今回紹介する作品はこれ↓
……なんでワニ映画のパッケージは、毎回この構図なんでしょうか?
パッケージ担当者の縛りプレイの一種なんですかね?
(以下↓例)
製作年:2010年 製作国: アメリカ
上映時間:90分 原題:「ALLIGATOR X/ XTINCTION:PREDATOR」
監督:アミル・ヴァルニア 『キラースネーク』、『アウトブレイクX』
出演:ロックリン・マンロー/エレーナ・ライオンズ/マーク・シェパード/ポール・ウォール/リック・ロビンソンJr.
【あらすじ】
20年ぶりに故郷に戻ったローラ。
しかし、そこには父の姿はなく、さらに父には借金があったことを知る。
ローラはお金のために、中止されていた沼地観賞ツアーを再開する。
ある日ローラは、サンセットツアー中に超巨大ワニを目撃するが……。
●キャラクター………〇、いかにもB級映画です!といったキャラクターが揃っている。
●ストーリー…………△、意外性があると言えばいいのか、滅茶苦茶と言えばいいのか、よく分からない。オチは絶対にツッコむと思う。
●カメラ………………〇、画の撮り方に関しては悪くないと思う。妙に陰鬱な画を撮る。
●怪物…………………〇、珍しい生き物を使っている=◎ CGの出来が場面によって異なる=△ 出番が少ない=✖
※以下ネタバレ注意↓
予告編はこんな感じ↓
《ワニor恐竜》
パッケージからワニ映画を想像すると思うが、半分正解で半分は間違い。
出てくる怪物は、大昔に生息していた<プリオザウルス>なる水棲肉食恐竜です。
ワニの手足をヒレにしたような生き物。
その絶滅した生物を、いつも通りマッドサイエンティストが(適当な理由で)復活させる。
↓
案の定制御不能で人を襲う。
↓
その事態に対して主人公達が挑む。
怪物騒動+地元の人間関係のゴタゴタ、むしろ人間同士のサスペンスパートの方がメイン(笑)
監督が、妙に陰鬱で暗い感じの画を撮る。
それが、寂しく不気味な沼地の雰囲気とマッチしており、人間同士の陰気な争いを上手く表現していたと思う。
その反面、肝心の怪物の影が薄くなっていた。
怪物のCGの出来が場面によって大きな差があり、適当な感じの怪物が背景から浮いているシーンは笑う。
大きさもよく変わる。
(怪物の全体がはっきり映るのは一瞬のみ)
挙句の果てには、人間同士のゴタゴタにケリが着いた途端に、もの凄く適当な感じで退治される。
全体的に、怪物の素材の良さを活かしきれていない感じがして、残念でならない。
(※ちなみに前に本ブログで紹介した、→『ザ・アイス』←でも<プリオザウルス>についても触れられています)
《なんだ、このストーリーは…?》
さて、この映画のストーリーにツッコむ前に、ざざっとどんな話か説明しよう。
離婚を期に、20年ぶりに故郷に帰ってきたヒロインのローラ。
家族のもとを訪れるも、父親は行方不明。さらに借金まであった事が分かる。
そんなローラのもとに、元大学教授のチャールズが土地を売ってくれと訪ねてくる。
チャールズと何らかの因縁のあるローラは、猟銃片手に追っ払う。
そこに保安官のティムが、父親の件で訪ねてくる。
ローラにホの字のティムと、ティムに勝ち誇ったような捨て台詞をいうチャールズという関係。
借金の心配をしているローラのもとに、一組のカップルがやってくる。
軍に入隊する前に、彼女にプロポーズしたいらしい。
(B級映画の逃れられない死亡フラグ其の①:結婚関連)
サンセットツアーに出発するが、ツアーの終点でローラの父親が地元のゴ□ツキブラザーズに殺害されるのを目撃してしまう。
どうやら土地絡みで、バックにいるのはチャールズだということが分かる。
さらに怪物を作ったはチャールズであり、(視聴者に対して)チャールズはローラの元旦那だという事もわかる。
その後もゴタゴタが進み、ある人物が実は、チャールズと通じていた事も判明!
そしてゴ□ツキブラザーズと裏切者と、マッドサイエンティストは案の定の最期を迎え、怪物は爆破オチでケリが着く。
(因果応報。怪物映画は勧善懲悪の世界さ!)
こうやってざざっと説明すると、全く普通なのだ。
しかし、これをいちいち視聴者に対して、
「実はこうだったんだ!さぁ驚け!」
とやるもんですから、ストーリーがちぐはぐで、話が滅茶苦茶になってしまう印象を受けた。
まぁ、深く考えるだけ野暮なんでしょうね…。
意外な人物が、最後まで生き残って活躍するのは良かったが、最後の爆破オチを決めるキャラクターは、意外過ぎて反則に近い。
お前誰だよ!!
とツッコまざるを得ない。
そんでもって、ヒロインとの関係性が……うん、確かに最初〇〇で画面に映っていたけどさー…。
わかるかそんなもんw
《本日のマッドサイエンティストのコーナー》
この映画にもマッドサイエンティストが出てくる。
ヒロインの元旦那のチャールズ博士。
サーベルタイガーを復活させる研究をして、大学を追われたらしい。
今は不動産投資で稼いでるリッチマン……何気に凄くないか?
(ピンポイントに、ヤバい生物達を復活させんでもええでしょ…)
この手の博士は、なんで毎回ピンポイントに大型で凶暴な生物の実験をするんでしょうか?
(A:脚本の都合)
毎度お馴染みの「研究の為なら犯罪行為も辞さない」人物として描かれている。
しかし、演じている人の雰囲気のせいなのか、脚本の妙なのか、なかなか人間臭い人物に仕上がっている。
かつては崇高な志を持ち、世の中と人々の為に科学の進歩に邁進していたが、今や大学を追われ、元妻には蛇蝎の如く嫌われ、犯罪者の親玉……となかなか悲しい人物として描かれているのが珍しい。
いつもの同情の余地のない、「白衣でマジ〇チスマイル博士」ではなく、あくまで人間的な人物として描かれているのが、本作のポイント。
この博士を、中心に今作のサスペンス要素が動いている。
しかし、この博士絡みのサスペンスドラマのせいで、怪物が空気なのもまた事実である。
マッドサイエンティストの悲哀は、物語を面白くさせるための要素としては安牌だが、同時に物語の方向性を、よく分からない方向に持っていく役目を負うのだということがよく分かる。
個人的には、マッドサイエンティストは「白衣でマジ〇チスマイル」の方がいいなぁ……。
(笑いながら気楽に観られるから)
ついでに美人の助手か、私兵軍団を持っていたらなおいい。
(俺のことか?)
【感想まとめ】
●総評:D
●人間同士のゴタゴタがメイン。
●怪物の素材の良さを無駄にしている。
●怪物の退治される下りが酷い。
怪物よりも人間ドラマメインの作品です。
そういった作品や、変なワニの怪物が気になる人は一度観賞してみて下さい(*・ω・)
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