今回紹介する作品は「最強特殊部隊VS巨大タランチュラ」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「最強特殊部隊VS巨大タランチュラ」
・製作年:2014年
・製作国:イタリア
・上映時間:91分
・原題:「ARACHNICIDE」
・監督:パオロ・ベルトラ
・出演:リカルド・セルヴェンティ・ロンギス/クリスラ・スタフィダ/ガブリエル・キャッシュ/フィリッポ・ガラディ
予告編
「最強特殊部隊VS巨大タランチュラ」:あらすじ
「麻薬組織との戦いは熾烈を極めた。政府は麻薬組織を壊滅すべく、軍人、科学者、潜入捜査員の複合部隊「L9コマンドー」をアルバニアに派遣する。
麻薬の地下製造所を襲撃し、生産プラントを破壊する。そうすれば戦いは終わるはずだった。
しかし、「L9コマンドー」の前に恐ろしい敵が立ちふさがる。
それは、遺伝子操作で小山のような大きさに成長した毒蜘蛛の群れだった……」
感想/ネタバレ有
けしからん女教師のイメージは万国共通
本作のいいところは、モンスターをいっぱい出して派手な銃撃戦をやってくれる事だ。CGの出来はへっぽこだが、戦闘が開始されるととにかく派手にやってくれるのでOKだ。
後は、ミリタリー描写が気合の入っている点。
後はひたすら悪い所なんだが、管理人は、よく訓練されたマニアのためそんなに苦痛ではなかった。
むしろ、Z級映画(自主製作映画)が、どの程度のクオリティか知ったうえで、突っ込みながら観る。
物語は、軍の特殊部隊が、南米の麻薬組織の掃討作戦をしているシーンから始まる。
いわゆる『プレデター』的な導入なんだが、とにかくテンポが悪い。
大して意味のない物語のバックストーリーの説明に、11分費やす。
そこからコテコテ音楽と映像資料(例によって何かの細胞膜)によるオープニング、そこから怪物を作る技術の説明を、科学番組的なノリでじっくり解説と、順調に「ダメ映画ポイント」を重ねていく様子に感動を禁じ得ない。
しばらくして、やっと主人公らしき連中が登場し、物語が動き出す。
さて、ここで登場する本作のヒロイン。いわゆる女性科学者キャラである。
眼鏡に、白いブラウス(パツンパツン)のボタンを上から二つ外し、巨乳、ノーブラ、ピチピチのパンツルックに、高いヒールをカツカツと鳴らしながら歩く女性である。
そして低い声でけだるげに話す……と「けしからん女教師」といいますか、モンスター以上に「男の想像上の産物」と呼ばれるものだ。
近頃の真面目な映画でやったら、フルボッコどころか、訴えられかねん。
しかし、なぜ、こうも「けしからん女教師」のイメージは、万国共通なんだろう…?
この女教師、じゃなかったヒロインの科学者も、インパクト抜群の登場シーンの割には、この後画面に映らない。
「やっべ!!お色気にステータス振りすぎた!」
と、監督が、あせったかどうかは知るよしもないが、この後は迷彩服を着て「強い女」として部隊に参加する。そして、さっぱり活躍しない。なんでや!
『エイリアン2』リプリー(演者:シガニ―・ウィーバー)と同じく、オブザーバーポジションだ。
この後、ヒロインと相手役のマッチョ+なんかモブ顔の青年を残し、戦闘部隊は建物に侵入&罠にはまりやられる展開になる。
この時、兵士の数を光点で表し、それが敵にやられていく。
展開と演出の仕方が、『エイリアン2』そのまんまである。
クモのモンスターで、『エイリアン2』の構造……『アラクニッド』ていう、映画があってだな…。
(
して、戦闘チームが全滅する際に、もうここで爆弾を使ってしまう。
「残り20分くらいあるけど、どうすんの?これ?」
と、思っていたが、この後はひたすら逃げ惑う展開が続く。
ちなみに、モブ顔の青年は適当な感じで退場する。
(ですよねー)
追い詰められたヒロイン達の前で、突如として死ぬ巨大蜘蛛。
調べたヒロイン(※ここでやっと科学者らしい事をする)
「これは、急激な巨大化のせいで寿命が尽きましたわ……」
妙なところで、リアルさ出してんじゃねーよ!ざんしんだな!
最後は、ヘリで脱出するヒロインとマッチョ。
エンディングで巨大蜘蛛の死体を研究する米軍が映り、天井から落ちてきた生き残りが、カメラに飛び掛かりながら終了する。
う~ん、プロット的には『プレデター』+『エイリアン2』だったけど、いらないシーンが多かったかな。
なぜ酷い邦題がつけられてしまうのか?
さて、ここからは邦題に酷いもの、ダサい、駄目なやつが、つけられてしまう事について、僕なりに思ったことを書いてみる。
シネフィルの間で、ちょくちょく話題になる「酷い邦題問題」。
確かに元のタイトルとは、似ても似つかない酷いものが多い。
配給会社を攻めたくなるのも分かる。
しかし、ここでちょっと待って欲しい。
実は、もう、タイトルに使えそうなセンスのいい言葉、響きのいい言葉は、とっくの昔に全部使われてしまったのではないだろうか?
その結果、センスのない無難なタイトルばっかりになるんじゃないだろうか?
大手の配給会社ほど冒険できず、なんとも酷い邦題をつけてしまうのは、そういった事情があるのでは?
そんな風に、ちょっと考察してみる。
さらに、ここ10年ぐらいで出てきた課題として、「ネットで検索しやすい」のも重要だ。
最近だと邦画の『来る』、原作は『ぼぎわんが、来る』だっけ?
これが、そこそこ金かけて宣伝していた割には、いまいち話題にならなかったのは、ネット検索しても引っかからないせいだって言われてる。
スティーブン・キングの『イット』が、リメイクされた際『It/イット ”それ”が見えたら、終わり』になったのは、ある意味仕方がない事態ではなかろうか?
そういう訳で、普段からB級映画を観る事により、酷い邦題に対しての免疫をつけることを、管理人は提案したい。
と、いうわけだから、皆さんB級映画を観よう!!
…………(。´・ω・)ん? 論理が飛躍している様な気がする。
総評・感想まとめ
総評:★★ 2/10 Z級映画認定
●キャラクター………△
・色々な属性をつけて派手に登場した割には、そういったものを一切生かさずに退場させる。
●ストーリー………✖
・とにかくテンポが悪い。また露骨な引き延ばしも多い。
尺を稼ぐために思い付いた設定は、全部ぶっこんでいるが、そのどれも回収するつもりは一切ない。ある意味潔いが、非常にモヤっとする。
●カメラ・演出とう………✖
・映像はZ級である。
安定のBROADWAY(ブロードウェイ)クオリティ。いや、それでこそのBROADWAY(ブロードウェイ)
「荒い・暗い・よく分からない」の三拍子そろった悪夢をお楽しみあれ。
●怪物……△
・悪の組織の遺伝子操作によって誕生した、巨大毒蜘蛛。
怪物のベースは、シドニージョウゴグモ。「世界一」とも評される強い毒を持つが、その毒はシドニー・ジョウゴグモの、主な天敵であるトカゲや鳥にはサッパリ効果がない、ツッコミどころ満載の生物だ。
・ビリビリ光ながら急速にでかくなる様は、凄くカッコイイ。と同時にそのあらゆる物理法則を一切無視したテクノロジーの乱暴さに、大爆笑。
その癖、「あまりに急激に大きくなったために細胞分裂の限界=寿命がきた」なんて、妙にリアルな理由で死ぬ。21世紀の新しいモンスター像を我々に提供してくれる……(なんのこっちゃ)
リアルさはさておき、とにかくいっぱい出てくる突き抜けたアホさは大好きだ。さらに、派手にドンパチやってくれるのはいい。
●雑多な感想
・安定のBROADWAY(ブロードウェイ)クオリティー。
・クモの設定が斬新。
・爆破オチを途中で使う無能采配。
・プロット的には『プレデター』+『エイリアン2』
・「けしからん女教師」のイメージは万国共通
●ご購入はこちら↓
コメント