巨大グモ!「ラバランチュラ 全員出動!」感想  ~もう一度ヒーローになろう~

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怪物映画

今回紹介する作品は「ラバランチュラ 全員出動」です。

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作品情報・スタッフ・キャスト

「ラバランチュラ 全員出動」
製作年:2015年 
製作国:アメリカ  
上映時間:83分 
原題:「LAVALANTUAL」

監督:マイク・メンデス
製作総指揮:ポール・ハーツバーグ  ・脚本:アシュリー・オニール
出演:スティーブ・グッテンバーグ、『ポリスアカデミー』
   :マイケル・ウィンスロー、『ポリスアカデミー』
   :マリオン・ラムジー、『ポリスアカデミー』
   :レスリー・イースターブルック、『ポリスアカデミー』

※出ている俳優は、「ポリスアカデミー」シリーズの出演者。最近はそうでもないが、ひと昔前はテレビでよく放送されていた作品です。

邦題に「~全員出動!」とついてるのは『ポリスアカデミー』繋がりかと。

 

予告編

「ラバランチュラ 全員出動」:あらすじ

「落ち目のアクション俳優のコルトン・ウェスト(スティーブ・グッテンバーグは、撮影中の映画の内容に耐えられず、撮影スタジオを飛び出す。

帰宅途中のコルトンの目の前で、突如地面からマグマが噴き出す。

燃え盛る溶岩の中から、現れたのは、巨大なクモ!

炎を吐く巨大クモは、次々に人々を襲いだす。パニックに陥った街の中をコルトンは息子を探す為にダウンタウンに向かうが……」

感想/ネタバレ有

この手のB級映画では、なかなかのクオリティ。ややコメディタッチな内容だが、B級モンスター映画としては、佳作である。

監督は、過去に「メガ・スパイダー」を撮っている、マイク・メンデス。

うん、…正直に言うと、クモに炎吐かせる発想はよく分からんですたい。

スピーディーなストーリー展開

 まず出だしの掴みが完璧だと思う。

映画の冒頭で拘束されて敵に拷問を受けているコルトン・ウェスト。相手の一瞬の隙をついて拘束を解く。複数人相手に大立ち回りを演じ、煙に紛れて逃げようとするも唐突に壁が崩れる。そこに響き渡る「カーット!」、の声。
 どうやらコルトンは俳優で映画の撮影の真っ最中だったようだ。ヒット作に出演していたのは20年も前の話で今はマイナーなB級映画に細々と出演して食い繋ぐ毎日。しかしなかなかプライドを捨てられないコルトンはスタッフと喧嘩してスタジオを飛び出してしまう。
 妻に電話しながら急ぎ帰路に着くも、息子との約束の時間には間に合いそうもない。コルトンと電話しながらテレビを観ていた妻はニュースで夫が最近暴力事件を起こしていた事を知る。妻との電話でプロダクションがかばってくれなくなった事を知ったコルトンは憤慨する。
 その時火山が爆発しコルトンが運転する車の前に煮えたぎるマグマが降ってくる。人々が恐る恐る様子を見守る中、目の前のマグマの中から黒い巨大なクモが現れる……。

 ここまでわずか7分ちょい。ここまでのシーンでメインキャラクター達の性格と関係が、視聴者にほぼ完璧に説明される。この稚拙な文章ではこの流れの完璧さは伝わらないのでぜひ観て頂きたい。7分だけ!最初の7分だけでいいから!ねっ!(必死)

 この後も映画は綺麗に進行していく。物語の流れとして、この後コルトンが息子を探しにダウンタウンに向かう。その途中で止む終えずバスジャックをするのだが、乗客たちはこれも映画の撮影だと勘違いする。コルトンの大ファンの男性と半ばコンビを組む感じでクモ退治をしていく形になる。道中様々なトラブルが発生するのだがその事々がコルトンに有利に働き、コルトンは再びテレビでトップスター扱いされる。
 物語の流れが非常にスピーディーで面白いです。所々にご都合主義なシーンもあるのだがそれ程気にならないレベルだと思います。問題を解決する為のアイデアが事前に上手い具合に前フリとして処理されている為、あまり違和感を感じないで最初から最後まで観る事が出来た。
 
 ストーリー展開の面白さは最近観たB級映画の中でもトップクラスだと思う。

 

おっさんヒーローになる

 成り行き上バスジャックを行った主人公のコルトン。バスの乗客はこれも映画の撮影だと勘違いして大はしゃぎ。この後ラバランチュラに襲われるもコルトンは機転を利かして撃退する。怪物ラバランチュラを撃退した事だけがマスコミに好意的に報じられコルトンは正義のヒーローとして持ち上げられて行く。この後のコルトンの行動の全てがいい結果になりコルトンは20年振りにヒーローに返り咲く。

 いや~この展開好きです。ずっと地を這うような生活に耐えていたおっさんがヒーローになる。それも今度は映画でのヒーローではなく本物のヒーローだ。ついでに妻と子を救い家族の中での尊厳を取り戻す。
 最後は仲間の映画スタッフの協力もあってパワードスーツで空を飛ぶ→怪物たちのボス”ママランチュラ”を撃破の流れ。
 映画を観ていて面白いな~と思ったキャラクターがもう一人いる。それは劇中に序盤から出てくるキャラクターのクリスです。コルトンの熱烈なファンで映画オタクだ。憧れのコルトンと会えた!それどころか成り行き上相棒ポジションに収まり活躍。この展開も”映画ファンの夢”ですね(。・ω・)ノ゙
 コルトンとクリスどっちも現実に鬱々としていたおっさんが、念願かなってヒーローになる展開。なんかこの作品が”おっさんの為のファンタジー”と言いますか、”非リア充の為の物語”の気がしたなぁ~。

炎を吐くクモ 

 最後にこの映画に出てくる怪物に触れたいと思う。何千度の溶岩から現われて炎を吐く巨大グモ。なんだかよくわからん設定といいますか、よくこんなの思いついたなぁ~てのが素直な感想。もう怪獣ですよね。やっつけるのはウルトラマンではなくて、パワードスーツ(衣装)を着たおっさんですがね。
 高温の溶岩の中から地上に出たら、冷えて固まった溶岩で身動きが取れなくなりそう。ええ、そう言ったツッコミを入れるのは野暮なんでしょうが一応ツッコんでおきたい。あとやっぱり人体に卵を産み付ける描写があったがクモってそんな生態でしたかね?何故かクモ系のモンスターでよく見られますが元ネタってどの作品なのか非常に気になります。昔読んだ『ファーブル昆虫記』によると他の生物に卵を産み付けるんではなく、むしろ寄生バチの一種に卵を産み付けられる方だった気がしますが……。20年くらい前にはその寄生バチの巣がその辺にあったもんですがね。土で出来た巣を棒で壊したら中からクモがどっさり出て来たのは少年の日の嫌な思い出です、ハイ。
 ついでにボスクモ的な”ママランチュラ”なるモノも出てきます。”ママランチュラ”をやっつけると他の個体も全部死ぬっていうよく分からん設定。劇中一応なんか説明があったのだがいまいち理解できなかったなぁ~。

 怪物のCG自体は低予算映画にしては頑張っていた印象です。ただ場面によって怪物クモの出来にバラつきがあるのはご愛嬌。個人的にはバスジャックの時のCGが一番綺麗なCGだったと思う。

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡♡♡ 6/10
●キャラクター………〇
・無駄にキャラが立ってる。
・軽妙なやり取りは同監督の「メガ・スパイダー」でも見られる。

ストーリー………〇
・細かいギャグの効いたストーリー。
・テンポが非常にいい。

怪物……〇
・CGはそこそこ綺麗。しかし非常に都合のいい設定が幾つか見られる。
・生態についてはあまり真剣に考えてはいけない。

雑多な感想
・おっさんの為のファンタジー作品。
・ほぼおっさん、おばさんがメイン。若い奴らはあまり活躍しない。
・なぜか「シャークネード」の主人公フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)とコラボ。

 

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