今回紹介する作品は「クラウンタウン」です。
現在公開中の「ジョーカー」と、11月1日から公開される「IT/イット the end”それ”が見えたら、終わり」に便乗した作品と思われる。
配給は、B級に定評のあるインターフィルム。たまに出来のいいB級作品を持ってくるが、さーて今回の作品は……。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「クラウンタウン」
・製作年:2016年
・製作国:アメリカ
・上映時間:85分
・原題:「Crown town」
・監督:トム・ナゲル
・脚本:ジェフ・ミラー ・音楽:ホリー・アンバー・チャーチ
・出演:ブライアン・ナゲル/ローレン・コンプトン/ケイティ・キーン/アンドリュー・スタントン/ジェフ・デントン……etc.
予告編
「クラウンタウン」:あらすじ
コンサート会場のオハイオ州に向かう途中、道に迷った二組のカップル。コンサート会場の場所をきくためにダイナーに立ち寄るが、メンバーの一人がスマホを無くしてしまう。スマホを拾った持ち主と落ち合うために、田舎町に立ち寄るが、周りに人影はなく、不気味にな静寂が漂っていた。
そして、日が落ちた街で、彼らはピエロの格好をした殺人鬼たちに襲われて……。
「クラウンタウン」:感想/ネタバレ有
「インターフィルムに騙されました」其の二
「田舎町に迷い込んだ二組のカップルが、殺人ピエロの集団に襲われて恐怖の一夜を過ごす」といった大変わかりやすいストーリーである。
よくこんな「どこかで見たような」作品をつくったな、と思うが、映像の質からして、限りなく自主製作映画に近い低予算ホラーなんで、あんまり厳しい事言っちゃダメ!
「雑」さを楽しむ方向で観よう。
ネタバレ/だいたいこんなお話。
「田舎町に迷い込んだ二組のカップルが、殺人ピエロの集団に襲われて恐怖の一夜を過ごす」という実に分かりやすい作品なんだが、「13日の金曜日」と「悪魔のいけにえ」を足して2で割ったみたいな設定が多く見られる。
ピエロの正体が、「頭のおかしい殺人鬼一家」で、犯行がばれていなかったのは、「身内に保安官がいて事件をもみ消していたから」なんていう、ツッコミどころ満載なストーリー。
この手の低予算スラッシャー映画の物語に統合性を求めるのも酷な話だが、あまりにも荒唐無稽すぎるところが多い。この手のホラー作品は、どうやってスマホを使用禁止状態にするか苦労しているが、本作にいたっては「電波が飛んでない程田舎だから&充電が切れた」という、とんでもない力技で対応している。
そうか、田舎過ぎて電波が悪いのか……じゃあ、仕方ないね……て、なるかー!!
今時、どんな田舎やねん。
武器を持ったピエロの集団という、善の属性が1mmもない集団はビジュアル的にインパクトあるが、ピエロのメイクが「雑」なのはご愛敬。
メインのピエロがヒョロヒョロなのに、とんでもないタフネスさを誇るのは何故なんだろう?
恐怖のピエロ軍団と、一晩ハッスルした挙句、主役のカップルは無事に逃げ出す&ピエロが路上を歩いているシーンを映して終わり。
珍しく「俺、そろそろ彼女にプロポーズしようと思っているんだ」と言っている彼氏&無駄に露出の多い格好をしたグラマーな彼女が生き残る作品。
二人とも、存在そのものが死亡フラグなんだけど、よく生きていたな。
基本的に画の撮り方が「どこかで見たことのある」ものばかりである。ホラー映画で使い古された、よく言えば「伝統」の撮り方ばかり。「13日の金曜日」だとか「悪魔のいけにえ」とう、過去の名作ホラーのオマージュが多い。
そういった過去の名作の模倣シーンは、意外とよく撮れているが、その他のシーンの出来はサッパリである。名作シーンの模倣シーン以外は、途端にやる気がなくなるのか、俳優の演技までグダグダなのは笑ってしまう。
ついでに、今時わざわざ「必要のない金髪美女の着替えシーン」を撮る”クラシック”ぶりである。古くさいのだが、ホラー映画ファンなら、撮ってる奴らの気持ちが分かってしまうのから困る(笑)
白のタンクトップに、太ももでカットされたジーンズって、アンタねー(笑)
70年代のプレイメイツスタイルである。
殺人ピエロ:過去の名作ホラーの模倣作品。
グロやスラッシャー描写はマイルド。単純に金がなかったものと思われる。人が死ぬシーンは悲鳴と音でごまかす表現。この手の低予算ホラーは、グロシーンだけ無駄に頑張るものが多いが、本作は名作ホラーの「嫌な雰囲気」を模倣するのに忙しく、グロやスラッシャーはあんまり撮る気がないらしい。
個人的には、「低予算のくせに残酷シーンだけは無駄に頑張る」作品は、趣味が悪く感じるんで、本作のような「嫌な雰囲気」の模倣の方がいいかな、と思う。模倣のシーンだけは、妙に頑張るが、それ以外がね……。似せようとした努力は飼うよ。
ホラー表現はジャンプスケアを多用するスタイル。音響調整に失敗しており、無駄に音が大きいのでビックリする。しかし、思ったよりも音が大いとビックリするのは当たり前なんで、その辺はノーカンにしたい。
感想まとめ。
全体的に雑な作品。模倣シーンは気合が入っていたが、その他はさっぱり。限りなくZ級(自主製作)に近いB級といったところ。「とりあえずピエロにしました」感が凄い。そんな作品を現在謳歌意中の「ジョーカー」「IT/イット the end”それ”が見えたら、終わり」に便乗してリリースした魂胆が透けて見える。
リリース過程を含めて「雑」な作品だが、この作品を借りる人は、(管理人もそうなんだけど)その辺を分かったうえで借りているだろうから、そんなに不満はないんじゃないかな?
総評・感想まとめ
総評:♡♡ 2/10
●キャラクター………✖
・B級よりもかなりZ級よりなため、キャラクター造形はかなり雑。
・女優のルックスはいい。「Me Too.」運動の前なせいか、分かりやすいお色気要員である。
●ストーリー………△
・「13日の金曜日」と「悪魔のいけにえ」を足して2で割って、ピエロでコーティングした作品。
・↑上記の内容を非常に雑にやっている。
●カメラ・演出とう………△
・時々、妙に丁寧に撮っているシーンがあるが、だいたい古典ホラー作品のマネっ子である。
・名作のパクリシーンはよく撮れてるが、それ以外が雑。機材も悪い。
●怪物……✖
・「とりあえずピエロ」にしました感が凄い。
・何がしたいのかイマイチ分かんない怪人だった。なんで撃たれて平気なんだろう?
●その他・印象に残ったところ
・全体的に雑な作り。
・「武器を持ったピエロ」という、善の属性が1mmもない集団。もはやギャグである。
・メインの、おっぱいの大きい女優を撮りたかっただけんじゃないか?
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