今回紹介する作品はこれ↓
製作年:2011年 製作国:アメリカ 80分 原題:「ORCS!」
出演:マイケル・ベーレンス、オースティン・M・グレイブ、マクレーン・ネルソン
監督:ジェームズ・マクファーソン、アンドリュー・ブラック
●総評:C
●キャラクター………〇、キャラが立ってる+使い方が上手い。
●ストーリー…………〇、あってないようなものだが非常にテンポよく進む。
●カメラ………………△、画質は残念ながら粗い。
●怪物…………………△、特殊メイク自体はなかなかいいのだが、残念ながら顔を兜で隠している事が多く(※オークだけに)、パッと見甲冑愛好家の変態集団にしか見えない。
あらすじ:伝説の獣人オーク。物語の中だけの怪物だと思われていた奴らは実在した!
ダイヤモンド発掘の為に、ダイナマイトで爆破した鉱山の奥から奴らがあふれ出す!
一度眠りから醒めたオーク達は集団で人間を襲いだす。パークレンジャーのキャルは仲間と共にオークの集団に立ち向かうが……。
《この作品の印象に残ったところ》
●甲冑で全力疾走。演じている人は大変だ。
●何気に濃いヒロインと相棒。
●意外と頑張る、検尿おじさん。
※ネタバレ注意↓
《伝説VS近代兵器》
個人的にはけっこう面白かった作品。
『ロード・オブ・ザ・リング』をはじめとしたファンタジー作品でお馴染みの怪物オーク。今作でそのオークと戦うのはハンサムなエルフでも長身の魔法使いでもなく、ダウナー系の冴えないおっさん。
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いつも通りに、さも当然の様に現代に蘇った伝説の怪物に近代兵器で応戦する。
モンパニというよりもコメディタッチのアクション映画で、後半はそれに『要塞警察』要素を足した感じになる。
全体的に非常にテンポがよく、
登場人物の顔見せ。
↓
蘇ったオーク達によって犠牲者が出る。
↓
自然公園を見回り中の主人公達がそれに巻き込まれる。
↓
公園内の観光客を避難させる。
↓
パークレンジャー事務所に立て籠もって決戦。
、といった一連の流れが非常にきれいだ。
さらにコメディパートとシリアスパートのメリハリが効いていて、視聴者を飽きさせない工夫がしてある。
80分と上映時間は短いが、その中にやりたい事をきっちりと収めている感じがする。
この手の映画特有のあってないようなストーリーだが、小さなフラグ立て→フラグ回収を分かり易くやってくれている。さらにラストはハッピーエンドできれいにまとめてある。
全体的に大味だが、不思議と納得できるお話です。
しかし、そもそも何故オーク軍団が復活したのか?
冒頭に意味ありげに登場した過去の人物はなんだったのか?
さらには、劇中州兵を追いつめるまでに、あふれ出したオーク軍団達はどうなったのか?
といった大きなことは、投げっぱなしジャーマンをかます漢っぷりを見せつける。
ツッコミてぇ……。
物事は万事些事からなるし、神は細部に宿る。
しかし大きな悪事は意外とほっとかれるもんです……て違うだろ!
《個性的な登場人物》
メインの登場キャラクターは三人。
仕事にやる気のない駄目中年のキャル。
真面目な青年だが、真面目過ぎて空気を読まない新人レンジャーのホビー。
(ビックフッド等のUMAマニアでもある、つまり我々の同志である)
さも当然の様にオークを殺して武器を奪う、過激な環境保護活動家のケイティ嬢。
パッと見駄目中年のキャルが周りを振り回しそうなのに、後の二人が濃すぎて、結果駄目中年がけっこうまともな人に見えるのが面白かった。
特にケイティは、弓矢で戦うエルフをイメージしてると分かるキャラクターなのだが、その弓矢にダイナマイトを合成しちゃうスターローン系女子。
(弓矢は「なんだかよくわからないけど、襲われたから殺して奪った」そうだ)
弓矢を持って主人公のピンチに颯爽と登場。
ヒロインと相棒が濃い作品に外れなし!
《オークさん、残念です》
さて今作では『武装魔獣軍団』と邦題を付けられるだけあって、オークさんは中世の騎士ばりにフルアーマー仕様です。
けっこう頑張った特殊メイクをしているのだが、兜までばっちり被っとるもんですから、ぱっと見甲冑愛好家の人間にしか見えないのが残念。
せっかく頑張って特殊メイクをしたのだから、もう少し顔を映せばよかったのにと思う。
さらにエンディングクレジットによると、オーク役の人間は全部で31人とそれなりに出ている。ずらっと並んだ画もある。
しかし肝心のオーク軍団襲撃シーンでは、画面に映るのは5人ぐらいな事がほとんどで、その為いまいち人数が活かせていない、残念。
CGなどで誤魔化さずに作ってくれたのは好感が持てるが、もう少しだけ見せ方に工夫が欲しかった。
全体的に大味な作品だが、要所要所できっちりと締めてある。
テンポもよく最後まで飽きずに観れた。
低予算だが正統派なB級作品で僕はこの映画好きです。
残念ながら予告編はYouTubeで探したが見つかりませんでした。
ちなみにYouTubeで「オークス」で検索すると競馬ばっかり出て来ます。
蛇足ですが、ネット上で「DVD オーク」で検索すると……いえ、なんでもないです、ハイ。
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