今日紹介するのは「U.M.A ライジング」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「U.M.A ライジング」
・製作年:2009年
・製作国:カナダ
・上映時間:89分
・原題:「CARNY」 ・販売株式会社:アルバトロス
※CARNY=巡回見世物,巡回見世物で働く人の意味
・監督:シェルドン・ウィルソン
・製作総指揮:マイケル・プラパス
・出演:ルーダイヤモンド・フィリップス/ドミニク・クゾクリア……他
予告編
「U.M.A ライジング」:あらすじ
アメリカネブラスカ州の小さな町リライアンスに、カーニバルの見世物小屋がやって来た。
見世物小屋の目玉は、角と翼を持った本物の”悪魔”。
しかし、カーニバルの初日に、怪物は突如暴れだし檻を破って逃げ出してしまう。
町を守る保安官、怪物で一儲けしようとたくらむカーニバルの団長、怪物を悪魔の使いだと恐れ抹殺しようとする牧師が、それぞれ怪物を追いつめるが……。
「U.M.A ライジング」:感想/ネタバレ有
「エンド・オブ・トゥモロー」のRHI製作、個性派俳優ルー・ダイヤモンド・フィリップス主演で贈るモンスター・パニック。
出てくるモンスターは、”ジャージー・デビル”というややマイナーなU.M.Aです。
怪物云々よりも、無駄にいい顔した親父がいっぱい出てくる映画。
ジャージー・デビル登場!
まずは、映画に登場する怪物について書いていきます。
この映画に登場する怪物は”ジャージー・デビル”という、ややマイナーなUMAです。
その名の通り、アメリカのニュージャージー州で目撃されているUMAです。
外見は馬や羊に似た顔に、蝙蝠を思わせる羽が生えており、一本の長い尻尾が特徴だと言われている。
この映画では、角と鋭い爪と牙を持ち、羽の生えた小さい悪魔のようなデザインで登場する。
劇中では、B級映画でお馴染みの人喰いモンスターというよりも、人間の心の弱さや、強欲さのメタファーとして描かれている。
なんと映画の中では、実在の珍しい動物として扱われているようだ。
その為トラやライオンみたいに、危険な猛獣として高値で取引されている。
wiki貼っておきます↓
ジャージー・デビルとは?
話はちょっと外れるが、このジャージーデビルを捕まえてきたおっさんはもっと評価されていいと思う。
このおっさん残念ながら物語の冒頭で、カーニバルの団長にあっさりと殺されてしまいます。
惜しい人物を亡くしたものです。何故かって?
伝説のUMAを捕まえてくるのに成功する人材ですよ。
……藤岡隊長もビックリな逸材ですよ!
物語の枕にチラッと登場するだけの人物ですが、よくよく考えると凄い奴だと思う。
そんな訳でカーニバルに新しい仲間として、ジャージーデビル君が加わります。
まぁ、いつもの通り逃げ出して悪さしだすわけですがね。
今日の説教:「怖いのは怪物ではなくて人間ですよ」
次に印象に残った点は、「怖いのは怪物ではなくて人間ですよ」ってお話。
この映画では「人を襲う怪物よりも、醜く争う人間の方が怖いよー」ていうことにお話の比重が傾いています。
劇中では、希少な動物として描かれている”ジャージー・デビル”。
トラやライオンのように危険だが、貴重な動物扱いなわけです。
逃げ出したジャージーデビルをもう一度捕獲して、知り合いに高く売ろうとするカーニバルの団長。怪物に息子を殺されてプッツンしてる厳格な牧師。
町の安全の為に、団長と牧師とデビルに振り回される保安官の、三者三様の立場が描かれている。
このカーニバルの団長と相棒の片目のおっさんが、いかにもな悪人相で存在感抜群。
それに加えて、牧師のおっさんも存在をキョ―レツにアピール。
不良息子を殺されて、もともと狂信的だったのが、さらにタガが外れていく牧師のおっさんも色々とやり過ぎ感があってgood👍。
劇中ではこの辺の人間同士のドロドロしたお話がメインで、人喰いの凶暴な生物としての怪物は影が薄い。
どちらかと言うと人間の心の闇のメタファー的な面が強い。
ついでに劇中に”予言”といった言葉が何度も出てくるあたりに、この映画の方向性がなんとなくわかる。
妙に宗教的な色合いを帯びている。
しかし、露骨な説教臭さはない。
うん、怪物映画としてはどうなんよ?
、て感じですが。
結局、カーニバルの団長と牧師と保安官は皆死んでしまう。
ジャージーデビルに深く関わった人間は、皆命を落としてしまい、名前の通りのデビルっぷりを観せてくれる。
キャスト&製作会社
最後にキャスト、製作会社などにちょっと触れます。
主役の保安官を演じているのはルー・ダイヤモンド・フィリップス。
B級映画でエイリアンやサメ、蝙蝠などと死闘を繰り広げてきた歴戦の勇者である。
B級映画だけではなく、真面目な映画にもシリアスな役で、ちょいちょい出てたりする。
どことなく悲壮な雰囲気を醸し出しているため、出てくるだけで画が締まっていいと思う。
ルー・ダイヤモンド・フィリップスを含めて、演技の出来る人を揃えているのでB級映画にしては完成度が高い。
制作会社のRHI(※チームの名前だったかも)はB級映画御用達。
今回は比較的安っぽくない出来のCGを見せてくれる。
CGのジャージー・デビル意外と背景とマッチして綺麗に動くが、けっこう小さい。
個人的には、もう少し大きい方が迫力があってよかったんじゃないかなぁ~?と思う。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡ 5/10
●キャラクター………〇
・俳優陣のレベルは高め。
・キャラは立っている。
●ストーリー………〇
・怪物ではなく、人間ドラマがメイン。
・「起承転結」がしっかりしている。
●カメラ・演出とう………△
・A級とは比べるべくもないが、昔のB級にしてはしっかりしている。
・残虐描写は、けっこうあるから注意。
●怪物……△
・怪物はおまけ。登場する怪物がマイナーで珍しい。
・怪物よりも人間同士の醜い争いがメイン。
●その他・印象に残ったところ
・全体的に地味な映画だが、話はしっかりと作ってある。
・観覧車は壊れるが、パッケージのようなでかい穴はあきません。
・「〇〇~ライジング」というタイトルでは比較的まともな出来だと思う。
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コメント
ライジング商法作品の下の上といった感じ。タイトルは普通にジャージーデビルライジングでよかったのではないか。
焼燃豚さん>いつも定期的なコメントありがとうございます。コメントが返すのが滞ってしまい申し訳ないです。
ライジング商法作品の下の上といった感じ>そもそも「ライジング」商法自体がかなりアレなんで……(笑)
一応「ハンニバル・ライジング」なんて正統派もありますが、その他の作品の出来は…。
タイトルは普通にジャージーデビルライジングでよかったのではないか。>思うに”ジャージーデビル”という名前自体が、”ビッグフット”や”ツチノコ”程メジャーじゃないのが、そもそもの原因なんじゃないだろうか?
”ジャージーデビル”と聞くと、生活指導の先生のあだ名みたいで、一般の方には、UMAの名前だと分かんないじゃないかと思います。