今回紹介作品は「ダーク・レイン」です。
配給会社は、B級だが癖の強い作品ばかりを配給している、アメイジングD.Cです。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ダーク・レイン」
・製作年:2015年
・製作国:メキシコ ・上映時間:90分 ・配給会社:アメイジングD.C
・原題:LOS PARECIDOS/THE SIMILARS
・監督:アイザック・エスパン
・出演:ルイス・アルベルティ/グスタフォ・サンチェス・パラ/カサンドラ・シアンゲロッティ/フェルナンド・べセリル/ウンベルト・ブスカ/カルメン・ベアト/アルベルト・エストレヤ……etc.
※「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。
予告編
「ダーク・レイン」:あらすじ
「世界中が未曾有の豪雨に見舞われた夜、人里離れたバス停に居合わせた男女8人。その中の一人が、ウィルスに感染したかのような症状をみせる。
しかし、8人は、ウィルスよりも、もっと恐ろしいものが忍び寄っている事に気づいていなかった……」
「ダーク・レイン」:感想/ネタバレ無
まだ観てない人の為に、ネタバレをしないように、気を付けて書いているつもりですが、そのせいで、なんのことなのかさっぱり分からない文章になっているかもしれませんが、ご了承ください。
かなり意表をつかれる作品ですが、騙されたと思って一度観て欲しい。
完全メキシコ産の映画って、初めて観たかもしれない。
アメイジングD.Cが送る、一風変わった恐怖の夜
さて、本作を配給しているのは、かのアメイジングD.C
アルバトロスや、MIDSHIPとうと並び評されることの多い、マイナーな映画を専門に取り扱っている事で知られている。
アルバトロスが、昔は尖っていたが、今では、低予算と割り切りつつも、そこそこ楽しめるB級ばかり配給するようになってしまった。
はっきり言って、アサイラム映画専門のイメージがある。
(※アサイラム:低予算のB級作品ばっかり撮っている会社。「シャークネード」シリーズが有名)
「やんちゃしていたアイツも、すっかり丸くなっちまって……」
一部のファンの間では、そんな風に思われている(※一部のファンの感想です)
そんなアルバトロスをよそに、今でも現役で尖り続けている配給会社がある。そう、アメイジングD.Cだ。
ただし、尖っている為、作品のクオリティにかなりバラつきがあり、15点から~75点ぐらいのB級作品を、僕らに届けてくれる。
個人的には、この作品こそ数少ない「75点」の部類に入る作品だと思っている。
今回なんでこの作品を借りようと思ったかといえば、行きつけのレンタル屋でポップ付きで「注目作」と紹介されていたからだ。
パッケージをチェックすると、感染物のホラー映画っぽい。僕はホラー映画は好きな方だ。ただし、アメイジングD.Cが配給している事に若干の不安をおぼえたが。
鑑賞した感想は……ビックリしたが面白かった。当たりです。
A級のクオリティの作品とは、比べるべくもないが、マイナーな異色ホラーとしては、大当たりの部類に入ると思う。この作品、僕は好きです。
なるべくネタバレしないように書きますが、この作品
「一つの思想・価値観・考え方で世界を塗りつぶすことへの、アンチテーゼ」として作られた作品なんだと思う。
そういった「一つの大きなもの」で世界を覆う事を、視覚的に分かりやすく表現したのが、本作品で描かれた事件なんだと思う。
その「一つの大きな価値観」を「視覚的にわかりやすく」を極端に追及した結果、
「ところでこいつを見てくれ、どう思う?」
「すごく……暑苦しいです」
となる。
そのシュールな地獄絵図に大爆笑した後に、
「あ、これは笑い事じゃないぞ。ちょっと洒落にならないぞ」
と、うっすら背筋が寒くなる二段階の衝撃(笑撃)
「物凄く大きなものは、小さなものを一切気にかけない」恐怖。
耳障りのいい「正義」で一色に塗りつぶすとこうなる。
顔、顔、顔、顔、人の顔
この作品、劇中でやたらと人の顔を映す。それこそ宗教画やポスターにいたるまで、人の顔が映し出されるが、それがどういった仕掛けとして作用してくるのか。
予言しよう、その仕掛けに気づいた瞬間、あなたは笑う。このシュールな地獄絵図に笑ってしまうだろう。そして恐怖する。
散々笑えるホラー作品と書いたが、本当に怖いよ。
特に、ラストシーンは怖い。
画面に映る絵図らは最高に間抜けだが、それが意味するものを考えると……ガクブル。
「イラスト屋」が猛威をふるっている日本の社会への皮肉ではないです(笑)
ちょっと変わったホラー作品ですが、個人的には是非とも観て欲しい作品です。
うん、これホラー作品だよね?(笑)
やたらと高みから説教するタイプの感動大作よりも、個人的には、こういった「モヤっとする」作品の方が考えさせられる。
気になった方は観て下さい。
総評・感想まとめ
総評:★★★★★★★ 7/10
●雑多な感想
・風変りなホラー作品
・ホラーなのに映像は笑える
・笑った後に怖くなる作品
・特定のテーマを「視覚的に分かりやすく」描くとこうなる作品。
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