今回紹介する作品はこれ↓
”動物たちはブタと人間を見比べましたがー”
”見分けがつかなくなっていました”
ジョージ・オーウェル 「動物農場」より。
製作年:2008年 製作国:アメリカ 99分 原題:「PIG HUNT」
出演:トラヴィス・アーロンド・ウェイド、ディナ・ホアン、ハワード・ジョンソン、アジフ・シャー、ジェイソン・フォスター、ニック・タガス
監督:ジェームズ・アイザック
●総評:C
●キャラクター………〇、キャラクターは立っている。しかしムカつく奴ばっかり。
●ストーリー…………△、意味が分からないが、あっても無くても物語は進む。
●怪物…………………△、造形は面白いと思うが、いかせん出番が少ない。
あらすじ:叔父が死んだのをきっかけに里帰りするジョン。
彼女と仲間を連れて慣れ親しんだ森に狩りに出かけるが、地元の人間とトラブルになってしまう。
さらには巨大な獣が森の奥に潜んでいて……。
《この作品の印象に残ったところ》
●胸糞悪いキャラクターしか出て来ない。
●善人は犬好きのあんちゃんと犬ぐらい。
●感情移入出来るキャラクターが皆無。
●いきなり始まる『マッド・マックス』なノリ。
●最後に唐突に挿入される、ジョージ・オーウェル『動物農場』の一節は必要なのか?
※ネタバレ注意↓
《THE・バイオレンス》
一応巨大モンスターは出てくるけれど、そっちはおまけです(; ̄Д ̄)
どちらかといえば、「どうしようもない人達による、どうしようもない争い」といったバイオレンス作品です。
観賞してから調べたんですが監督が『ジェイソンX』などを撮ってる人らしく、そういったバイオレンス作品に定評がある人らしい。
よく誤解されるのだが、僕が好きなのはあくまでも怪物映画であって、スプラッターだとかバイオレンスはむしろ苦手なんですよね。物語の流れで暴力シーンや、残酷なシーンが出てくるのはまぁ我慢出来ますが、最初っからグロとかバイオレンスをメインで撮る気満々なのは苦手です。
今回紹介する作品がどっちかといえば、バイオレンスシーンを撮るのをメインだった気がするので、いつも以上に当てにならない評価です。
言い訳くさい前置きはともかくとして色々書いていきます。
まず、感情移入出来るキャラクターナッシング(笑)
見事にアレな人達しか出て来ないです。三つの陣営で醜い争いが繰り広げられるんですが、その3つの陣営が
主人公グループ:主人公、ヒロイン、友人と自分勝手なやからです。
地元のグループ:クズ。昼間っから酒と怪しいお薬やってまーす☆な人達。
猪の飼い主たち:いけない葉っぱ育ててます。秘密を知った奴は猪のエサ。
…う~ん、見事にアレな人達しか出て来ないよー(`・д・´)
一応主人公グループの犬好きの小太りのあんちゃんは、ちょっといい奴ぽいですが、一番徳の高そうな登場キャラクターが犬ってのがね……(; ̄Д ̄)
そして小太りのあんちゃんが着てる服の柄が、豚さんときた……。
残念ながら犬と小太りのあんちゃんが死んだ時点で、画面には、腹の立つ奴らしか残ってません。
もう森ごと爆破オチでいいんじゃね?と思いながら観賞してたのは内緒だ(笑)
この小太りのあんちゃんの下りは、マジで胸糞注意!だったな。
《巨大猪は出てくるけれど…》
おおざっぱなあらすじとしては
「若い男女が都会から離れた田舎に行って厄介ごとに巻き込まれる」
、なんてよくある作品です。
ただこの作品、やたらと露出度が高いねーちゃんだとか、RPGに出て来そうな謎の黒人
ヒッピーだとか、地元のアレな人たちが『マッド・マックス』な乗り物で爆走したり、ハーレムが出てきたり、オットコ主様な巨大猪が出てきたりする。
それぞれインパクト抜群なんだが、物語を構成する上で全く意味がない上にあっさりと退場する。
全体的に登場時のインパクト全振りで、後は全く考えてないという潔さ。
巨大猪もあんまり画面に出て来てくれません。
ハリボテ感は強いがなかなか面白い造形だったと思うし、珍しい怪物だからもう少し頑張って欲しかったヽ(TдT)ノ
あとは全体的に森の中のシーンが多く、位置関係が分かり辛い。
なんだかよく分からない内に話が進んで、よく分からない内に映画が終わりますが、視覚的なインパクトはあるため、まぁ退屈はしないかと。
最後に思いついたかのように、ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』の一節が挿入されるが、この映画の雰囲気にはあまり合ってないような気がする。
(↑ジョージ・オーウェルの古典的名作。理想を掲げた集団がいかにして狂っていくか描いている。権力に憑りつかれると怖い。)
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「辻褄合わせの為に急遽テーマをでっちあげました」て感じでなんだかなぁー(゚皿゚メ)
ちょっと浮いてるといいますか、とっさに意味が分からず首をひねっちゃったなぁー。
テーマが重要だと主張するなら、エンディングではなくオープニングに持ってきた方がいいのでは?
全体的に「見た目は派手だけどなんだかなぁー」て作品。
予告編はこんな感じ↓
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