なぜ?、今B級映画が人気なのか考察してみた。
最近、密かにB級映画ブームがきているらしい。
「本当かよ!」、とお思いになるだろうが、一時期に比べてメジャーなものになってきたのも、また確かである。
そんなB級映画ブームについて、自分なりに考察してみた。
「B級映画」のもともとの意味。
そもそも、「B級映画」「B級」というのは、本来は、低予算という意味ではない。
もともとは、1930年頃からのアメリカで製作され始めた「短期間で撮影、限られた予算、上映時間も限定された」という、およそ映画作りに不利な条件で、撮影された映画の事である。
当時アメリカでは。二本同時公開が主流であり、その際にメインの映画と同時に、ようは「添え物」として上映されていた作品を指す。
しかし、アメリカでは、次第に大作志向の映画が作られ始め、二本同時公開興業は姿を消していった。それにともない「B級映画」は姿を消していったが、やがて195お年代に入り、特定の層をターゲットに作られた低予算映画を「B級映画」と呼ぶようになっていく。
以上の事から分かるように、CDシングルのA曲(メイン)とB曲(カップリング曲)の“AとB”のように使わていたようだ。
エクスプロイテーション映画
の中でも「B級映画の帝王」と呼ばれている監督がいる。
その名はロジャー・コーマン。
「早い、安い、出来はそれなり」の映画を得意とし、映画監督人生の中で「10ドル以上の損失を出したことのない男」として有名である。
そのロジャー・コーマン監督いわく、彼が撮っているのは「エクスプロイテーション」映画である。
エクスプロイテーション(Exploitaion)とは、“簒奪(さんだつ)”の意味であり、ヒットした大作映画のセンセーショナルな部分に便乗し話題を集め、観に来た観客のお金を“簒奪(さんだつ)”する映画のことである。
「ジュラシック・〇〇」だとか「エイリアン・〇〇」なんてのは、全部そういった流れで名付けられていると思えば、色々と納得がいく。なるほど。
ちなみに、ロジャー・コーマン監督は、「B級映画の帝王」と呼ばれる事を、あんまりよく思っていないそうだ。
そりゃないよ、コーマン先生!
B級映画の製造–流通–評価のルート
さて、本来はマニアックな趣味であり、ハードルの高いものであった趣味「B級映画鑑賞」
ここ数年、日本で以前より広く、B級映画が親しまれるようになった。
(※個人的な意見です)
その理由として、まず挙げられるのは「製作-流通」ルートが形成されたことだ。
「市場にコンスタンスに出回ること」
まず、これに成功したのが大きい。
「製作:アサイラム→配給:アルバトロス」
の、ゴールデンルート。
その例として、近年の「シャークネード」シリーズの、謎の大ブレイクをあげたい。
「サメが竜巻に巻き上げられて、そのまんま襲ってくる」
、といった
「何の意味なのか分かんないですね」
状態の作品なんだが、これが世界中(※主に日本)で大ヒット。
次々と、続編が作られ、さらには続編のたびに予算が増えていく事態だった。
なんと!シリーズ最新作で最終章の「シャークネード6」は、日本では劇場公開されるという、低予算のB級映画では、史上初の快挙を成し遂げる。それも、4DX公開だ。
ん?お前は観に行ったのかって?
ええ、行きましたよ。義務として。
こういったヒット作が生まれるのも、「製作-流通」ルートが完成されたからだと思う。
続いては、ネットの発達によって、低予算B級映画の楽しみ方が、一般の方に広く認知されたのも大きいと思う。
今まで、一部のごく熱心なファンによって支えられていた低予算B級市場。
その、「ごく一部の熱心なファン」の中から、ブログや動画サイトで、B級の楽しみ方を面白おかしく紹介する者が現れたのだ。
彼らのウィットにとんだ物の見方が受け、今まで「つまらない、金返せ」と言われていた作品が「ある意味面白い作品」として、多くのネットユーザーに支持されたのだと思う。
その一部の紹介者が、無駄な文才を発揮していたのも大きいだろう。
ちなみに主に「サメ映画」が語られる事が多い。
この様にして、B級映画の「製作-流通-評価」のサイクルが確立されたのが、近年のB級映画ブームを形成している、大きな要因だと私は考える。
まとめ
以上、最近のB級映画ブームについて、管理人なりに考えたことを書いてみました。
「いや、きてねーし!」
と、方も多いと思いますが、最近のB級映画はクオリティも上がっており、かなり見やすくなってます。特に、有名映画のリスペクトしたパロディセンスは、目を見張るものがある。
休日に、テレビの前で寝っ転がって観る分には、十分面白いので、喰わず嫌いせず観てみたらどうでしょう?
私のお勧めは「シャークネード」シリーズです。
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