巨大へび映画「キングコブラ(1999)」紹介&感想(ネタバレ有) ~巨大ヘビと、理解と尊敬と、ドロップキック~

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ヘビ~な話

今回紹介する映画は「キングコブラ(1999)」です。

「キングコブラ」でググるとゲイポルノを題材としたサスペンス作品もヒットするので、カッコ内の”1999”は便宜上です。

製作年から分かる通り、20年以上前の作品で、当初はVHSで販売・レンタルされていた。

レンタル開始当時、管理人は中学生で、=イコール金がない。よって「観たいな~」と思うも、B級映画特有の、いつの間にか棚から消えている現象が起こり、今日まで鑑賞できずにいた。

今回AmazonPraimeビデオの無料枠で発見、20年ぶりに悲願達成とあいなりました。

……うん、まぁ、そんなに大騒ぎするような作品じゃないですけどね!

個人的には嬉しかったんだ(*´Д`)

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作品情報・スタッフ・キャスト

「キングコブラ」

製作年:1999年

製作国:アメリカ

上映時間:93分

原題:「KING COBRA」

 

監督:デヴィッド・ヒレンブランド

製作:デヴィッド・ヒレンブランド/スコット・ヒレンブランド    

製作総指揮:マーク・アミン

音楽:デヴィッド・バーレル     

撮影:フィリップ・D・シュワルツ

 

出演:パット・モリタ/ホイト・アクストン/スコット・ブランドン/カセ―・ファロ/ジョセフ・ラスキン/コートニー・ゲインズ……etc.

パット・モリタ「ベスト・キッド」シリーズで空手マスターの”ミヤギさん”役で有名なあの人。名前の通り日系アメリカ人俳優(故人)

・予告編

King Cobra – Trailer

「キングコブラ」:あらすじ

「遺伝子操作によって生まれた巨大キングコブラが人々を恐怖のどん底に突き落とすモンスターパニックホラー。

遺伝子工学の権威バーンズ博士の研究所から、実験体のキングコブラが逃げ出してしまう。

2年後。アメリカの小さな田舎町フィルモアでは、町をあげてのビールフェスティバルを控えて、活気づいていた。町の診療所に勤めるケーガンのもとに、ショック状態に陥った男の子が運び込まれる。ショック状態が、爬虫類の毒によるものと突き止めたケーガンは、都会の病院に血清を注文する。病院の情報提供を受けたバーンズ博士は、フィルモアに実験体を捕獲しに向かう。

町では謎の行方不明者が続出するも、ビールフェスティバルを優先する。

自分たちの手に負えないと判断したケーガン達は、ヘビの専門家のハセガワ博士(パット・モリタ)に協力を要請し、罠を仕掛けて待ち構えるが……」

 

あらすじ的には、「ジョーズ」そのまんまである。ついでに「ジュラシック・パーク」要素を混ぜただけであるが、途中からヘビの専門家ハセガワ博士(パット・モリタが出て来たあたりから、話は斜め上に加速していく。

 

「キングコブラ」:感想/ネタバレ

VHS時代のB級モンスターパニックホラー。B級と言いつつ、エンディングクレジットで、ドルビーアトモス表記があったりと、それなりにお金がかかっている感じ。

(エンドクレジットも、名前がぎっしり!)

「ジュラシック・パーク」のようなガチのSFエンタメ作品とは、比べるべくもないが、カメラワーク、カット割りなどがしっかりしており、俳優の熱演もあってドラマパートは無駄によく出来ている。(ただし、そのドラマが作品に活かされているかは、やや疑問が残る)

ロジャー・コーマン作品や、アサイラムとは違って、真剣に撮っているタイプの安っぽい映画。

この手の、「真剣に撮ったけどさっぱりなSF作品」って、時代と国境を超えると思っている。興行成績はさっぱりでも、評判は最悪でも、マニアにはたまらない一品ってある。この作品はそういった分類である。

デジタルになってから、丁寧にカット割りや、ピント変える作品って、少なくなった気がする。これだけ丁寧に撮っている作品って、最近見かけないけどね。

ただし、面白いわけじゃないから、そこんとこよろしく!

 

西洋的合理主義と、東洋の神秘主義とドロップキック。

さて本作のテーマとして「西洋的合理主義・西洋的物質文明に対する警告」があると思う。同じような設定の「ジュラシック・パーク」において、最新の遺伝子工学で蘇った太古の捕食者によって、人間が原始的な生存競争に放り込まれる状況を描いていた。

本作では、遺伝子操作によって生まれた怪物が研究所を脱走する下りにそれが描かれている。保守的な老科学者・バーンズ博士に反抗した若手研究者が、危険な実験を敢行する。慎重な師匠にしびれを切らした合理主義者の弟子が、悲劇を起こしてしまう。

「西洋的合理主義」が怪物を誕生させたなら、それに対するカウンターは「東洋神秘主義」というわけで、パット・モリタ演じる老科学者が出てくる。このハセガワ博士なる人物が、ハリウッドにおけるステレオタイプな東洋人像なんだが、東洋人=”カンフーマスター”みたいなやつ。

どっちかと言うと、いい方に勘違いした東洋人像である。

ちなみに、パット・モリタ「ベスト・キッド」シリーズで空手マスターの”ミヤギさん”役で有名である。

「喧嘩が強くなりたいんです!!」という、いじめられっ子の少年に、塀のペンキ塗りをさせる事でお馴染みの、あのミヤギさんである。

表の仕事は庭師なんだけど、庭にビンテージカーをいっぱいコレクションしていて、どういった社会階層に属しているのか、イマイチ分からない事で有名な、あのミヤギさんです。

ついでに、ミヤギさんに弟子入りする少年が戦う事になる、悪役の空手グループの名前が「コブラ会」だということを頭に入れておくと、この映画がもうちょっと別の物に見えてくるよ(笑)

そんなパット・モリタ演じる老科学者が、空手マスターの的な説法をかまして、巨大ヘビに対して、ヘビ獲り棒で肉弾戦を挑む、斜め上の展開が繰り広げられる。

ついでに、このハセガワ博士なる人物、定期的にコブラの毒を注射することにより、体内で血清を作れる稀有な人物として描かれている。

しかし、そんな達人ハセガワ博士も、キングコブラとガラガラヘビの遺伝子を組み合わせた巨大ヘビには、苦戦して百面相を披露する羽目になる。

(↑Amazonで売ってるけど、こんなの)

そんな老科学者に感化されたのか、クライマックスでは、主人公の片割れである町医者が、キングコブラにドロップキックを炸裂させる熱すぎる展開。愛する人のピンチの前では、西洋的合理主義も、東洋の神秘主義もどこかに吹っ飛んでしまう。西洋的合理主義の申し子とも言える医者の主人公が、ヒロインのピンチにとった行動は、自らの肉体を弾丸と化す、ドロップキック

熱い!熱いよ!この映画!

ライフル弾をかわす巨大キングコブラに、綺麗に決まるドロップキック!

吹っ飛ぶ巨大キングコブラ!

最後の最後で、笑わせてもらった。

ツッコミどころ満載のB級モンスターホラーなんだけど、全体的に丁寧に作ってあり、俳優陣の演技も上手い。そういったところと、時代に逆行した特撮が、奇妙なハーモニーを生み出しており、結果として、表現に困る珍作を生み出している。

4連休どこにも行かずに引きこもっている人は、チェックしてみよう。

決して面白い作品ではないが、そこはハセガワ博士曰く「理解と尊敬」でお願いします。

 

追記:「午後のロードショー」で放送されたのがきっかけで、一部のネットユーザーに大人気だとか。ニコニコ大百科に専用のページがある。AAもあるらしいが、どう使うんだ……。

総評・感想まとめ

評価:♡♡♡♡♡ 5/10

キャラクター……◎

パット・モリタ演じる老科学者が凄くいい。

・演技は最近のB級映画に比べてちゃんとしている。

ストーリー……△

「ジョーズ」「ジュラシック・パーク」を足して2で割った感じ。

・昔のホラーなので、今観るとテンポが悪く感じる。

 

撮影・音響……〇

・カメラワーク・カット割りは無駄に丁寧。

・音楽はいかにもホラーな感じで、この辺りも今観ると笑ってしまうポイントだ。

 

怪物……◎

・着ぐるみ怪獣がかわいい。このチープさがいい。頭脳派モンスター。

・毎回、襲撃シーンがちゃんと描かれないのは、もはやギャグである。

 

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