「遊びあそばせ」感想・紹介 ~クスッとなる、美少女アニメ~(※嘘は言っていない)

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「あそびあそばせ」データー

・監督:岸誠二 「天体戦士サンレッド」「結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章-」

シリーズ構成:柿原優子   ・脚本:柿原裕子

・キャラクターデザイン:黒澤桂子

・音楽:甲田雅人

・アニメーション制作:Lerche      ・全12話

【原作】作者:涼川りん 

出版:白泉社 連載誌:ヤングアニマル 既刊7巻(2019年2月現在)

 

 

「あそびあそばせ」:内容

外国人の両親を持つが、日本生まれ日本育ちで英語がさっぱり出来ない、金髪碧眼美少女のオリヴィア。

放課後教室で本を読んでいるようなキャラクターなのに、英語はサッパリな佳純(かすみ)。

お金持ちで、勉強スポーツと文武両道ながら、センスが独特すぎてリア充になれない、おさげ少女の華子(はなこ)。

その三人が結成したのは、様々な遊びに興ずる「遊び人研究会」

彼女たちの、ちょっと変わっているけど、ふんわりした日常を描いた作品。

(※嘘はいっていない)

 

 

 

「あそびあそばせ」感想

笑った。まさか女の子が、イチャイチャしているだけ(※嘘はいっていない)の作品で、こんなに笑うとは思わなかった。

……もうとっくにネタバレしているから、書くが本作はジャンル的には「ギャグ」に入る。なんというか可愛い女の子のキャラクターと、ギャグの落差が酷い(※この場合の酷いは誉め言葉と考えてほしい)

ネットでは「汚いきんいろもざいく」「オープニング詐欺」とう、酷い言われようなんだが、まぁ、実際酷いからしょうがない()

第一話、開始早々に「顔芸」「絶叫」「美少女の鼻に指をつっこむ」と、のっけからハイテンション。

のっけから、「美少女アニメ」にあるまじき行いの数々だが、「あ、ギャグアニメなんだ」気づいたら色々と納得する。最初からフルスロットルである。

本作品、「顔芸」「絶叫」ばかり取り上げられるが、個人的には「間」の取り方を押したい。

「ギャグ」に限った話ではないが、日本語作品で一番重要なのは、この「間のとりかた」だと思っている。

これが合ってないと「ギャグ」に限らず、「ホラー」「感動」といった作品を構成する全ての要素が無駄になる。もちろん、日本語ではなく、他の言語の作品でも「間」というのは、大事なんだが、個人的には、日本語の「間」というのは、大きいと思う。

これが「わび」「さび」から、「哀愁」「おかしみ」まで、そういったものを構成する、もっとも重要な要素なんじゃ無ないかと思っている。

本作「あそびあそばせ」では、その「間」の絶妙さが、「笑い」となんとも言えない「哀愁」を表現していたと思う。

そのあたりの「間」の取り方を心得ている方が、制作陣の中にいたのだろう、いいことだ。

個人的に好きなキャラクターは、華子の家の執事である・前多(まえだ)・(CV置鮎忠太郎)と、名前は不明だがオリヴィアのお兄ちゃん・(CV森川智之)。

……「美少女アニメ」の好きなキャラクターで、野郎×2というのも奇妙な話だが、こいつらが濃いのだ。(※本作品のキャラクターは基本的に濃いが……)

まずは、執事の前多。見た目は、丸刈りのひげ面でいかつい中年。ぱっと見有能そうだが、言動に色々と難がある。CV置鮎忠太郎で想像できると思うが、見ようによっては、無駄に渋いおっさんである。

恩人の孫であり、雇い主一家の一員である華子に、丁寧に接する。華子が自分に対して、かなりアレな態度をとっても、忠実に仕えるが、どう考えても、このおっさんもアレなんでどっちもどっちである。

さてこの前多、「大学生の頃に、全身黒ずくめの男たち(※絵的にはグレイ型宇宙人)に拉致られた結果、尻からビームを出せる体に改造されてしまう。その尻から出るビームをコントロール出来ないせいで職と住む場所を失った」という、とんでもない過去の持ち主。えぇ、作者の頭の中を覗いてみたい。

その際、手を差し伸べて家においてくれたのが、華子の祖父。

以後、華子の家に執事として仕えるが、華子の弟には「あの人、昔から家にいるけどいったいなんなんだろう?」と思われている。……そういった様子から、「あんまり執事として役に立ってないのであろうか?」、と想像できて面白い。

キャラクターとしては、よくいるタイプの「自分がどうしようもなく追い詰められた時に、手を差し伸べてくれた人に命懸けで仕えるキャラ」なんだが、その「どうしようもなく追い詰められた」状況が、「尻からビームが出る体に改造」である。

作者は頭おかしい(※誉めてます)

ギャグキャラなんだが、無駄に渋いいい声をしており、そのギャップが面白い。

もう一人のお気に入りキャラ、オリヴィアのお兄ちゃんについて。

美少女だが、勉強はサッパリなオリヴィアと違い、このお兄ちゃん、海外の大学を飛び級で卒業し、博士号を二つ持っているインテリである。

金髪碧眼の美少女の兄で、大学を飛び級で卒業するハイスペック……凄くいい男を連想するが、生粋のオタクである。小太りで、似合ってないロン毛、内股、チェックシャツにジーパン、アニメの缶バッチだらけのリュック(胸の前のプラスチックの留め具をしめている)とコテコテのファッション。さらには、奇妙な話し方をする、……と、まぁ、オタクを極度に記号化したキャラである。

ちなみに、その奇妙な話し方とは、

「~〇〇殿」

「~ではござらん」

「デュフフ…」

と、いったもの。正直、ネットのネタ以外に見たことがない

有名なネタ過ぎて、ふざけてマネするオタクはいるかもしれない。

上記の理由により、華子にオリヴィアとの血の繋がりを疑問視されるが、サングラスを外し、オリヴィアと同じブルーアイズを見せたことにより、疑いは晴れる。

その場面、髪型と顔の輪郭をうつさずに、目と鼻筋をクローズアップすると男前である。

スマホのやり取りは、非常に紳士的で格好いい。

また、漫画雑誌のために土下座もいとわない、むしろ「ご褒美」と言い張る漢でもある。

 

 

以下、お兄ちゃんの台詞に出てきた言葉の解説

・ミメーシス……芸術理論上の概念の一つ。芸術における模倣。

・クリシェ……(使い古された)定型文、決まり文句。「よくあるもの」

・パスティーシュ……音楽、文学、芸術とうにおける模倣作品。ごたまぜ、寄せ集め。

・ベンヤミン……ドイツの哲学者・文芸批評家のヴェルタ―・ベンヤミン(1892~1940)のことと思われる。歴史や哲学の授業で「世紀末ウィーン」というキーワードを聞いたことがある人もいると思うが、そのあたりで教科書に載っていたような気がする。

・生中(なまちゅう)……現役女子中学生の事と思われる。

 

 

「あそびあそばせ」感想まとめ

●美少女アニメの皮を被ったギャグアニメ

●濃いキャラクターが多い

●笑いたい人におすすめ。

「美少女アニメ」(※嘘はいっていない)なんだが、癖があるようでない、ギャグがわかりやすくてお勧めです。

最近笑ってない人はどうぞ!

 

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