今回紹介する作品は「ジョーズ・キング・オブ・モンスターズ」です。
どこかで見た邦題がついているが、本作に関してはそんなことは大した問題じゃないのが、問題である。「海洋パニックアクション」をうたっているが、舞台が「夢の世界」とファンタジーである。
レンタル屋で見かけた宣伝文句が「まさにエルム街のサメ!」だったが、言いえて妙である。
アメリカ人はサメをどうしたいんだ……。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ジョーズ・キング・オブ・モンスターズ」
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:84分
・原題:「Nigthtmare Shark」
・監督:グリフ・ファースト:「新アリゲーター 新種襲来」「ゴースト・シャーク」
・製作:アンジェラ・メレディス・ファースト
・出演:トニー・アメンドーラ/ボビー・カンボ/レイチェル・ブルック・スミス/ルール・ジョボービック/キャロライン・コール……etc.
※配給会社がアメイジングD.Cだが、おそらくアサイラム製だと思われる。(どうしたアルバトロス)
B級映画の常連がいっぱい出てくるが、顔と名前が一致しないのは仕方がないね。
予告編
↑たぶん、予告編でお腹いっぱいになる作品。クオリティは見ての通りだ。
「ジョーズ・キング・オブ・モンスターズ」:あらすじ
「エヴァは同じ悪夢になんども苦しめられていた。そんなある日、新薬の治験にボーイフレンドのエンゾと一緒に参加する。そこには、エヴァと同様に悪夢に苦しむ若者たちが集められていた。
携帯電話の電波も届かない山奥で、治験を受ける若者たちは、お互いの悪夢に共通点があることに気づく。実験が開始されるが、悪夢は治るどころかどんどん酷くなり、遂には現実にも影響しだす。
さらには、「カウフフ」と呼ばれる、現実と夢の狭間の世界に住む怪物の存在が明らかになる。若者たちは、カウフフの脅威に立ち向かう事になるが……」
↑とりあえず「海洋パニックアクション」とは、いっさい関係ないからな。
むしろ、砂漠が出てくる。サメ映画なのに砂漠が出てくる。
「ジョーズ・キング・オブ・モンスターズ」:感想/ネタバレ有
久しぶりに、サメ映画キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
と、思いレンタル屋で手に取ったが、どうも様子がおかしい。「~キング・オブ・モンスターズ」なんて某大作に乗っかる気マンマンの邦題がついているが、いまさらそんな事には驚かない。
問題は、サメが襲ってくる舞台が「夢の中」であり、レンタル屋の宣伝ポップには「エルム街のサメ」なる文字がおどっているではないか!
(つーか、こんな作品3本も仕入れて大丈夫なのか?)
「アメリカ人はサメをどうしたいんだ?」と思ったが、製作スタッフの中に、グリフ・ファーストの名前を見つけて、納得した。
アメリカ人ではなく、グリフ・ファースト個人の趣味の問題か。
すまねぇ、アメリカ!
このグリフ・ファースト監督なる御仁、「ゴースト・シャーク」(サメ・幽霊)、「シン・ジョーズ」(サメ・放射能火炎)、「シャーク・ショック」(サメ・電気)、と、サメをポケモンばりにバリエーション豊かに撮ってる人でしてね、サメの生態が誤解されるのに、おおいに貢献している人なんですよ。今作は、「サメ・超自然現象=エスパー」としておくと、やっぱりポケモンぽい。
うん、通常営業ですね。寿司屋が寿司握っているようなもんですね。
「サメ映画」+名作ホラー「エルム街の悪夢」
本作は、「サメ映画」に属するはずなんだが、やっているのは「エルム街の悪夢」のパロディがほとんどという、なんともよく分からない作品である。
「他人のふんどしで相撲をとる」のは、いつものことだが、クオリティがどんどん下がっている気がするのは、管理人だけだろうか?
予告編でも出てくるが、バスタブでうっかり寝てしまった女性の足の間から、サメの背びれが出てくるシーンは、「エルム街の悪夢」の有名なシーンである。
(たぶん、このシーンが撮りたいがために、この映画撮ったんじゃねーかな?)
悪夢に悩まされて、眠らないようにする、反対に夢の世界に潜るために、無理に眠ろうとする下りなんて「エルム街の悪夢」そのまんまである。少しは自重しろ!
サメ映画なんだが、ほぼ「エルム街の悪夢」のパロディで構成されているという、なんとも冒涜的な作品である。
アサイラム系の監督は、何作撮ってもクオリティが上がらないどころか、下がっている事が多々あるが、本作もアサイラムだというのを考慮しても、出来が悪い。
テンポは悪い、構成が下手、分かりにくい設定を説明する為の露骨な説明パートあり……etc.とお世辞にも面白いとは言えない。どこかで聴いたことのある音楽と、俳優の大げさな演技がB級感を強めている。味付けが濃すぎて素材の味がしない料理みたいなもんです。
「エルム街の悪夢」は、ロバート・イングランドの怪演あってのものなので、フレディ・クルーガーの代わりに、小学生のラクガキのようなサメが襲ってくる時点で、ギャグにしかならない。そのギャグを強引にやるのがアサイラムクオリティ。
おそらくほとんどの人にとって、レンタル屋で本作を見かけたときor、予告編が最高潮だと思う。
鑑賞はあんまりお勧めしない。ジャンクフードにも美味いやつと、不味いやつがあるが、本作は後者に属する。
オチも書いてしまうが、「悪夢」がテーマなだけあって、「夢オチ」で終わるからね。
監督の他作品からして、どうせ爆破オチだと思って鑑賞していたので、その辺はちょっと意外に感じた。
(ただし、MRIだっけ? 医療用の機械がなぜか大爆発する展開あり)
ちなみに、「カウフフ 伝説」「カウフフ ハワイ」とうのワードでググってみたが、この映画しかヒットしない。多分監督の創作だと思われる。
久しぶりに、アサイラム製のサメ映画で笑わせてもらったが、最近現実の方が、アサイラム映画以上にツッコミどころ満載なのは勘弁して欲しい。
各国が、こぞって現金を給付する中、「マスク2枚」だよ……。
現実が無情で野蛮な時、フィクションのホラーも野蛮さもどこかにいってしまう。
現実の方が、よっぽどフィクションであり、「悪夢」である。
……誰かツッコム奴はいなかったのか?
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡ 3/10
●キャラクター………△
・テンプレ通りのキャラクターを、大げさな演技でやってる。
・とりあえず喧嘩を始めるのは仕様である。
●ストーリー………△
・「サメ」映画なのに、設定や展開は「エルム街の悪夢」そのままである。
・尺に困ったら、とりあえず喧嘩を始ry…(以下略)
●カメラ・演出とう………△
・「ゴースト・シャーク」の時より下手になっている気がする。
・とる度に雑になっているような気がする。
●怪物……△
・小学生が描いたラクガキみたいなサメ(?)が襲ってくる。
・CGがやっつけ仕事。そもそもあんまり出てこない。
●その他・印象に残ったところ
・サメ映画なのに砂漠が出てくる。「ジュマンジ」の新作のパロディがやりたかったのか?
・いつも以上に説明パートが露骨。
・アサイラム映画は、監督によって毎回使う俳優がいるのだろうか?
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