「マーダー・ミー・モンスター」紹介&感想(ネタバレ有) ~アルゼンチン製の高尚過ぎてようわからん映画~

スポンサーリンク
怪物映画

今回紹介する作品は「マーダー・ミー・モンスター」です。なんとなくレンタルしたら、久しぶりに電波を受信してしまった。

いや~、いいっすね。この電波具合。

バリ3ですよ。アンテナビンビンですよ!

スポンサーリンク

作品情報・スタッフ・キャスト

「マーダー・ミー・モンスター」
製作年:アルゼンチン/フランス/チリ  
製作国:2018年  
上映時間:110分 
原題:「MUERE,MONSTRUO,MUERE/MURDER ME,MONSTER」

監督:アレハンドロ・ファデル

音楽:アレックス・ナンテ 
出演:ビクトル・ロペス/エステバン・ビリャルディ……etc.

予告編

私を、殺せ、怪物よ―――『マーダー・ミー・モンスター』予告

「マーダー・ミー・モンスター」:あらすじ

山奥の静かな村で、ある日突然発見された首無し死体。捜査にあたった地元警察のクルスは、不可解な事件に頭を抱える。ほどなくしてクルスの不倫相手フランシスカが、第二の首なし死体となって発見される。ほどなくして、彼女の夫ダビドが逮捕される。

しかし、死体の頭部には、何者かに食いちぎられたような痕跡があり、クルスは人知を超えた怪物の仕業では?と仮説を立てるが、周囲は耳を貸さない。

一方ダビドは、頭の中で繰り返し声がすると訴えるが…。

「マーダー・ミー・モンスター」:感想/ネタバレ有

ぱっと見「怪物が暴れ回るホラーアクション」みたいに思えるが、提供会社がクロックワークスである。やたらと芸術性の高い、難解な作品ばっかり探してくる映画配給会社なんでそこんとこ、よく考えて借りて欲しい。難解な作品・芸術性が高いなんて、つい言ってしまいたくなるが、僕らが普段慣れ親しんで観ている作品の定型が一切出てこないだけなんで、そこら辺が鑑賞していてムズムズするだと思う。

 

クロックワークス<「また凄い子見つけちゃった……♡」

 

クロックワークスは、アルバトロスとは、別の意味で期待を裏切らない会社なんで、芸術性の高いお堅い映画が苦手な人は避けた方がいい。いや、お堅いと言うか、なんだろう?この、何とも形容しがたい感じは?

いや、管理人も意識低い系シネフィルの一人として、映画会社の特徴は大雑把におさえているつもりなんですが、動画配信サービスでレンタルする際にやらかすんですよ。

レンタル店でDVDパッケージをチェックするなら、嫌でも製作会社・配給会社のロゴは目に入って来るのだが、動画配信サービスだと、その辺りがまだ不慣れなんですよね。

と、いう訳で「怪物が暴れ回るホラーアクション」かな?と、軽い気持ちで借りてきたら、なんだか芸術性が高い、よく分からん映画だった。

レンタル屋でパッケージを確認。

”クロックワークス”のロゴ発見←今ここ

な~んか、フランスが一枚噛んでる作品って、高尚な芸術性の高い映画の率が高い気がする。まぁ、管理人が自分好みの、「人喰いモンスターが暴れて、なんやかんやあって爆発する」を期待してくると、裏切られたパターンなんで、期待してた内容との落差が凄い(笑)

フランスが一枚噛んでいる映画は、当ブログで取り上げた中では、「コールド・スキン」「クワイエット・フォレスト」「HOSILE/ホスティル」なんかがそうです。

エンタメ大作にはないシーンのてんこ盛りが魅力。

さて、本作はなんとも評価に困る作品だ。ハリウッド映画や、日本の少年漫画のように、「こうすれば売れる」というのが、だいたい分かっている、よく言えば「王道」、批判的に言えば「商業主義にどっぷり浸かった」作品ばかりに慣れてしまっていると、たまにそうではない作品にぶち当たると、頭が追いついてこない。

なんだかよく分からんが、監督のこだわりを感じる。上手く言葉にできないが、なんだか高尚な芸術性の高い作品を観たような気がする。

……いや、よくわかんないからな本当に!こういった作品は、とりあえず芸術性の高い、高尚なもんだと言っておけば通だと思われるからお勧めだ!

なんて冗談はさておき、ハリウッド映画や、金のかかった大ヒット狙いの作品では、絶対に撮らないであろうシーンがいっぱい出てくるので、そういったところを楽しむ方向で観ると、これがけっこう楽しいんですよ。いつもありがとう。クロックワークス。

冒頭、”第一の犠牲者”扱いの女の人殺害シーンが、「くぱぁ」って感じで笑う。よく「ホラー映画においてマーダーシーンは、セックスの隠喩だ」みたいな話は聞くが、これだけ露骨に性的なイメージ入れてくると、エロスと同時にユーモアを感じてしまう。残酷なシーンのはずなのに、妙に艶めかしいんだよね。

なんだかよく分からん映画だなーと、ぼ~と画面を眺めていたんですが、性的なイメージを受けるシーンが多かった。どこをどう”性的”に感じたのか問われると、イマイチうまく説明出来んが、そこはかとなくエロスが漂う。

そういった表現が、ハリウッド映画ではまずやらない感じで、面白い。

本作は、地元警察に勤めるもじゃもじゃ頭のオッサンが主役だ。このオッサンが、殺人事件の捜査しながら、眉毛の繋がった不倫相手と逢瀬を重ねたり、裸で不思議な踊りを踊ったり、不倫相手の旦那捕まえたら、口から緑のゲロが出てきて、それを見た主役のオッサンも、貰いゲロしたら緑で指輪が出てきて……。ついでに、オッサンが父親のように慕う、もうちょっと年上のすだれハゲのオッサンと頭をワシワシしたりしながらストーリーは進む。

主役のオッサンなんて、そうとうオッサンに見えるんだけど、所々で少年の表情を浮かべるんですよ。年上のすだれハゲのオッサンと絡むシーンなんて、父親にかまって貰いたい子供だからね。

全体的に、キリスト的な「父と子」のイメージと、フロイトが大好きそうな「エディプスコンプレックス」がどうのこうのってイメージなんすよ。

ええ、自分で書いててよく分かってないですけどね。けれど、本当にこんな感じなんですよ。

その間に、眉毛の繋がった不倫相手が犠牲になったり、聖書の世界からそのまんま出て来たような”老賢者”なじいさんに事故った車を囲まれたり、「犯人の行動パターンを分析すると、”M”だ”Mなんだ!”マーダー・ミー・モンスター”や!」みたいなイベントが起こります。(電波受信&タイトル回収)

最終的に、チン○とマン○とジャバザハッ○を錬成したようなモンスターに、体の一部を喰われたりするのだが、そのシーンがまんまセックスで、なんなんでしょうかね、この映画。

なんだかよく分からんけど、クトゥルフ神話の怪物みたい。オチもクトルゥフっていうか、全体的に意味が分かんない。(※個人の感想です&僕の理解力が不足しているのも大きい)

なんだか知らないが「監督が受信した不思議な電波をできるだけ忠実に映像化しました」ってフレーズが頭に浮かんできた。

個人的に、ラストシーンの”チン○とマン○とジャバザハッ○を錬成したようなモンスター”が哀愁たっぷりにたたずんでるシーンは好きだ。

「よく分かんない」ってのを大事にしたい。

正直なところ、「なんだか知らんが変な映画だった」ぐらいの感想しかない。そういった感想しかないが、こういった「よく分かんない」映画の「よく分かんない」を大切にすりゃいいじゃないかな?

是非善悪の価値判断だとか、点数のような定量的な判断をするのではなく、こういった「よく分かんない」ものを、そのまんまとりあえずぼ~と眺めてみるのもいいんじゃないかと思う。

僕らは、ハリウッドの紋切り型の表現に慣れてしまっているので、クロックワークスが探してくる、非英語圏の作品に触れると頭が混乱するんじゃねーかな?、と近頃はそう考えている。

こういったよく分かんない作品を、よく分かんないまま受け止めて、ぼーと観てみるのが、一番の国際交流であり、相互理解なんじゃないだろうか?

当ブログも、一応「映画レビューサイト」をうたってますので、点数とか○とか✖とかヒトデとか言ってますが、そういうのって「資本経済・商業主義」的な価値観でしかないんですよ。

「正しい」「間違ってる」だの、「興行収入・販売額」だの「なんとかランキング!○位!」なんてのは、とりあえず置いとけと言いたい。そんな事ばっかり言ってたら疲れねーか。

たまには、変な映画でも観てみようぜ。

オッサンの変な踊りでも見て癒されようぜ!

 

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡ 4/10
キャラクター………
・良くも悪くもハリウッド映画では見られない造形。
・オッサン同士でワシワシしてるシーンは、なんか好き。

 

ストーリー………△
・ストーリーの内容がさっぱり理解できなかった。
・なんとなく「生(聖・性)と死」と、「キリスト教」的なモチーフが多い気がする。

 

カメラ・演出とう………○
・夜のシーンの撮り方が、見づらいだけど、綺麗で評価に困る。
・変なアングルのシーンが多くて、その辺は楽しい。

 

怪物……○
・男性器と女性器をモチーフとした、クトゥルフ臭のする造形。なんか卑猥である。&哀愁。
・ラテックス製?なのか、テカテカした質感が懐かしい。

 

その他・印象に残ったところ
・「喫煙シーン」を久しぶりに観た気がする。
・↑ハリウッドでは、悪人のキャラクター付けくらいしかやらないよなー。
・もじゃもじゃ頭の裸のオッサンが、鏡の前でクネクネフラフラ不思議な踊りを踊るシーン。

ご購入はこちら

 

今回利用したサービスはこちら

 

◇フランス製のモンスター映画の感想はこちら↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました