今回紹介する映画は「モンスター・フィールド」です。
作品情報・スタッフ・キャスト
「モンスター・フィールド」
・製作年:2014年
・製作国:デンマーク
・上映時間:88分
・原題:「DANNYS DOOMSDAY」
・配給会社:トランスフォーマー
・監督:マーティン・バーネヴィッツ
・製作:キャロライン・ブランコ
・出演:ラールス・ミケルセン/ウィリアム・ヨンク・ニルセン/トーマス・ガーベイ/エミリー・ヴァルナ―・セメルロート/カーミラ・ベンディックス/マルコ・イルソ/クラウス・フリーゲ/アラン・ハイド……etc.
デンマーク産のモンスター映画である。
デンマークでもモンスター映画は作られていることが証明された(笑)
予告編
「モンスター・フィールド」:あらすじ
地下室でいなくなった飼い猫を探していたダニーは、家の外が騒がしい事に気づく。
突然襲いかかってきた怪物が、父親を外に連れ去ってしまう。弟のウィリアムズと地下室で一晩隠れてすごす。買い物に出かけた母親を探すために外に出るが、街は壊滅状態。学校までたどり着き生き残りの同級生達と合流する。
そんな中、政府は事態の収拾の為に、毒ガスを散布する事を決定するが……。
感想・ネタバレ有
※「パッケージはイメージです」といった注意書きがしっくりくる作品。
デンマーク産のモンスター映画です。
以下ネタバレしつつ感想をかいていきます。
怪物が出てくる「ジュブナイル」作品。
「モンスター・フィールド」と、いかにも人喰い怪物が、暴れまわってくれそうなタイトルとパッケージ。
そんなタイトルとは裏腹に、この映画怪物は出てきますが、モンスターパニック映画じゃないですね。
小学校高学年から中学生に向けて作られた、ジュブナイル青春映画って感じ。
うん、あれだ、”真面目な映画”ってやつです。
怪物が出てくる時点で「青春」も「ジュブナイル」もあったもんじゃないですが、妙に爽やかなんだよなー。
パッケージと予告用の動画が、ホラー映画かアクション映画みたいな感じに作ってありますが、そんな要素はなかったぜ。
「怪物が暴れまわって、それに対して軍隊が出動して派手なドンパチを演ずる」、そんな映画を期待して借りると、かなり肩透かしをくうはめになる。
怪物のCGはけっこういい。
動きも綺麗だし、‘画‘の見せ方もわかっている感じがする。
ただ、怪物に襲われるシーンははっきりと描写しないし、血飛沫がブシャーと出たりしない。
と言うか、血は全くと言っていいほど出てこない。
怪物に襲われて、画面からフェードアウトして終わりです。
パッケージ裏のあらすじのところに「町は破壊され怪物に喰い荒らされた人々の死体で覆われていた」とあるが、死体なんて一体もでてこないし、血の跡もありません。
ところどころに、無人の車が停まってるぐらいです(笑)
とにかく残酷描写は一切ありません。
予告に出てきた銃を構えた兵隊さんも、ラストに生存者を回収するシーンでチラッと出てくるのみ。
怪物は、海からやってきたエラとヒレのあるお魚系クリーチャーです。ようは半魚人である。
造形やCG自体は、なかなかよく出来ているのだが、画面にあまり映らないです。
う~ん…シャイな子かな?
(※違います)
そんな風に、怪物映画にしては全くいい所のない映画だが、多分これ、「怪物の出てくる青春映画」の類ですね。
。
主人公のダニー少年は、もう5年くらい10年くらいある少女に片思いしている。
クラスの絡んでくる嫌な野郎のルーカスに、その女の子を取られそうだし、弟のウィリアムズはルーカス達にいじめられてる。
弟のウィリアムズは、いじめに見て見ぬふりのダニーを馬鹿にしだすし、父ちゃん母ちゃんも心配し始める。
そんなある日、街に怪物が襲撃してくる。
頼りになる父親は怪物に殺され、母親は行方不明。
母親を探しに行くと主張する弟と、地下室から出るべきではないと主張する兄貴。
正直途中までは、お兄ちゃんのヘタレっぷりにイライラします。
けんかする兄弟のもとに、家族を殺されて逃げて来た中年男性のアダムがやってくる。
兄弟は、アダムを匿うが、恐怖に錯乱したアダムは、ダニーと死んだ自分の息子を同一視し始める。
↓
それぞれ外に出た兄弟は、通っていた学校にたどり着く。
学校には、ダニーが片思いしていた女の子のリーと、いじめっ子のルーカスもいた。
軍が毒ガス散布作戦を実行するまでに、投下されたガスマスクを集めなくちゃいけない。
その中で色々あって、ダニーは弟のウィリアムズと和解し、いじめっ子のルーカスから謝罪の言葉を引き出し、リーに告白を成功させる。
怪物は毒ガスで退治され、母親は生きていた。地下室に閉じ込めてきたアダムは、軍のトラックにバツが悪そうにチョコンと座っていて、ダニーと目が合うと落ち着かない様子で目をそらした…めでたし、めでたし、…という映画。
エディプスコンプレックスが、どうのこうの言う話になってしまうが、この映画は、「一人の少年が異常事態に際して父親から自立するお話」ですよね。
最後の方のシーンで、弟を助けるために、父親の声が入ったボイスレコーダーを怪物の囮にして、壊されるシーンがある。
そのシーンが「父親からの自立」を表現してるのではないかと。
邦題は「モンスター・フィールド」だが原題の「DANNYS DOOMSDAY」の方がしっくりこないか?
あくまでも、ダニー少年の人生最悪の日における成長記録なんだから、原題の方がいいんでないか?
ついでに、アクションとかホラー、SFのコーナーじゃなくて、ドラマ枠に置いた方がいいと思う。
怪物はオマケです。
舞台装置みたいなもんでしたね。
しかし、半魚人や魚系のモンスター映画って、色物or飛び道具ばっかりなのはなんでだ!(ノ`Д´)ノ
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡ 5/10
●キャラクター………〇
・ドラマパートがしっかりしているため、登場人物もちゃんと描かれている。
・それぞれ、役割や個性がはっきりしていてよい。
●ストーリー………〇
・ストーリーはしっかりしている。
・ただし、「怪物映画」を期待するとプロットしてどうなんだろう?、と思ってしまう。
●カメラ・演出とう………〇
・この手の作品にしては綺麗。
●怪物……△
・デザイン〇、CGも〇
・ただし、出番は極端に少ない。おまけ、舞台装置。
●その他・印象に残ったところ
・「青春ジュブナイル」よりの作品。
・怪物映画としては地味。
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コメント
もやもや感は残るものの内容も怪物も悪くはなかった。怪物がかっこよく出てきて本棚につぶされたのと、毒ガスでやられて死ん姿はシュールで笑えた。でも、この作品で一番驚いたのデンマーク産という事実であった。(本当にだよ
>この作品で一番驚いたのデンマーク産という事実であった。
それは僕も驚きました。むしろ他のデンマーク産の映画を知りません(笑)
はじめまして。どうしても書かずにはおれず、失礼します。
お兄ちゃんの片思いの歴史は、5年ではなく10年です。