『GODZILLA 決戦機動増殖都市』と一緒に『ランペイジ巨獣大乱闘』も観て来ました。
露骨に『GODZILLA 決戦機動増殖都市』の公開にぶつけてきた感じがする。
この手の映画が大好きな管理人としては、嬉しい気持ちと、もうちょっと時期をずらして欲しい気持ちが半々です。
『ランペイジ 巨獣大乱闘』
データー・スタッフ・キャスト
監督:ブラッド・ペイトン:『センター・オブ・ジ・アース 神秘の島』『カリフォルニア・ダウン』
出演:ドウェイン・ジョンソン・『スコーピオンキング』『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
:ナオミ・ハリス・『28日後…』『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
:ジェフリー・モーガン・『ウォッチメン』『キリング・フィールズ・失踪地帯』
監督のブラッド・ペイトンは『センター・オブ・ジ・アース 神秘の島』や『カリフォルニアダウン』でもドウェイン・ジョンソンをメインに起用している。
ヒロインで巨獣が生まれる科学技術の産みの親ケイト・コールドウェル博士を演じるのは、ナオミ・ハリス。
傑作ゾンビ映画『28日後…』でも気の強いヒロインを演じていたが、本作では相方がマッチョ過ぎるためヒロインと言うよりは、冷静なツッコミ役。『28日後…』では、綺麗に見えるシーンと、綺麗なゴリラにしか見えないシーンの差が激しかったが、今作では安定している。
……なんだか本作が、「(綺麗な)ゴリラが生み出した技術で、(アルビノの)ゴリラが大変な事になり、(ハンサムな)ゴリラがなんとかしようとする映画」にしか思えなくなってきた。狙ってキャスティングしているなら大したもんだ。
ある意味「ゴリラによるゴリラのためのゴリラ映画」である。
【あらすじ】
ある遺伝子実験の失敗により、オオカミとワニ、ゴリラが凶暴・巨大化してしまう。怪獣と化した獣たちは破壊を繰り返しながら、ある地点に向かう。動物学者のデイビス・オコイエは怪獣と化したゴリラのジョージをなんとか助けようと、科学者のケイト・コールドウェル博士と共に追跡するが……。
予告編はこんな感じ↓
公式ホームページは→こちら←
著名人、ゆるキャラ、現役の動物飼育員のコメントが面白いです。
※以下ネタバレあり↓
スゲー良かった!(結論)
内容もなにも、「遺伝子実験の失敗で動物が巨大化し大暴れ」という、今時こんなシンプルかつアホな企画がハリウッドで通ったのが信じられない。アサイラムじゃなくてハリウッドですよ!奥さん!
難しい設定なし、小難しい人間ドラマも皆無。
上映中ずっと怪獣とドウェイン・ジョンソンが、暴れまわっているだけの映画なんだが、これが面白いのなんの。
怪獣映画大好き、モンパニ大好きな層は絶対観に行くべき!
個人的は大満足、『グリード』や『ディープ・ブルー』に並ぶ怪物映画の傑作だと思う。
映画は先ず、(正確な文章は忘れました)
「架空の遺伝子操作技術が開発されたが、ヤバいから軍事機密扱いになって禁止された」
、という内容を2行×2回のテロップを用いて、この映画を観るに上で知っておくべき最低限のバックストーリーを説明から始まる。
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続いて、場面が変わり、破壊された宇宙ステーションが映る。そこでは一人の女性がパニックになりながら、地球上の誰かと通信している。
「実験体が逃げた」
「マウスだろ?」
たったこれだけのやり取りで、想像力が掻き立てられる。上手い!
このシーンで、先ほど紹介された遺伝子実験の恐ろしさと、実験を指示した人物でありこの物語の悪役の、冷酷なロクデナシぶりが描かれる。実験のサンプルが回収されて脱出艇が地球に向かう。
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一方地球のとある場所では、ドウェイン・ジョンソン演じるゴリラ…ではなく動物学者のデイビス・オコイエが、新入りのスタッフを案内していた。
アルビノ白いゴリラの”ジョージ”と手話で会話するドウェイン・ジョンソン。この画の違和感のなさといったら……(笑)
このドウェイン・ジョンソン演じるデイビス・オコイエ。設定は一応霊長類が専門の学者というものだが、軍隊出身で特殊部隊経験者で、密猟対策のレンジャーチームにもいたという、”僕の考えた最強の科学者”
インテリ描写は、序盤に生物学の専門的な話を難なく理解するシーンがあったぐらい。後は、兵士をチョークスリーパーで気絶させたり、ヘリを奪ったり、撃たれても割かし元気に動き回っていたり、グレネードランチャーぶっ放したり……と、いつもの脳筋ぶりを見せつける。
正直「お前のような学者がいるか!」と思うが、まぁドウェイン・ジョンソンですし、細かい事は気にしない方向でいきましょう。
《怪物の見せ方》
この映画では怪物の見せ方が三段階に分かれている。
①「モンパニ映画」パート。怪物VS人間のパート。数メートルの巨体の人喰いモンスターと銃器を持った人間との死闘が描かれる。ここら辺はもろに”モンパニ”です。重武装の兵士が、一人また一人と倒されていく様を描く。フツ―に出来がいい。予算をかけて作られたモンパニってあんまりないからね。
戦闘シーンは最初からフルスロットルで非常にテンションが高い。スピーディーで迫力のあるシーンだ。
アクセントとして兵士のカメラ越しの映像を使うのも忘れない。
②「怪獣映画」パート。次に怪物が育って数十メートルになると今度は「怪獣映画」にチェンジ。怪獣VS攻撃ヘリ、装甲車、戦闘機のパート。どっかで見た様な、しかし怪獣ファンのツボを押さえたシーンを撮っている。
またゴリラは手を使って装甲車を投げて攻撃、ビルの鉄柱を振り回す、遺伝子操作されたオオカミはムササビの様に空を飛ぶなど、モンスターにそれぞれ個性があるのもいい。
これらのシーンは、CGの技術進歩によってかなり違和感なく観られる。短いシーンだが、この手の映画における技術的進歩がよく分かり、面白い。
本作中盤で、狼がムササビのように飛ぶシーンで、ドウェイン・ジョンソンが
「そりゃ、オオカミだって飛ぶわな……」
、と呟くシーンは、最近のさも当然の様に空を飛ぶ、サメ映画に対する皮肉なのではないか。
③「怪獣プロレス」パート。そして最後に怪獣VS怪獣。巨大な怪獣同士が街を破壊しながら、”大乱闘”を繰り広げる。さも当然の様に、ドウェイン・ジョンソンが生身で参加してますが、まぁ気にしない。さらにけっこうダメージソースになってますが(笑)
このように①、②、③とそれぞれ撮り方、観せ方を変える事によって同じデザインのモンスターでも飽きが来ないようにしている。同じ怪物で三度おいしい。
残念ながら、ドウェイン・ジョンソンは巨大化しません。
が、この人も改造強化されてないか……とツッコみたくなるシーン多数。
まぁ、いつものことか(笑)
《ある意味意識高い系》
本作は典型的なポップコーンムービーなんだが、ある意味意識が高い作品だと思う。
何故ならば「最初から最後まで怪物が暴れまわる」、という点で非常にいい仕事をしているからだ。
本作『ランペイジ 巨獣大乱闘』は、半魚人をエサにアメリカのポリティカルコネクトについて論じたりしない。怪物とアンドロイドを通して「人間とは何か?」と視聴者に問いただすマネなんてしない。
いやね、『シェイプ・オブ・ウォーター』も『エイリアン・コヴェナント』
どっちの映画も非常に面白かったよ。
しかしだ、近頃は「怪物が出て来る」映画を撮ろうとすると高尚なテーマを論じなければならない縛りでもあるのか、どうも話があさっての方向に全力投球されてしまうのだ。
「モンスター」だの「怪獣」にワクワクする僕らの中に住んでいる「少年」を満足させたい一心で、この手の映画を観に行くと高い確率で「なんだか難しい話」をやられるわけだ。
「ステーキは喰いたいが付け合わせの野菜はいらない」そんな状態。
その点本作は、最初っから最後までず~と怪物が暴れまわっているだけ。話の都合で人間を出さなければならないシーンは、ドウェイン・ジョンソンと誰かで昔懐かしの”バディムービー”をやる。
この”バディムービー”パートで今回の騒動は誰の仕業なのか、ゴリラのジョージを救う手段はあるのか?、そういった最低限のバックストーリーを説明している。
そういった設定の説明も、決して難解な長ったらしいものではなく、ドウェイン・ジョンソンのビックリ行動にナオミ・ハリスがツッコミを入れてる間になんとなく説明できてしまう親切仕様。
本作は「モンスタームービー」「怪獣映画」であると同時に、ドウェイン・ジョンソン演じるデイビス・オコイエがケイト・コールドウェル博士(ナオミ・ハリス)、ラッセル捜査官(ジェフリー・ディーン・モーガン)、そしてゴリラのジョージと、場面に応じて相棒を変えていく変則的なバディムービーとしての側面があると思う。
もう一度言うけど、本当によくこんな能天気な映画の企画が、このご時世に通ったもんだと思うよ(褒め言葉)
タイトルの「巨獣大乱闘」の通り、最初から最後まで怪物が暴れまわるだけの映画ですが、飽きないで最後まで観れるし、後味もよく、スカッとした気分で劇場を後にできます。
どうもこの映画と同時公開で、某怪獣王の名を冠している割には怪獣がさっぱり出て来ない映画があるらしいが(すっとぼけ)、今映画館に怪獣映画を観に行くなら(※条件が超限定的)本作『ランペイジ 巨獣大乱闘』観ることをお勧めする。
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コメント
WWE時代からロック様のファンで、出演している映画は、できるだけ観ることにしています。なので、ジュマンジもこれも観ました!いや~、面白かった!すべておっしゃる通り!近年作られた怪獣映画では最高と言っていいでしょう。
でも、興行収入はどうだったのかなぁ。私は公開初日の夜に観たのですが、客は自分を入れても十数人。行きつけのシネコンで一番大きいハコだったので、カラッポ感が半端なかったです。ゆったりして良かったけど…。
興行収入はどうだったのかなぁ。>どうなんでしょう(笑) 「能天気なポップコーンムービー」を観るとして、その中でも「怪獣映画」を選択するのは、どれくらいの人が「あり」なんでしょうかね?
管理人も、「公開初日の夜」に観に行きましたが、20人くらいだったかなー。
映画館自体が、昔ほどお客さん入ってないですから、なんとも言えないですがね。
おさるのジョージとザ・ロックの友情と怪物が暴れるだけだが、それで十分面白かった。強いて言うなら最後はザ・ロックも巨大化して暴れてほしかった。
強いて言うなら最後はザ・ロックも巨大化して暴れてほしかった。>それはこの映画を観賞した人間は誰しもそう思う(笑)
しかし、ザ・ロックも絶対遺伝子操作されていると思う。
えぇ、いつものロック様でした。