今回紹介する作品はこれ↓
※パッケージのビックフットはイメージです。
元の海外版のパッケージはカッコイイのにどうしてこうなった?
(海外版↓)
…それでもこういったB級テイストの映画は、日本版のダサいパッケージも独自の味があるような…(末期症状)
製作年:2013年 製作国: アメリカ
上映時間:80分 原題:「WILLOW CREEK」
監督:ボブキャット・ゴールドスェイト
製作:エイミー・ピアソン
出演:アレクシー・ギルモア/ブライス・ジョンソン
【あらすじ】
ビックフットについて調べているジムは恋人のケリーと共に、”パターソンフィルム”が撮影されたビックフットの聖地である”ウィロー・クリーク”を訪れる。
さっそく住民にインタビューを開始する二人。
街で一夜を過ごし、いよいよ”パターソンフィルム”が撮影された場所を目指して、森の奥に進む。
しかし、森の奥では想像を絶する恐怖が二人を待ち受けており……。
●ストーリー…………〇、POV方式のあってないようなストーリーだが、伏線の貼り方は上手かった。
●カメラ………………〇、POV方式。前半のなんちゃってドキュメンタリーがけっこう面白い変な作品&ビックフットの無駄知識が増える恐ろしい作品でもある。『藤岡弘探検隊』的なUMA探索番組としてそれなりに観れちゃうから評価に困る。けっこう笑えるシーンが多く、インタビューに答える住民のキャラが無駄に濃い。
●怪物…………………△、POV方式な時点でお察し。但し、音の使い方で怪物の存在・恐怖を演出するのは非常に上手かった。オチはファウンドフッテージ物お約束の「皆さん自由に想像して下さいね」タイプで評価が分かれそう。
個人的にPOV方式の映画では、面白い部類に入ると思う。
※以下ネタバレ注意↓
予告編はこんな感じ↓
POV方式(モキュメンタリ―)、ビックフッド、トランスモーファー、何処かで聞いたようなタイトルといった四重苦(カルテット)の問題作。果たしてその出来は……。
《前半:無駄に濃いインタビューキャラ達》
開始早々ヒロインの生々しい下ネタトークから始まる本作。
POV方式お約束に乗っ取り、先ずは登場人物の自己紹介も兼ねたカメラチェックがスタート。その自己紹介がストレートな下ネタ。
続いて、主人公のジムとヒロインのケリーがビックフッドが撮影された街”ウィロークリーク”の面々にインタビューしていく。
この手のPOV方式、いわゆる「なんちゃってドキュメンタリー」映画は、この前半のパートが退屈な場合が多い。なぜならほとんどの場合、あまり興味のない出演者の身の上話を、延々とされるのが原因である。
しかし、この映画では違う。なぜならばビックフットの聖地であるウィロー・クリークの街が変な街であり、この街を紹介するだけでも面白いから。
街中ビックフットだらけ。もう「ビックフットで街おこし」状態。そこら中にブックフットの巨大象だの、「ビックフット書店」だの「ビックフットバーガー」なるものがあって非常に興味がわく。
さらに例の”パターソンフィルム”を撮影したパターソンとボブは伝説として歌にもなってる。
(夜のバーで流しのギターが歌う)
おっさん登場。着ているT-シャツに注目。
(「知人です」ちょっ?…それは他ny…)
曲調はよくあるフォークソング。
(「さっそく一曲歌っていただきましょう!」なノリ!)
歌の合間にボブ・ディラン的なハーモニカもバッチリ入るよ!
長々と歌うおっさん。
(中身の全くない歌)
歌詞を間違えてはにかむおっさん。
(演出なのか、普通に間違えただけなのか不明)
歌詞を訂正して、歌いなおすおっさん。
二番に突入するおっさん…。
(間奏を挟んで二番へ。歌詞は相変わらずふつー。まさかこの歌が伏線になっていようとは…)
長ぇ…ひょっとかしてフルコーラスで聞かされる?と思っていたらノリノリな所で場面は変わる。
なんだよ!このノリは!(#`皿´)
もうすっかりこのビックフットの街に夢中さ!
一度行ってみたいが、三時間ぐらいで飽きそう(笑)
エンドクレジットによると、インタビューを受けている人達は本人らしい。ようは映画で誰かが演じているわけではなく、実際ウィロー・クリークに住んでいる住民にインタビューしているようだ。
まぁ、そんなのほほんとしたしたシーンにも、「行方不明なる人やペットは多い」「森に棲んでいる変わり者の住人もいる、彼らは非友好的」などの証言。
バーの壁に貼られた「この人を探しています」のポスター。
主人公一行の窓の埃に「去る」”leaf”の落書き(ジム:「去れ」”leave”と書きたかったのか?)の悪戯など、この後の展開を予想させる描写が挟み込まれる。
(行方不明のおばちゃん)
そして二人は森の奥へ…と後半に続く。
この前半の「なんちゃってドキュメンタリー」パートが、この手の映画を借りて来ちゃう層
(U.M.A好き)には面白いんじゃないかなー(`・ω・´)
少なくとも管理人は面白く観賞できた。
ビックフットの街の紹介と、伏線らしきものをふんだんに張っていて退屈しなかった。
あとノリノリで歌うトムに笑顔(*´Д`*)
《後半:音の使い方が秀逸なホラー》
さて例の”パターソンフィルム”が撮影された場所に向かう一行。
山奥に向かう道で地元のおっさんに警告を受ける。
おっさん:「この先には行くな。このままUターンして街で土産T-シャツでも買って帰れ」
帰ると見せかけて脇道からさらに森の奥に進む二人。
いつしか夜になりキャンプをする二人。
そこでジムからケリーへのプロポーズなんてシーンを挟み、ついにお待ちかねの恐怖パートが始まる。
この恐怖パートがなかなかよく出来ていた。
とにかく怪物の姿を出さずに音だけで恐怖を演出している。
真夜中に目が覚める。テントの薄い生地一枚挟んだ森の奥から変な音がする。
物音に加えて何かが動いている気配。
それがだんだん近づいてくる…。
何かがテントを揺らす。怯える二人。
そういったシーンを20分近い長回しで撮影している。
このシーンはよかった。
その後一気に、「ガァー」と来るか?と思っていたが朝になる。
↓
脱出をはかる。
↓
しかし、何かが追って来る気配。鳴き声、ノッキング。
↓
怯える二人。道を間違えて迷ってしまう。
↓
何かが襲ってきて…カメラに断末魔。終わり。
終わり方はこの手のファウン・ドフッテージの意味不明な終わり方で、さらに結局ビックフッドは一回も出て来ない。その潔さを称えたい(笑)
ただ、カメラが最後に行方不明のおばちゃんを映しているのが謎。
この二か月以上前に行方不明なったおばちゃんが半裸で映っている事について、色々な解釈が出来そう。
本編のレストランのシーンで、人間がビックフットを奴隷としてこき使っている壁画がある。その逆でビックフットが人間をなんらかの理由で奴隷にしているのかもしれない。もしくは「森の住人」が頭のおかしい犯罪者で女性を飼っているのかもしれない。
この手のファウンド・フッテージ(POV方式の”モキュメンタリ―映画”)は自分でああだこうだ想像して楽しむタイプの映画です。逆にいうとハッキリしたオチやテーマがあるわけではないので、苦手な人も多いかも。
ただこの手の映画では、前半の「なんちゃってドキュメンタリー」パートが退屈な上、さらに後半はカメラの前で仲間割れ→家族への懺悔・メッセージのお決まりなパターンになってしまう事が多いが、本作ではそのパターンから上手く外れている点を評価したい。
管理人個人の意見としては、単純にU.M.A好きとしてはビックフットの無駄知識が増えて面白かったのが大きい。
”ウィロー・クリーク”の街の、濃いキャラクターを眺めるつもりで観賞してみてはどうだろうか?
【感想まとめ】
●総評:C
●いわゆるファウンド・フッテージ作品。
●ビックフットの街”ウィロー・クリーク”の街並みが面白い。
●本作で使用されているビックフットのテーマソング
「`ROGER AND BOB(RODE OUT THAT DAY)`」はYouTubeで検索すると何件かヒットする。我々が考えている以上にメジャーなのかもしれない。
(※残念ながらiTunesストア等で販売はしておりません)
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