「ダゴン~ラブクラフト全集3~より」感想 ~ああ!窓に!窓に!の元ネタ~

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今回紹介するのは、ラブクラフト全集3より「ダゴン」です。

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「ダゴン」(ラブクラフト全集3より)データー

著者:H.P・ラブクラフト 訳者:大瀧啓裕

出版:創元社推理文庫

【内容紹介】

二十世紀最後の怪奇小説家H.P・ラブクラフト。その全貌を明らかにする待望の全集。

その忌まわしき③巻目となる本作品には、「ダゴン」「家の中の絵」「無名都市」「潜み棲む恐怖」「アウトサイダー」「戸口にあらわれたもの」「闇をさまようもの」「時間からの影」の八編と+資料、作品解説が収められている。

 

「ダゴン~ラブクラフト全集3~」感想のような名状しがたきもの

 

「ダゴン」……かつて航海中に恐るべき体験をした男の、今まさに部屋から身を投げんとしてしている男の最後の手記という形で語られている短編。10P程の短いものだが、恐るべき不気味さで、インパクト抜群。

冒涜的なインターネットミームの一つである、「ああ!窓に!窓に!」というのは、本作品の最後の一文が元ネタである。

ちなみに、小説の文は「そんな!あの手は何だ!窓に!窓に!」であり、英語の原文は

「The window! The window!」であり「ああ」にあたる部分はない。

 

 

「潜み棲む恐怖」……テンペスト山に移り住んだマーテンス一族。近親相姦を繰り返し、いつしか館から去った彼には、著しい身体的特徴があった。
それは、大きな耳と、一目みたら印象に残る、ヘテロクロミア(金銀妖瞳)だった。

テンペスト山周辺には、今でも人が住み着かない。なぜなら、恐ろしい事件が定期的に起こるからだ。

ある夜、とある村で一夜にして、75人の村人のうち50名が殺害され、その内25人分の死体が跡形もなく消え失せてしまう、恐るべき事件が起こる。調査を開始した主人公。しかし、何者かが仲間を跡形もなく連れ去る。失意と怒りを覚えた主人公は、さらなる徹底した調査をするが、その主人公が目にした、語るのも恐ろしい、筆舌に尽くしがたい恐怖とは……。

 

ラブクラフト作品の中では、マイナーな方だが、本編をもとに製作されたのが「地底人アンダーテイカー」(1992年)と、「ヘモグロビン」(1996年)である。

 

どっちも、低予算の、いわゆるB級ホラー」だが、そういった物が好きな人はチェックして欲しい。

今では考えられない事だが、管理人が小中学生だった20年前(1990年代)には、この手の映画が深夜にやっていたものである。

「ヘモグロビン」の方は「ブレードランナー」でレプリカントのリーダー役をやっていた、ルドガー・ハウアーが出演している。脚本は「エイリアン」で有名なダン・オノバン。

「原作はH.P・ラブクラフト、脚本ダン・オノバン、出演ルドガー・ハウアー」こうやって書くと豪華そうに見える。

なぜかウィキペディアにまとめられているそこまでの作品じゃないだろう(つっこみ)

 

「地底人アンダーテイカー」に関しては、当時中学生で映画にはまり始めていた管理人、深夜に放映しているのを、ビデオに撮ってみた記憶がある。

しかし、これも今では考えられない事だが、当時は野球中継が伸びると、その後の番組の放送時間がかわり、それに合わせて、ビデオのタイマーを変更しないといけなかったのだ

結果「地底人アンダーテイカー」は、最後の10分程が、映ってなく非常にモヤモヤしたものだ。

特に、この手の低予算のB級ホラー作品はレンタル屋に置いてあることも稀で、且つ、わざわざ探し回って、レンタルして観たいかと思える程もクオリティーでもなく、この映画に関しては宙ぶらりんのまま時が経っていた。

すっかりそんな映画の事など忘れていたが、今から5~6年前にネットサーフィンをしていたら、偶然本作「地底人アンダーテイカー」を発見し、観ることができた。

ある意味、少年時代にやり忘れた事を一つやり遂げた事になるのだが、映画の出来自体は、まぁアレだ、B級以外の何物でもなかったよ()

それでも、なんだか不思議な達成感といいますか、何十年もほったらかしていた事が、思いもかけず解決した満足感はあります。

それにしても、少年時代に、ブラウン管テレビで、何度も使った擦り切れたビデオテープで鑑賞した、チープなB級ホラーは、不思議な味わいがあったもんだ。

 

ただの思い出補正、少年時代の多感な時期は、大人になった自分よりも多感で色んなものが見えただけかもしれないが、あの感覚はなんなんだろうか?

ボンヤリとした、チープな映像がなぜあんなにも怖く見えたのだろう?

 

 

すっかり映画に関するノスタルジーになってしまったが、本編の小説の話に戻る。

ええ、このままいくと結局いつものB級モンスター映画の話になるんで、軌道修正(笑)

感想まとめ。

ラブクラフトといえば、その独特の文体(※それを訳せる翻訳者のセンス)が、一部の熱心なファンを獲得している。その文体が生み出す、おどろおどろしい語り口・物語は本作でも遺憾なく発揮されている。

なんとかこの文体をコピーできないかと思う人も、ちらほらいると思う。

(※管理人も含む)

これでブログを書いたらおもしろいかな~と、思わなくもないが、同時に

「読みにくいわ!」てなるのが、目に見えてますのでやめときます。

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