今回紹介する作品はこれ↓
個人的には、普通の映画ファンの方にもお勧めできる作品。
(※いつもの世の中に、没交渉的な作品のレビューを期待している方、すみません)
この作品日本でも、公開映画館数は少ないですが、劇場公開された作品です。
『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』レベルの、SFエンタメ大作を期待されると苦しいが、『バイオ・ハザード』ぐらいの期待値はもっても大丈夫かと。
個人的には、もうちょっと評価されてもいいと思う作品。
勿論、好き嫌いはあるでしょうが、現状あまりにも知名度が低すぎる。
監督は違いますが、製作に『バイオ・ハザード』、『イベント・ホライゾン』、『エイリアンVSプレデター』の”Wが付く方のポール”が関わってます。
奥さんのミラ・ジョボビッチがこの時期に妊娠・出産している。
当然、しばらくは派手なアクションシーンを、撮るわけにはいかない。
そしてこの映画には、スレンダーな女性のスタイリッシュアクション成分が含まれている。
あれ?これ、もしかして奥さんのミラ・ジョボビッチが身重で動けないから、ポール・W・アンダーソンが、他人の映画に乗っかかって、好き勝手やっただけの作品……?
(※私見です、あしからず)
製作年:2009年 製作国:アメリカ/ドイツ 108分 原題:「PANDRUM」
出演:デニス・クエイド/ベン・フォスター/カム・ジガンデイ/アンチュ・トラウェ/カン・リー/エディ・ローズ/ノーマン・リーダス/フリデリケ・ペンプター
監督:クリスティアン・アルヴォルト
製作:ポール・W・アンダーソン
●総評:A
●キャラクター………〇、それぞれ個性が際立っている。身に着けている物に世界観がでてる。
●ストーリー…………〇、ベタベタに作ってある。オチもお約束。
●カメラ・演出………◎、明暗の使い方が上手い。
●怪物…………………〇、いい感じ。ただ〇〇作品じゃなくても成立しそう。
【あらすじ】
近未来、人類は移住可能な惑星を求めて宇宙の彼方へと旅った。
しかし、ある日宇宙船で目覚めた乗組員達は、一切の記憶を失っていた。
目覚めた乗組員達は、なんとか現状を把握しようと巨大な宇宙船内を探索するが、船内は荒れ果てていた。
さらには船内の暗闇には恐ろしい者が潜んでいて…。
《この作品の印象に残ったところ》
●明暗の使い方が上手い。特に暗闇表現。
●謎解きとホラーとアクションの絶妙なバランス。
●やっぱりポール・W・アンダーソン映画。
予告編はこんな感じ↓
※ネタバレ注意↓
《私はどこ?ここは誰?》
(小題名のネタが分かる奴はおっさん)
船内で目覚めた乗組員が一切の記憶を失っている所から、物語はスタートする。
ポール・W・アンダーソンはどんだけ記憶喪失ネタが好きやねん!と言いたくなるが、これは『バイオ・ハザード』や『イベント・ホライゾン』でお馴染みの展開。
登場するキャラクターも視聴者と一緒で、現在の状況に対してなんの情報も持ってない。
その右も左も分からない状況で、次々と最悪な事態が起こり、それに必死で対処していくうちに、自分自身に関する重要な事を思い出す。
さらにはそれが、事件に関する大きなファクターで…といった毎度委馴染みの展開。
ベタなんだけどそれがいいんだ!
怪物も出てくるし!
と言いつつ、この映画多分SFじゃなくても成立しそうだなーと思ったりする(笑)
※物語の核心的なネタバレ注意↓
《パンドラムってなんやねん?》
この作品タイトルに「パンドラム」と聞いたこともない単語を持ってくる。
おそらく作り手の造語なんだろうが、この時点で視聴者の興味を引く。
劇中なんども繰り返される「パンドラム」という単語。
物語が進んでいくうちに、これが「宇宙空間で発症する新手の精神障害」みたいなものだということが、なんとなく分かるわけです。
じゃあ、その「パンドラム」が起こるといったいどうなってしまうのか、そして宇宙船が荒れ果てた原因がその「パンドラム」といったいどういった関連性があるか?
そういった謎解き要素が、この映画の大きなウェイトを占めています。
そっちはデニス・クエイド演じるキャラクターが担当していて、その一方で宇宙船内で「恐怖の鬼ごっこ」が繰り広げられる。
その「パンドラムに関する謎解き」と「恐怖の鬼ごっこ」の二つの要素が、終
盤に向かって収束していく様子が、上手くまとめられていたと思う。
その「恐怖の鬼ごっこ」パートで『ロード・オブ・ザ・リング』に出て来そうな怪物が襲ってきます。
『ロード・オブ・ザ・リング』では主人公サイトも白兵戦のプロが揃っているが、こっちも負けてない。
主人公よりも早く目覚めてサバイバルしていた連中が、ド派手なアクションを見せてくれる。
『エイリアン』的な、暗闇から突然怪物が襲って来るタイプの映画かと思いきや、『マトリックス』ばりスタイリッシュアクションが始まる。
ただ、アクションシーンは派手だが、基本的に逃亡劇なんですよね。
敵の怪物の方が圧倒的に強い上に数が多く、逃げたり隠れたりが多い。
その辺が若干フラストレーションが溜まる。
さらにストーリーが基本的に「原子炉を手動で再起動するために、動力部に向かう」、といった単調なものなのでその辺が、ちょっとたるいかも。
《ポール・W・アンダーソンが絡むといつものポール・W・アンダーソン映画になる》
基本的にいつものポール・W・アンダーソン映画なんだけど、一応監督は別の人だから、いつもほどポール、ポールしてない映画かと。
……自分で文章書いておいてなんですが、表現がおかしいですね、ハイ。
う~ん、なんて言いますか、ポール・W・アンダーソン100%じゃなくて、ポール・W・アンダーソン75%みたいな映画なんですよ。
個人的にはポール・W・アンダーソン75%の方が、ポール・W・アンダーソン100%の映画よりは面白かったと思う……うん、やっぱりなんか文章がおかしいぞ。
ポール・W・アンダーソンが嫌いな訳じゃないんですよ。
ほら、オタクがやりたい事を目一杯詰め込んでしまうと、一般の人(※これも変な表現ですが)は引いてしまう。
そのオタク的な感性を、大衆受けしそうなキャッチ―な方向とすり合わせて、落とし込むのは本当に上手いと思う。
『バイオ・ハザード』ぐらいなもんですよ、ゴールデンタイムにお茶の間で流せるゾンビ映画なんて。
ただそういった才能が、オタク的な人間から
「けっ!」
と、毒づかれる原因なんじゃないかな?
(※奥さんが美人だから嫉妬されてるだけとも言う)
うん、まぁ関係ないけど『イベント・ホライゾン』のオチって酷くないか?
(観てない人は観てみるといいよ)
【この作品の感想まとめ】
●アクションシーンはかっこいい。
●世界観の作りこみもいい。
●オチは賛否両論ありそう。
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