まず初めに昆虫が苦手な人は要注意。
今日ご紹介する作品は、半端なく出て来ます。名作です。
オープニングなんて”例の黒い奴”がわんさか出て来ます。
今回紹介する作品はこれ↓
※今回の記事は感想・レビューではなく、映画の紹介記事です。
製作年:1997年 製作国:アメリカ 106分 原題:「MIMIC」
出演:ミラ・ソルヴィーノ/ジェレミー・ノーザム/アレクサンダー・グッドウィン/ジャンカルノ・ジャンニ―ニ/チャールズ・S・ダットン/ジョシュ・ブローリン/アリックス・コロムゼイ/Fマーレイ・エイブラハム/ノーマン・リーダス
監督:ギレルモ・デル・トロ/『パシフィック・リム』『ヘルボーイ』『ホビット 思いがけない冒険』など。
脚本:スティーブン・ソダ―バーク/『チェ 28歳の革命』『オーシャンズ11』『ソラリス』など。
●総評:A
●キャラクター………〇、非常にしっかりと作られている。
●ストーリー…………〇、この手の作品にしてはとてもしっかりとした世界観で作られている。
●音響…………………◎、今作では音が非常に印象的な使われ方をしている。
●怪物…………………◎、昔懐かしのパペット。出来のいいパペットモンスターが作られた最後期に属する作品。
備考:製作スタッフ・出演は非常に豪華。但し虫が苦手な人は観ない方がいい。
【あらすじ】
子供を次々に死に至らしめる伝染病《ストリックラ―病》がニューヨークで発生する。
事態を解決する為に昆虫学者のスーザンは、感染源であるゴキブリを全滅させるために、蟻とキリギリスを掛け合わせた新種を誕生させる。《ユダの血統》と名付けられてその虫は繁殖も出来ず、120日~180日後には自らも全滅するはずだった。
《ストリックラ―病》は収拾されたが、それから三年後ニューヨークの地下街では奇妙な殺人事件と失踪事件が頻発するようになる。
そんなある日スーザンの元に奇妙な虫が届けられるが、それは《ユダの血統》の特徴を受け継いでいた。
スーザンは夫のピーターと共に調査を開始するが……。
※ネタバレ注意↓
予告編はこちら↓
《二人の奇才・若き日の合作》
今回の記事は感想・レビューではなく、映画の紹介なんであっさり目です。
後に金のかかったエンタメ大作を、多数手がける事となるギレルモ・デル・トロ。
方や、骨太の映画が多いイメージの監督、奇才スティーブン・ソダ―バーク。
その二人が共に手掛けた本作。
出演者も無駄に豪華。
後に『ウォーキング・オブ・ザ・デッド』シリーズで人気を博すノーマン・リーダスがチラッと出てたりする。
何作か続編が作られたが、残念ながら3で血統が途切れている。
その為今でも続編が製作されている『エイリアン』や『プレデター』もしくは、一作限りだが時代を超えて愛されている『ザ・グリード』や『ディープ・ブルー』に比べていまいち知名度が低いイメージがある。
何よりも題材が虫で、それもフィーチャーされているのが、”例の黒い奴”なんでいまいち人に勧めにくい。
けっして埋もれた名作扱いされている訳ではないのだが、「お勧めの怪物映画」でなぜか挙がってこない事が多い。
その原因は、恐らく前述の理由と、もう一つはあまりにも正当なホラーをやってるせいだと思う。
この映画、怪物映画と呼ぶにはやってる事が地味といいますか、どちらかと言えば視聴者の想像力に任せて怖がらせるシーンのが多い気がする。
「遺伝子実験で生まれた怪物が暴れまわる」=ギレルモ・デル・トロ
「はっきりと描写しないが、意味が分かるとウゲっとなる」=スティーブン・ソダ―バーグ
一つの作品の中で、全く異なる作風が同居している不思議な作品です。
20年前の作品で、最近のCG作品に慣れてしまった僕らが観ると、その質感の違いに驚くかもしれない。
しかしモンスター映画で重要なのは、出来のいいCGなんかじゃないという事がわかる作品です。
最近の初っ端から怪物が出て来て、それに対してずっと派手なバトルをやっている作品ではないです。
怪物も、クライマックス以外はほとんど出て来ず、嫌な雰囲気+ドッキリ要素+人間ドラマで引っ張る。
もちろん、「怪物がずっと暴れている作品」よりもそっちのが難しいですよね。
その難しい方向で、かなりのクオリティを達成した本作はやっぱり名作なんだと思うよ。
『ザ・グリード』や『ディープ・ブルー』の系譜ではなく、『エイリアン』や『レリック』の系譜の作品と言えば分かりやすいかなー(。・ω・)ノ゙
それ+「気持ちの悪い虫」成分のつまった名作です。
さっきから「虫成分警告がしつこいよ!」とお思いかもしれませんが、苦手な人は本当に駄目だから、念の為。
(虫が本当に苦手な人って親族に2人はいますよね)
『パシフィック・リム2』の制作も順調に進んでいるようなので、ここらでギレルモ・デル・トロ監督の若い頃の作品を観賞してみるのも悪くないと思うよ。
本作はソダ―バーグ成分のが強い作品ですがね(笑)
(『パシフィック・リム2』では監督ではなく、プロデューサーを務めるらしい)
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