SFホラー映画「エイリアンZ 超感染」感想・レビュー ~安定の偽物タイトル作品~

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今回紹介する作品はこれ↓

製作年:2017年  製作国:アメリカ
上映時間:76分   原題「ALIEN DOMICILE」

監督:ケリー・シュワルツ
製作:カリスマ・マニュラット
出演:エリー・ブラウン/エドゥアルド・オシポフ/マイケル・モンティロ/サブリナ・コフィールド

【あらすじ】
 ハンナ達四人の男女は目が覚めると見知らぬ建物の一室にいた。
 どうやら軍の基地であること、皆記憶が混乱している事などが分かってくる。
 そこに基地の巡回任務についていたピアーズ曹長が駆け込んでくる。
 ハンナ達は基地から脱出しようとするが、恐ろしい何かが立ち塞がる…。

●キャラクター………〇、役者さんの演技が上手くていい。
●ストーリー…………△、オチはけっこう面白かった。
●カメラ・音響など…〇、カメラワーク、音響、演技等の基礎的なレベルは高い。
●怪物…………………△、予算がなかったのは分かるが、もう少しなんとかならないのか…。

備考:なんか起こりそうな雰囲気だけは凄かった。

以下ネタバレ注意

予告編はこんな感じ↓

《僕にそのDVDを借りろというのか》
 お正月気分もそろそろ抜けてきた今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 本日紹介する作品は『エイリアンZ 超感染』です。
 エイリアンZ 超感染 [ エリー・ブラウン ]

 出たよ、パチモンタイトル。
 そして配給会社が<トランスワールド・アソシエイト>ときたもんだ。
(※あの『バイオ・クリーチャー・ライジング』やブレッド・ケリー作品もこの配給会社)

 2018/1/6にレンタル屋に並び始めたのだが、誰かが借りてる痕跡はない。

 まぁ、どうせ本編は『エイリアン』も感染も関係ないのだろうが、いったいどういった意図でこのタイトルを付けたのか、この時点では、いまいちよく分からなかった。

 しかし四日遅れで店頭に、この作品が並び始めた↓

エイリアン:コヴェナント (吹替版)

 あぁ…なるほど、そういうことか(笑)
 パチもんタイトルで擬態しつつ、他の作品の(重要な)ネタバレまでこなすとはいい度胸だな、オイ!

 誰も借りてないのをみるに、皆この作品が地雷だと判断したようだ。
 同じ新作料金なら、そりゃ~こっちは借りないな…うん。

 オーケイ、分かった。タフな男が必要なんだろ?

 (正直やりたくない)

《誰も監督を責めることはできない》
 僕は新年早々、この手のいかにもB級な作品を新作で借りている。

キュート・リトル・バニーズ [DVD]
クリストファー・デイン
竹書房
2018-01-06


(感想は→こちら←)

 なんといいますか、その作品の出来が、「新年早々吉1、凶4、大凶5が入ったお御籤で、一本の吉を引いてしまった」ぐらいの面白さだった。

 いや、『ゾンビーバー』枠の作品なら普通に「あ
り」の作品だった。

 今回の作品名は『エイリアンZ 超感染』である。

 正直『エイリアン〇〇~』といったタイトルがついた作品はロクなもんじゃない。
 ただでさえ厳しいパチモンタイトルの打率を、大幅に下げている元凶とも言ってもいい。

 さらに開始早々、画面にチャールズ・ダーウィンの名言が出て来た時点で、非常に嫌な予感がした。

 個人的な意見だが、ホラー映画で、最初に「いかにも名言」といったテキストが表示される作品で、当たりを引いた覚えがない。

 しかし、その後の映画の入り方は正直悪くない。
 低空でゆっくり這うように映し出される荒野。

 続けて、基地を巡回中の兵士を映すシーン。
 その時点でカメラワークや音楽の使い方、役者の演技とうが高いレベルだという事が分かる。

 「いかにも恐ろしい何かが起こっている」という雰囲気を作るのは非常に上手い。

 その「いかにも恐ろしい」がいつ起こるか……最後まで起こらない。
 いや、起こらない訳じゃなく、映画の中盤で怪物が出てくるのだが、それがまさかの全身ラバースーツ、ショッカーの怪人もビックリな出来。

 さらに眼が光るんですよ、ギラっとじゃなく、ピカー!て感じで。
 イメージとしては、男の子向けロボットの玩具の、発光ギミックを思い浮かべて欲しい。

 非常に微笑ましい。

 その時点で僕の腹筋は痙攣を起こしてしまい、もはや映画での中で、どれだけシリアスな話になっても、とてもじゃないがホラー作品としては観えない。

 怪物が出てくる度に、もしくは「超感染」の名前が示す通り、劇中次々に人間が怪物になっていくのだが、その「怪物になった」事を示す記号として、登場人物の眼が光る。

 ピカー!

 笑うはそんなもん。

 

観賞を終えて》
 映画の雰囲気は良かったと思う。
 その「嫌な雰囲気」を表現できているのは、画の撮り方や音響・演出といった基本的なスキルの高さあっての物だろう。
 出ている役者さんも、この手の低予算のB級作品にしては、演技が上手い人が多かった。

 しかし、眼が光るラバースーツ怪人が、全てを持って行ってしまった。

 惜しい、非常に惜しい。

 やっぱり予算か…。

 登場人物達は怪物と戦っているが、製作者は予算との戦いを強いられているようだ。

 ついでにオチの付け方を含めて、「モンスターが暴れまわる映画」ではなく、『X-ファイル』のようなミステリー作品の方が向いてそうな感じです。

 この監督は予算とジャンルによっては、この先化けそうな気がする。

 一応名前は憶えておこう、え~と監督のお名前は…ケリー・シュワルツ。

 ……またケリーか。
(言いがかり)

【感想まとめ】
総評:E
●基本的な技術は高いと思う。
●ロケーションの施設は他のB級映画でもよく見かける。
●宇宙人の出来には笑う。
●オチは悪く言えば説明不足、よく言えば想像力を掻き立てるオチ。
●雰囲気だけはトップレベル。

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