今回紹介する作品はこれ↓
う~ん、…やっぱり海外版↓パッケージの方がいい。
製作年:2014年 製作国:アメリカ
上映時間:86分 原題:「EXISTS」
※EXIST=存在する、生存する、ある、生きている、等の意
監督:エドゥアルド・サンチェス
製作:マーク・オーデスキー
出演:マディソン・バージ/ドーラ・マディソン・バージ/サミュエル・ディヴィス/ロジャー・エドワーズ/クリス・オズボーン/デニース・ウィリアムソン
※監督は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のエドゥアルド・サンチェス
【あらすじ】
夏休みの終末をテキサスの山奥で過ごそうと、夜の森を車で走っていた五人の若者達。何かにぶつかった感触があり、外に出て調べてみるも轢いた動物の姿はなく、凹んだボンネットには長い毛が付着していた。
目的地の山小屋に着き、休みを楽しむ若者達。
しかし、何かが山小屋まで追ってきており……。
●キャラクター………△、良くも悪くも等身大な人間という感じ。キャラが分かりにくい。途中まで誰が誰だか分からないが、分かり始めた途端に退場していく。
●ストーリー…………△、この手の映画のテンプレ通り。良くも悪くも意外性は皆無。
●カメラ………………△、なんちゃってPOV方式。POV方式にしては編集が多い感じ。とにかく揺れる。あと暗くて何をやっているのかいまいち分からないシーンが多い。
●怪物…………………〇、ラストに少ししか映らないが造形はかなりいい。高い知性をもった生物として描かれている。それでもやっぱり着ぐるみ感がある。
※以下ネタバレ注意↓
予告編はこんな感じ↓
《POV方式のビックフット》
さて本作はPOV方式で撮影されたフェイクドキュメンタリー(ファウンド・フッテージ、モキュメンタリ―映画)である。
ついでに登場する怪物はビックフット(サスカッチ)だ。
先日紹介した『U.M.A 2014 フォレスト・モンスター』と全く同じ題材である。
※↑この作品は映画とは関係ない、ドキュメンタリーパートの登場人物と街の紹介が、無駄に濃くて面白い変な作品だった。
(映画としてはサッパリな出来)
相変わらず目に見えた地雷だが、監督はこの手のPOV方式を広めた戦犯第一人者エドゥアルド・サンチェス。それならば少しは期待出来るのではないかと思い、観賞を開始。
開始早々、夜の山道で何かを轢いてしまう一行。外に出てみるが生き物の痕跡はなく、凹んだボンネットに長い毛が付着していた。
気味が悪いが、恐らく野生動物を撥ねたのだろうと、気を取り直して進む一行。
↓
目的地の山小屋に着く。ボロボロの山小屋は、かつてブライアンとマーク兄弟の叔父が狩りに使っていた別荘だ。
叔父はある日この小屋で何かを目撃し、それ以来大好きな狩りも止めてこの小屋にも近づかなくなった。
ブライアンとマークは小屋の鍵をくすねて、叔父には黙ってこの山小屋に友達と遊びに来たのだった。
↓
カメラで撮影していたブライアンは、何かが動くのもとらえる。皆に話すが信じない。
それどころか、カップルであるトッドとリズを、盗撮していたのだと疑われる。
二人にけちょんけちょんに貶されて、どうしても納得いかないブライアンは、夜の森に一人カメラを携えて出掛ける。
↓
何かが動き、襲って来るがそれはブライアンをからかう為に、皆の仕掛けた悪戯だった。
「やめろよー(
゚∀゚)アハハ」
なんてふざけていたら、本物登場。
「おおっと!ここでご本人の登場だ~!」みたいなノリなんですかね…。
その後の展開は、怪物の襲撃、翌朝責任を感じた今回の旅行の言い出しっぺのマークが助けを呼びに行く、仲間割れの喧嘩・ののしり合い、帰ってこない仲間、さらなる襲撃と、この手のPOV方式テンプレ通り。
自信のデビュー作『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の焼き直しですね。
本作では「何故ビックフットが襲ってくるのか?」ラストで判明する。
一応細部は異なると言いますか、オチはちょっと捻ってあった。怪物が出て来るのも早く、展開事態もスピーディーなので飽きずに最後まで観れた。
さらに前半の「若者たちの悪ふざけパート」でさりげなく、この後使われる小道具の数々や、映画の背景、伏線貼りをこなしており、その辺は上手かった。
それでも結論としては、全体的に予想通りで新鮮さはない。
あと夜のシーンは画面が暗く、観ていて疲れる&解りにくい✖
《ゴリラの着ぐるみで森の中を疾走したい時もあるさ!》
いや小題そのまんま(笑)
『ザ・コング』を観賞している時も同じような感想を抱いたのだが、撮影風景を想像するのが楽しい。
ゴリラ(ビックフット)の着ぐるみを着て、森の中を全力疾走する。
足場の悪い森の中を、全力疾走するのだ。きっと念入りな打ち合わせと、予行練習をするに違いない。
撮影前はビックフットの恰好のまま準備体操したり、ふざけてスタッフとクラウチングスタートで50メートル走を、やったりしているに違いない。
想像して欲しい、クラウチングスタートから無駄に綺麗なフォームで全力疾走するゴリラ(ビックフット)の着ぐるみを…。
きっと走っている内に自分の中で、何かが目覚めるに違いない。
森の奥でゴリラ(ビックフット)になり切るのは楽しかろう。
しかし、撮影場所は足場の悪い森の中だ。
最初はノリノリだがテイクを重ねるにつれ、着ぐるみの中は地獄になるだろうな…。そんな中追い打ちをかけるように監督に、「違う!もっとビックフットぽく走れ!お前のはスプリンターの動きだ!」
、とよく分からない駄目だしされるんだろうなぁ…。
撮影が終わってしばらくは「ウホー?…」としか言えない後遺症が出たりするんじゃないか?
ちょっと見学してみたい。
森の奥で2時間ぐらい疾走するゴリラ(ビックフット)の着ぐるみを眺めながら、ぼんやりしていたい。
そして、気づいたらいつの間にか近づいてきた彼が(ビックフットの着ぐるみの人)こういって話しかけてくるんだ。
「お前も走ってみないか?」
……上記のややポエムな感想はともかく、本作のビックフットの着ぐるみは非常に出来がいい。この手のB級低予算映画の着ぐるみ・スーツもちゃんと進歩している。
また画の撮り方自体はホラー映画っぽいので、怖いしビックリする。その辺の手腕はなかなかだが、致命的に出番が少ない。
その辺りは残念。正面から映しても大丈夫な出来なら、もう少し出して欲しい。
次にビックフットの生態描写について。
本作では石を投げて攻撃してきたり、トレーラーハウスを崖から落としたりと、考えて行動する描写があって良かった。こういった描写は珍しくて貴重だ。
あと、『U.M.A 2014 フォレスト・モンスター』の際にも抱いた感想だが、薄暗い森の中でよく分からない鳴き声・音がするのは、シンプルに怖い。
続いて不満点。
やたらと画面が揺れてしまうのは、POV方式の宿命なんだろうが、いくらなんでも多過ぎる気がした。もうちょっとメリハリがあった方がいいかと思う。
それに加えて夜のシーンはほぼ真っ暗な為、観ていて非常にストレスがたまる。
それでも、暗がりでビックフットと眼が合ってしまうシーンは怖かった。
全体的に『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の焼き直しだが、こっちの方がカメラの前で何が起こっているのか分かりやすい。
ただし、はっきりと分かる結果、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいに、後からジワジワくる恐怖はない。
その辺は評価が分かれそうだ。
映画の感想とはあまり関係のない話だが、レンタル屋で目ぼしい作品から優先的に借りていたら、後に残っているのが”POV方式のビックフット物”だの”J.V.Dのディープレッドレーベル”みたいな地雷作品ばっかりになっちゃたよ。
いやぁ、キツイっす…。
【感想まとめ】
●総評
:D
●展開事態は早くてよい。
●画面が揺れる&暗い。
●ビックフットの出来はいい。
コメント
この映画、前にCSで放映されたときに観ました。襲って来た理由とか、子どもの死体のアップとか、ラストで謝った人間を許してやるとか、やけにビッグフットの肩を持つ、ちょっと変わったストーリーだなと思いました。確かに金はかかってなさそうでしたね。
コメントありがとうございます。
ラストで謝った人間を許してやる>この手の「人間は怪物を許さなかったが、怪物は人間を許した」みたいな作品はたまにあります。体感的に1/100の率。
確かに金はかかってなさそう>えぇ、怪物映画ではいつものことです。99/100ぐらいの率…。