今回紹介のは「明日のエサ キミだから」です。
「月刊ヤングマガジン」で連載されている、ジャンルはサバイバルギャグホラーというべき作品。
作者は「デトロイト・メタルシティ」「みんな!エスパーだよ!」の若杉 公徳(わかすぎ きみのり)。
目次
「明日のエサ キミだから」:内容紹介
「明日のエサ キミだから」①巻:あらすじ
「学校に突如としてあらわれたモンスター。
生き残った学生たちは、後者に立てこもり、一人をエサとして差し出して生きながらえていた。生存者は残り7人。
生贄は、スクールカースト上位3名が決定していた。
主人公の笹塚 宗太(ささずか そうた)は、スクールカースト最底辺だが、進んでパシリをこなすことで、生き残ってきたが、遂に「エサ」に指名されてしまう。
笹塚 宗太は、同じくパシリの万田 満宏(まんだ みつひろ)と一緒に戦いを挑むが……」
平凡で冴えない主人公のドタバタ奮闘劇。それを、下地に「モンパニ」をやっている。
若杉 公徳作品だけあって、テ〇ガや、男のケツに(*´Д`)ハァハァ (それも、無駄に綺麗なプリケツである)なんて、ネタがシリアスなシーンの合間に挟まっている。
登場キャラクター
・笹塚 宗太(ささづか そうた)……本作の主人公。高校二年生。カースト最底辺だが、パシリ仲間の万田 満宏と力を合わせて生き延びてきた。今日、遂にエサに指名されてしまう。足が速い。童貞。
・万田 満宏(まんだ みつひろ)……太った少年。主人公とは今回の事件が起こるまでは、お互い名も知らなかった。主人公と力を合わせてモンスターに立ち向かうことになる。童貞。
・山吹 光(やまぶき ひかる)……アスリート系美少女。長身で筋肉質、ショートカット。優れた身体能力を持つ。カーストには属さず、ひたすらトレーニングにはげむ。
・政井 崇(まさい たかし)……眼鏡を掛けた大人しそうな少年。カメラを回して全てを記録している。カースト内で特に仕事もしていないが、何故か「エサ」を免れる。
・酒井 亮平(さかい りょうへい) ・大久保 悠斗(おおくぼ ゆうと) ・江藤 あや(えとう あや)……スクールカースト上位3名。「エサ」を指名している。非童貞・非処女。
「明日のエサ キミだから」①巻:感想/ネタバレ有
主人公はやっぱり童貞。
「童貞の苦悩を描いたドタバタコメディ」を描かせたら定評のある漫画家、若杉 公徳先生の新作。今度はなんと「モンスター・パニック」である。
怪物を観察していた生存者は、奴が、一日一人を食べれば満足することに気づいた。
そのため、一日に一人を「エサ」として差し出すことにする。その間に、なんとか救助が来る事を祈っていたが、いっこうに来ない。第一話の時点で60日が経過している。
その「エサ」を決定するのは、スクールカースト。
スクールカーストに応じて「明日のエサ キミだから」と言われる。ギャグっぽくて、常識的に考えるとリアリティーがないんだけど、「あ、なんか、ありそう」と思えてくるギミックが本作の魅力。シリアスな状況と、登場人物の間抜けなやり取りのギャップが面白い。
主人公が、若杉作品らしく、若干ゲス臭のする童貞。それでもピュアなところもある。どっちやねん(笑)
「エサ」に指名され、「天国に一番近い」状態なのに、毎回いろんな偶然が絡んで生き残っていく。そこらへんがコミカルに描かれているんだけど、基本的にはシリアスな作品だよ。
あ、そこ「モンパニが題材な時点でギャグ」なんて、アサイラム作品ファンみたいな事は言わない(笑)
怪物との攻防、喰われ方、その際の構図が、実際の「B級モンスター映画」であろそうなものばかり。それも、かなり出来のいい方のたぐい。伏線の貼り方、小道具の使い方が上手い。管理人が、普段観ているモンパニだったら、及第点をあげられる出来にはなりそう。
モンスター映画ファンとして思うのだが、怪物がちょっと強すぎる。どうやってオチをつけるつもりだろう?
強いうえに、作中の話からして、かなりの数がいそう。
こうなってくると、人類側が勝利するには、怪物に「意外」で「生活に密接した品」である弱点が発見されるオチか?
過去の怪物映画では「ヒットソングに含まれる特定の周波数」だったり「アルコール」、「風邪のウィルス」なんてのが、あったよ。その辺が気になるな。
怪物映画あるあるとして、やりまくっている「非童貞・非処女」に対して容赦のない様を忠実に再現しているぞ(笑)
① 巻の内容で、だいたい一本映画が作れそう(笑)
現在①巻まで発売中。コミック②巻は、5月7日に発売。
「明日のエサ キミだから」:②巻あらすじ
屋上にヘリが舞い降りるを見て、急いで駆けつける宗太たち。
しかし、ヘリは直ぐに飛び去ってしまい、脱出は出来ず。
その代わり、新たに6人が「エサ」候補に加わった。
一人目は20歳くらいのイケメン。
二人目は白髪に腰の曲がった優しそうなおばあちゃん。
三人目はロリータファッションの黒髪の女の子。
四人目は↑と親しげにしていたギャル。
五人目は筋骨隆々のこわもての男。
そして、六人目は、下を向いてブツブツ言っているホームレスらしきおじさん。
新たに加わった6人に、「今までどうやって生き延びていたのか」説明する宗太。
相変わらず、カメラを回し続け傍観者に徹する政井に、我関せずと体を鍛え続ける山吹さん。
そんなわけで、不本意ながら、誰をエサにするか指名する役目になってしまった宗太。
自分が誰かの生死を決める立場になって、やっと酒井の置かれた状況の重さが分かった宗太だったが、ヘタレのため、「明日の朝ジャンケンで決める」ことにする。
「老い先短い自分をエサに指名して欲しい」と言い出すおばあちゃん。
「もう少しで体ができあがる。怪物は私が倒す」、ただし、その「もう少し」のために「明日私がエサになったら変わって欲しい」と言い出す山吹さん。
さらには、なにか重要な事を知っているかのようにふるまうホームレスのおっさん。
生前の酒井が言っていた「政井はやめておけ」の言葉の真意とは……。
そういった様々な思いを交差する中、怪しい動きをみせる怪物。
果たして、宗太たちはどうなってしまうのか。
誰が「明日のエサ キミだから」になってしまうのか……。
新しい登場キャラクター
・卓也(たくや)……二十歳ぐらいのイケメン。顔だけではなく「人の命は平等。こんな時こそ大切なのは絆だろう」とう男前な発言が多い。
・おばあちゃん……名前は明かされず。優しい面倒見がいい性格で、別の避難所では家事で貢献していた。自ら「エサ」を買って出る。
・ナオ……ロリータファッションの黒髪ロングの女の子。気が弱い。宗太に突っかかるひじりをたしなめる。
・ひじり……ヤンキーギャル。気の弱いナオを気遣っている。根は純情。
・仁田脇 進(にたわき すすむ)……筋骨隆々の大男。「パーフェクト・プロレス」所属のプロレスラー。得意技は「ローリングジェットエルボー」。山吹に絡んだ結果、痛い目に遭う。
・おじさん……名前は明かされず。見た目はホームレス。怪物のことを「ミケ」と呼ぶ。何か知っているような雰囲気。万田が形見のテンガを見つけるが……。
・怪物……②巻では「ミケ」という呼び名がついた。今巻ではさらに恐ろしい変化を遂げる。
「明日のエサ キミだから」:②巻のみどころ
前回は「エサ」に「指名される」=「被害者」側だった主人公の宗太が、図らずとも「指名する側」=「加害者」側に回ってしまう点が面白い。
そこではじめて宗太は「指名される・指名する」、「被害者・加害者」の枠・単純な善悪では片付けられない状況にあることを、改めて認識する事になる。ちょっとだけ「悪魔」と思っていた酒井の気持ちがわかりそうになるシーンも。
しかし、そんなのっぴきならない状況になっても、そこは若杉作品の主人公、やっぱりゲスい。スケベな童貞丸出しである。そんな宗太のリピドーが大爆発するのが②巻のハイライト。
果たして、ミケ(怪物)との戦いはどうなってしまうのか?
そして、意外な場所で意外な物が大活躍!
さらには、宗太の髪型の秘密も明らかになります(笑)
②巻ではこの「学校籠城編」の顛末の他に、「第0話」と呼ぶべきお話も入っています。
次巻の③から、物語は別の舞台に移動みたいですね。
まとめ・こんな人におすすめ。
・B級映画好き。
・若杉作品ファン。
・スクールカーストなんて笑い飛ばしたい人。
●ご購入はこちら↓
●漫画レンタルサイトでも配信してます↓
◇現代日本+モンスターの組み合わせの他作品はこちら↓
コメント