「おっ!あのピーター・ウェラー出演の名作を遂にレビューか?」と思った皆さん。
安心して下さい!違います!
最近、土用の丑の日関連で「うなぎ絶滅キャンペーン」なるTwitterアカウントが話題になってますね。
その話題を聞いた時に、
「そういえば人喰いウナギが暴れまわったせいで、登場人物がほぼ全滅する映画があったなー」、とこの作品の事を思い出した管理人。
「そんな映画あるの!?」
、と皆さんお思いでしょうが、あるんだなそれが。
他にもアンコウだとか、ヤツメウナギだとか、ミミズだとか、この業界ほとんどの生き物を怪物として見てます。
「うなぎが強ければ、ジャパンでそうそうかば焼きにもされまい」
、と監督が考えたかは分かりませんが、まぁ「こんな映画もありますよ」って事で。
そんな訳で今回紹介する作品はこれ↓
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「リヴァイアサン」
・製作年:2006年 ・製作国:アメリカ
・上映時間:93分 ・原題「RAZORTOOTH」
・監督:パトリシア・ハリントン
・製作:ジョセフ・P・ジェニェ
・出演:キャサリン・ラグー/ダグ・スワンダー/サイモン・ペイジ/ブラントン・ブロールト
予告編↓
「リヴァイアサン」:あらすじ
フロリダ州南部の湿地帯で脱獄囚を追っていた警察の捜索隊が行方不明になる。
翌日、動物管理局に勤めるデルマーと、女性保安官のルースは湿地帯で犬の死体を発見する。
その事件を皮切りに次々と残虐な事件が起こる。
感想/ネタバレ有
……「ハリウッドのトップクリエイターが集結」と謳っているが、肝心の作品の出来はアレである。
この作品は、トップクリエイターだからと言っても、いつも100%のパフォーマンスを発揮するとは限らないことを我々に教えてくれる。実に教訓的だ。
いやね、予算・時間・優秀な同僚等の諸々のリソースが不足していた場合、いくら能力がある人だからって、いい仕事が出来るとは限らないと思うんですよ。
そういった事を鑑みると、B級映画の煽り文句もなかなか奥が深いんじゃないかな?
「神話の怪物ではない」
、と最初に一応の断りを入れておく。ついでにそれを基に権力について語ったりもしない。
原題は「RAZORTOOTH」
「剃刀のような歯」といったところか?
原題のセンスもないが、邦題と宣伝文句も適当過ぎると思う。
《土用の丑の日》
さて本作は、よくあるタイプのB級モンスター映画である。
嬉しい事に、この手の映画には珍しく最初から怪物が、ガンガン出てくる。
甘いCG処理の、背景から浮きまくった、真ん丸瞳のモンスターのどこにそんなに自信があるのかはサッパリ解らないが、序盤から全身が映し出される。
そして、開始10分くらいで怪物の正体がなんとなく判明する。
ウナギである。
正確にはタウナギだとか。
喰えるのか?それは?
劇中内の博士(※例によって騒動の元凶である)によると、タウナギは元々はアメリカに存在しない種であり、ライギョと同じくアメリカの生態系を滅茶苦茶にしているらしい。
そのタウナギの繁殖を抑える為にDNAをいじっていたら、案の定怪物ができちゃった(゚∀゚)
(※お約束の展開)
いったいなにをどうやったら、ここまで凶暴・巨大化するのかさっぱり不明だが、細かいことはまぁいいや。
なんだかよく分からないけれど、水陸両用のヤバい奴が誕生します。
そのヤバい生き物が人々を襲います。
ウナギ・魚類という設定なのに、襲い方がなんとなく大蛇っぽい。
ところどころ『アナコンダ』そっくりのシーンがあったりする。
メインの殺人ウナギの話以外にも、刑務所を脱獄した囚人の話だとか、カヌークラブの子供が行方不明になった話だとか、怪物ウナギを作った博士だとか、色々な脱線話が絡んでくる。
それなのに、それらの伏線をいっさい回収せずにぶん投げるステキ仕様。
さらに、観賞して一番印象に残ったのが、主人公と離婚した奥さんのイチャイチャ振りという、よくわからん作品。
ついでに、単位欲しさに、博士のウナギ捕獲に参加した大学生の恋愛模様も、なかなかカオスである。
(後述)
お前ら、脱獄囚と、ヤバい生き物がうろついているフィールドで何をやっとんだ(゚Д゚)!!
ある意味こういった連中は、B級映画で絶対に死ぬキャラクターなんだが、本作では主人公がその層である。
したがって、主人公補正が加わって死なない。
死なないで、イチャイチャいちゃいちゃイチャイチャ……(`・д・´)ォィ!
そんな主人公に対し、標準的なホラー映画ならば、本編にガッツリ関わってくるであろう脱獄囚とカヌークラブの連中は、画面に映っていない間に、ほぼ全滅している。
そういった斬新な展開なため、視聴者の印象にはさっぱり残らない。
その結果、主人公達のイチャイチャっぶりが目立つ変な作品だ。
もしかしたら、怪物の正体がウナギと分かった瞬間に管理人は、
「あぁ、うな重喰いたいなぁ…。そう言えばウナギの漁獲量が年々減少しているけれど大丈夫なのだろうか。それなのにコンビニや牛丼屋で貴重なウナギの大量消費を行っているのは如何なものだろう。だいたいバイトにノルマなんか課してんじゃないよ……そもそもこの国の労働環ry」
、といった考えの底に沈んでしまい、しっかり観ていなかった可能性も無きにしも非ず。
(「だいたい行き過ぎた消費社会が悪いよー」と、”消費社会”のアイコンである映画を観ながら独り言の図)
この博士は遺伝子操作する前に、日本人からウナギの食べ方を聞くべきだったと思う。
少なくとも、イギリス人に聞くよりは幸せな結果になったと思う。
で、タウナギって喰えるの?
《見どころ①:サークルクラッシャー・ホリー》
さてウナギをまるで”完成された最強の捕食生物”の様に扱っている本作。
あまり目新しいポイントはないが、作品としては「これぞB級映画だ!」みたいなノリでけっこう楽しめる。
(※但し、ハードルは低く設定しておくこと)
そのいかにもB級なノリとして、ここでは一人の女学生をめぐるいざこざを取り上げてみたい。
本作では、単位習得の為にフィールドワークに参加した大学生グループが登場する。男三人、女一人のグループである。
女学生の名はホリー。いまいち垢抜けない女の子だ。しかし、よく見ると整った顔立ちで、ワガママボディ。
「見つけた!ダイヤの原石を!」
、と思ったのかは知らないが、男子学生×3からそれぞれ熱いアプローチを受けている。
それに対して、全員に思わせぶりな態度をとるホリー。
……なんかこういう女、学生時代に一人はいたような…(; ̄Д ̄)
本人に悪気はないけれど、卒業する頃には「被害者の会」が結成されてるタイプの女。
とんだビッチもいたもんだと思いながら観ていたが、最後まで生き残るため、役割的には”処女”らしい。
…う~ん、納得いかん(`・д・´)
え!?言い寄ってたヤローどもはどうなったかって?
そりゃ…まぁ、あれよ。お約束よ。
《見どころ②:回収されない伏線》
その他の見どころとしては、意味ありげに語られた伏線の数々が、一切回収されずにぶん投げられるところ。
しつこいようだが、この映画とにかく伏線を適当に投げ捨てる。
その適当ぷりが、一周廻って面白い域だ。
意味ありげに登場して、適当な感じに全滅してる脱獄犯&カヌークラブの少年達。
果樹園を荒らさないように、糖分を分解できない設定の怪物。
博士の持ってる青酸カリ入りのボーガン。
カヌークラブの少年が、持っていた糖尿病患者用のインシュリン注射。
いかにも「活躍するぞ!」と出て来た発電機。
そういった伏線の数々を全部ぶん投げて、かなり強引な手法で怪物を退治します。
倒された怪物の前でイチャつく主人公と元奥。イチャイチャしながら去っていく主人公。怪物は倒されたかのように思えたが、実は……のコテコテっぷりのオチ。
なんだか、ここまでくると一周廻って面白かったような気がしてくるが、多分気のせいだ。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡ 5/10
●キャラクター………〇、いかにもB級なキャラクターが揃っている。微妙な俳優の適当な演技と相まって、却って面白い仕上がりになっている。
●ストーリー…………△、この手の映画のセオリーから微妙に外れた展開に驚く。
●怪物…………………△、背景処理の甘い微妙なCG。怪物の設定は脱力物。
●その他・印象に残ったところ
・うなぎはヤバい生き物だ。
・伏線のぶん投げ方が凄い。
・主人公と奥さんが、なんで離婚してるのか分からない。
・サークルクラッシャー女の生態が詳しく描かれている。
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※↓ブログ移転の際に、コメント欄がうまく移植できなかったので、サルベージしたものを以下に記載します。
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モンスターがパッケージ詐欺じゃなかった>確かにパッケージ通りの造形でしたね。大きさは場面によって違いますが(笑)
何故ハイゴックなのかは個人的に好きだから。「0080ポケットの中の戦争」のオープニングがカッコイイんですよ。
2018-07-24 00:13:00 返信編集
堂柿弘也(管理人)
mb:
「リヴァイアサン」感想・レビュー ~土用の丑にぴったりのB級映画~
ずいぶん前に見ましたがモンスターがパッケージ詐欺じゃなかったぐらいしか覚えてません。しかし、水陸両用のモンスターなのでウナギイヌはともかくなぜハイゴック(だよねたしか)が?昨日NHKで見た姑のような掃除の点検をするリヴァイ兵士長の不機嫌な顔がリヴァイサンよりも数百倍恐かった。
2018-07-23 14:25:20 返信編集
燃焼豚
182.250.241.30
「リヴァイアサン」感想・レビュー ~土用の丑にぴったりのB級映画~
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