー・スコット作品の楽しみ方としては圧倒的な映像の美しさがあると思う。『グラディエーター』では古代ローマの街並みを、『ブレードランナー』ではごちゃごちゃした近未来の都市を完全に作り上げた御大。今作も冒頭の美しい古代の大自然から始まり、彼方の惑星の景色を視聴者に見せてくれる。この説明不要の美しい映像は流石だと思う。
しかし折角他の惑星を作り上げたのに、宇宙船と洞窟の画ばっかりになってしまったのは残念だ。なんとなく今作のテーマの一つが”誕生”だとか”出産”なんだと思う。そうならば宇宙船も洞窟もおそらく”子宮”のメタファーなんだろうなぁー。
その「”子宮”から出て”誕生”した奴らに関してはまた次回作でね~」、みたいな感じで本編は終わる。明らかに続編ありきな終わり方だが、きりのいい所で終わったと思う。
その続編がもうすぐ公開される。
今から楽しみです(☆゚∀゚)
映画 『エイリアン・コヴェナント』 公式HP
《現実世界のテクノロジーの進歩》
今作を観ながら考えていた事は、この映画の中で出てくるテクノロジーが後どのくらいで実用化されるんだろう?という事。
初代『エイリアン』(1979年制作)の様に、僕らの現実世界では未だに惑星間を旅する技術は実現されていない。人間そっくりのアンドロイドも未だだ。
しかしコンピューターに関してはずっと先をいっている。昔のSF映画に出てくるパソコンがブラウン管のでっかいやつで、画面の文字は緑で、さらにキーはゴツイ打ち込み式のキーボード。インターネットも携帯電話の普及も予測出来なかった。まだ日本で公開されていない映画のウィキペディアがあってストーリーがネタバレされているなんて凄い時代になったもんです。『エイリアン・コヴェナント』の詳しいウィキペディアがもうすでにあってね……正直気になるが公開まで我慢我慢。
地形探索用のドローンだとか立体映像投影装置なんかはもう少しで実用化されそうな気がする。残念ながら惑星間航行と人型アンドロイドはまだまだ先になりそう。医療用手術ロボットはどうなんでしょうか?(※この映画の少し後に出版された『エイリアン 虚空の影』でも登場した)
個人的にはあんまり機会に手術されたくはないです。
そもそも現実的な問題として人型ロボットだとかアンドロイドって必要なんでしょうかね。オタク的な趣味として絶対誰かが作るとは思うが、どうせ一からデザインするならもっと色々と便利にデザインするべきなのでは?
例えば腕を4本にするとかね。
……いかん!どうしても吹き替えネタで遊びたくなる(; ̄Д ̄)
この映画が妙に叩かれていたので、擁護しようと思いレビューを書いてみたら、ものの見事に本編とあんまり関係ない内容になってしまった。
いやぁー悪い作品ではないと思うよーヽ(・ε・)人(・ε・)ノ
……脳筋エンジニアと、ゼノモーフが20秒しか出ない事と、シャーリーズ・セロンをあっさりと潰したところは納得いかないけれど。
予告編はこんな感じ↓
コメント
エイリアンの前日譚なら始めからそういってほしかった。あのエイリアンの独特の雰囲気や影像美は良かった。ただ、内容がまるで判らないのが困った所である。
ただ、内容がまるで判らないのが困った所である。
>リドリー・スコット監督に限らず、お爺ちゃんはだいたい暴走しだす現象です。続編の「エイリアン・コヴェナント」でもやりたい放題。
難解でも、監督なりにコンセプトがはっきりしているなら、いいんじゃないでしょうか?
(B級作品の死屍累々を眺めながら…)