今回紹介する映画は「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」
・製作年:1959年
・製作国:アメリカ
・上映時間:62分
・原題:「ATTACK OF THE GIANT LEECHES」
・監督:バーナード・L・コワルスキー
・製作:ジーン・コーマン ・製作総指揮:ロジャー・コーマン
・出演:ケン・クラーク/イヴェット・ヴィッカーズ/ジーン・ロス/ブルーノ・ヴェソタ/ジャン・シェパード/マイケル・エメット/タイラー・マクヴィ/ダン・ホワイト……etc.
・予告編
「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」:あらすじ
「田舎の沼地に現れた怪物が、周囲の人々を恐怖のどん底に陥れる!
フロリダのとある田舎町。ある日、カワウソの密漁に出かけた男が、奇妙な生物に遭遇する。銃弾を浴びた怪物は沼の中に姿を消した。町に戻った男は、周囲の人々にそのことを話すも、話した場所がバーということも相まって、誰も信じようとしない。
そんな中、沼の周辺で行方不明者が続出する。自然保護管のスティーブは、町の有志と調査を開始するが……」
似たような名前で、似たようなストーリーの作品があるが、それはかのブレッド・ケリー(おのれ!ケリー!)監督が作ったZ級映画である。そもそものパクリもとが、あのロジャー・コーマン監督プロデュース作品なあたりで、どうにも業が深い。
つーか、半世紀前の白黒映画の方がマシって、ケリーはおおいに反省しろ!
「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」:感想/ネタバレ
1959年の白黒モンスター映画。昔の作品なんで、白黒だということを除いても、フィルムの粒子が荒くて見にくい。登場人物の格好も当然古くさく、却ってそこがいいと思う。
ここまで古い作品だと、色々とチープな作風だとか、荒い粒子だとかも一種の味として楽しめるのではないだろうか?
本作は大昔に、テレビ放映されたらしく、それをリアルタイムで観ていた方々が、懐かしさ補正もあって、多めの星を付けているので、映画評論サイトの星はあんまりあてにならない。とか言いつつ、個人的には、第三者が読んでいて面白いのは、そういった主観にまみれた思い入れたっぷりなやつなんで、珍しく面白いAmazonのレビュー欄だと思った。
(まぁ、当サイトの管理人の評価もあんまりあてになんないんで、そんなに気にしなくていい)
しかし、ロジャー・コーマン作品って、デジタルの時よりもアナログ、アナログ作品よりも白黒の方が、粗が目立たないため、面白く感じるってどういうことなの?
「B級映画の帝王」と評されるロジャー・コーマン監督だけど、生まれた時代も大きかったんじゃないかな。今のデジタルだと、ショボい特撮はごまかしが効かないし、女優の裸を含めてポリコネはきびしくなったし、何よりもパクリまくってる手法が、今後どうなるか。
「オマージュだよ!」と言っても済まなくなってくだろうなぁー。
不倫の泥沼が、怪物のいる本物の泥沼へ!
観ていて気付いたのだが、ブレッド・ケリー作品の「恐怖のモンスターパニック 巨大ヒルの襲来!」って本作品のプロットとキャラクターをそっくりそのままパクって作られていたのだな。
よそ者の自然保護管だとか、爆発物使いの学者だとか、不倫カップルだとか、そっくりそのままである。怪物ヒルが誕生する下りや、オチもそっくりそのまま使っている。
(取って付けたような、放射能設定が笑える)
このそっくりそのまま流用するのも、パクリ元も、ロジャー・コーマン監督なんで、そんな文句はないだろうと、好き勝手やったにちがいない。
(※そもそもロジャー・コーマン自体、「最近どこかで見た設定」で映画を撮っている)
うん、まぁ、小さい頃に観た映画を、パクって自分なりに撮ってみたいというのは分かるが、なんでロジャー・コーマン作品なんだよ!!
それも半世紀前のロジャー・コーマン作品の方が出来がいいって、相当だぞ!
ケリーは大いに反省しろ!
白黒映画だと、陰影の付き方が極端になるから、登場人物が皆、堀の深い美形に見えてくる。ついでに、特撮ヒルゴンの粗が目立たないだとか、荒唐無稽な設定や、いかにもな音楽も、本作が「古い白黒映画」ってだけで、却っていい方に動いている。
あと、ロジャー・コーマン監督って女性を扇情的に色っぽく撮るのは上手い。なんか、スゲー男のツボを押さえた撮り方すんのよね。
したがって、けっこう面白く感じた。
ただし、本作は、AmazonPrimeビデオの変な翻訳・日本語字幕の許容範囲を超えてる、糞字幕なんで、そこはとっても残念。
南部の荒くれ男が、女性のような丁寧語を話し出すかと思えば、「報奨金を払うゆかい?」(報奨金を払うかい?)、「ナン(女性の名前)」が「ナニ」になったりと、なかなか酷いww
AmazonPrimeビデオの無料枠なんで、暇つぶしに流して観るにはちょうどいいかもしれない。
総評・感想まとめ
評価:♡♡♡ 3/10
●キャラクター……〇
・キャラクターは立っていた。
・友達の女房と浮気すんなw
●ストーリー……△
・あってないようなもんだが、一応綺麗に繋がっていた。
・↑比較対象が、これのオマージュのブレッド・ケリー作品なんで、点数は甘め。
●撮影・音響……〇
・音楽はいかにも「怪奇映画」って感じのやつ。
・白黒なんでカラー版のロジャー・コーマン映画よりマシに感じる。
●怪物……〇
・蛸みたいな巨大ヒルは思ったよりもいい感じだった。
・今のデジタルだとショボく感じるのだろうが、白黒だとオドロオドロしく感じる。
●その他の感想
・時間も短くてちょうどいい。
・不倫の泥沼から、本物泥沼へ。
・変な字幕。これも「味」なのか?
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