今回紹介する作品は「海底47m」です。
久しぶりに、サメの出てくる怖い映画を観たぜ!
目次
作品情報・キャスト・スタッフ
「海底47m」
・製作年:2017年
・製作国:イギリス
・上映時間:90分
・原題:「47 METERS DOWN」
・監督:ヨハネス・ロバーツ
・製作:ウェイン・マーク・ゴッドフリー
・出演:クレア・ホルト/マンディ・ムーア/サンティアゴ・セグラ/マシュー・モディン
予告編
『海底47m』:あらすじ
彼氏にふられて落ち込んでいるリサは、妹のケイトともに、メキシコの海にバカンスにやってくる。現地の青年といい雰囲気になった二人は、檻に入ってサメを見物する「ケージ・ダイブ」に参加する。
檻に入ってのサメ見物を楽しむ二人。
しかし、檻を吊るしていたクレーンが故障し、二人は47メートルの深さまで落下してしまう。次第に酸素がなくなっていく中、二人は必死に助かろうとするが……。
「海底47m」:感想/ネタバレ有
「サメが怖い」というよりは、「海が怖い」作品です。
サメ映画にしてはシリアスな恐怖である。
う~ん、近年のアサイラム製サメ映画がおかしいだけでは……。
シリアス派のお勧めサメ映画
今や、すっかり低予算映画の人気者となった感のある「サメ」である。
最近では、(主に)アサイラム映画のせいで、「なんでもあり」となってしまっている。
Ex「ゴースト・シャーク」=サメの幽霊が襲ってくる。
「シャークネード」=サメの竜巻「シャークネード」が襲ってくる。
「〇〇ヘッド・ジョーズ」=サメの頭がいっぱい。
上記のように、「サメってなんだっけ?」と概念が崩壊している「サメ映画」だが、中には正統派の「ホラー」映画もある。
近い時期に公開された「ロスト・バケーション」と同じく、サメが題材の“ソリッドシュチュエーションスリラー”“ワンシュチュエーションホラー”と呼ばれるジャンルの映画が、本作「海底47m」である。
低予算だが、アイデア勝負の見ごたえのあるホラー映画である。
割と本気でお勧めできる「サメ映画」である。
姉のリサを演じているのは、マンディ・ムーア。
「塔の上のラプンツェル」等で声優を務めている。本業は歌手。
前半は、このリサがとにかく頼りない。観ていてイライラする事が多い。
対して、妹のケイトの方が肝がすわっていて、頼りになる。
妹のケイトの方は、ダイビングの講習を受けており、知識もあるが、姉のリサの方は初心者。
ダイビングツアーを主催する船長に、「ダイビングの経験はあるか?講習は受けたことがあるか?」と問われ、嘘をつくリサ。
そういった「あ、これは後で大惨事になるな」という、細かい前振りを丁寧に分かりやすくやり、それを後半きっちりと回収していく作りだ。
作品を楽しむための情報を、事前に上手く台詞の落とし込むのと、酸素ボンベの残存量みたいに、本来は「分かりづらいもの」も視覚的に分かるように工夫しているため、海底に取り残される恐怖が分かりやすい形で伝わってくる。
その辺は大いに評価したい。
久しぶりに、シリアスな「サメ映画」を堪能出来て満足。
本作におけるサメのでき
本作のサメはかなり出来がいい。どうやって撮っているのかはしらないが、一瞬「あれ?、本物かな?」と思ってしまうレベルだ。
また、「サメ映画」の基本に立ち返り、本作のサメは一切の特殊能力を封印している。
「シン・ジョーズ」=放射能火炎をまとう。
「シャーク・ショック」=なぜか電気ショックで攻撃してくる。
「サンド・シャーク」=土の中を泳ぐ。
といった、サメが用いる特殊能力を封印して、肉弾戦を挑んでくる。漢らしい。
「やだ、このサメ、漢らしい…」
と、一瞬思ってしまったが、久しぶりに「普通のサメが普通に襲ってくる」だけで怖い作品を観たため、頭が混乱しているようだ。
管理人のように、アサイラム製のサメ映画を常用していた人には、ちょっと頭に入ってきづらいかもしれない。
シリアスなサメ映画
本作は最初から最後まで徹底的にシリアスである。
主人公姉妹が、浮かれているのも最初の導入パートだけであり、また、ダイビングツアーの船長・スタッフも含め、劇中馬鹿な、登場人物もおらず、その辺は安心して観える。
とにかく、パニックに陥りながらも、何とかして二人で生還しようとする姉妹の姿から、目が離せない。
ネタバレになってしまうから、詳しくは書かないが、「あ、これ絶対使われる前フリやん」という、会話が幾つかある。
その「前フリ」を回収するシーンが、まさかの「〇〇」で一瞬 ( ゚д゚)ポカーン となる。
正直、映画を見慣れている人には、なんとなく予想がついてしまうオチだが、その辺も含めてちょっと後味が悪い。
そう思うと、内容的にはギャグにしか思えないが、最後はサメが爆発して、美男美女がキスして終わるアサイラム系の「サメ映画」も悪いものではないと思う。
まぁ、冷静に見れば、幾つかツッコミどころはあるのだが、とりあえず
「サメが普通に襲ってくる映画で、かなり出来がいい」
というだけで、僕はこの映画を推したい。
久しぶりに「真面目な雰囲気のサメ映画」が観たい人にはお勧めします。
「あれ?こんなサメ、フィン・シェパードが出張ってくれば、水中で素手で倒しそう」
(※フィン・シェパードとは、「シャークネード」シリーズの主人公)
なんて、思っちゃう人には、向いてない……うん、すみません、管理人も頭のどこかでその考えが消えませんでした。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡ 7/10
●キャラクター……〇
・「引っ込み思案な姉」と「活発でリア充な妹」のキャラクター分けが、上手く機能していたと思う。
●ストーリー……〇
・「嫌なことがあり、ビーチでハメを外しにきた姉妹が、事故に遭い、ついでにサメに襲われる」といった、いたってオードソックスなものである。
・「溺死の恐怖」「命綱である酸素が減っていくさま」を視覚的に上手く使って、緊張感を出していたと思う。
・ラストのオチは、賛否両論ありそう。
●カメラ……〇
・映像は綺麗。
●怪物……〇
・CG・特撮の出来はかなりいい。本物かと思うレベル。
・今作でのサメさんはかなりガチで凶悪&ビビらせにくる。
・最近ではアサイラム映画のせいですっかり「色物」であるイメージが強いが、本作ではちゃんと「モンスター」している。
しかし、映画における恐怖が「溺死>サメ」なため、ややギミックめいた扱いとなる。
●雑多な感想
・サメの出てくる“ソリッドシュチュエーションホラー”である。
・シリアスなサメ映画の佳作。
・サメが出てくる映画の中では怖く、出来がいい。
・サメよりも「溺死」「潜水病」が怖い映画
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