今回紹介する作品は「クローバー・フィールド・パラドックス」です。
当初はNetflix限定で配信された作品です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「クローバー・フィールド・パラドックス」
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:102分
・原題:「THE CLOVERFIELD PARADOX」
・監督:ジュリアス・オナー
・製作:J.J.エイブラムス ・製作総指揮:トミー・ハーバー
・出演:ググ・バサ=ロー/デヴィッド・オイェロゥオ/ダニエル・ブリュール/ジョン・オーティス……etc.
予告編
「クローバー・フィールド・パラドックス」:あらすじ
「石油資源が枯渇寸前の近未来。世界中の科学者が次世代のエネルギー源の研究を宇宙ステーションで行っていた。実験ステーション”シェパード”で行われた素粒子加速実験は失敗の連続で、研究者には焦りが見えた。
そんなある日、実験は成功したかに見えたが、突然の事故、さらには窓の外に目るはずの地球の姿がない!
さらに、船内では常識では考えられない、恐ろしい出来事が起こり始め……」
POV映像で撮られた怪獣映画として有名な「クローバー・フィールド HKAISHA」の前日譚にあたる作品。本作では、なぜ奴らが地上に現れたのかが明かされる……と言いつつ、内容的には前2作品と全く違う雰囲気だ。
元々はNetflix限定で配信されていたが、約一年たってDVDレンタル開始、今回の視聴とあいなりました。最近、Netflix限定作品がかなり増えてきましたが、一年ぐらい経つとDVD化されるようだ。
「クローバー・フィールド」シリーズは、シリーズ毎に全く違う作品にする事を、プロデューサーのJ・J・エイブラムスが述べている。
日本でももうすぐ劇場公開される「オーバーロード」が、シリーズ第四弾にあたる。最近、「オーバーロード」をパロッたB級作品が何枚か出ているのは多分そのせい。
どうでもいいが、管理人は「~HAKAISHI(はかいし)」と書きたくなる呪いに感染中。
「クローバー・フィールド・パラドックス」:感想/ネタバレ有
POV方式の怪獣映画だった一作目、サスペンス&侵略物だった第二作に続き、今作は昔ながらの「SFホラー・SFスリラー」といったところか。「エイリアン」や「ライフ」といった雰囲気だが、果たしてモンスターは出てくるのだろうか?
王道のSFホラー・SFスリラー
今回の舞台は宇宙。時は2024年。石油資源が枯渇し、新たなエネルギー源の開発が急務となっている。
そんな中、各国の頭脳を集め、宇宙ステーション”シェパード”で、素粒子加速器による実験を行っていたのだが、案の定冒頭でトラブル発生。突然の重力波の発生、機材のシャットダウンが実験クルーを襲う。
クルーが事故のショックから目覚め、ふと窓の外を見ると、そこにあるはずの地球がない。
「やべぇ…俺たちもしかして、やっちゃいました……?」となる。
パニックになるのを必死で抑え、なんとか原因を究明しようとするが、宇宙ステーション内で奇々怪々な出来事がおこり始める。
物語の冒頭で、劇中の科学者が「クローバー・フィールド・パラドックス」なる単語を口ずさむ。
素粒子加速器による実験により、「次元」をぶつけて消滅させる→「時間」や「空間」が作用しなくなり、常識では考えられないような事が起こるようになる……まぁ、要するに「理屈はどうあれ科学の常識を無視した出来事がおこりまっせ」という訳である。
この手の便利な設定の事を、あんまり真剣に考察するだけ無駄な気がする。
ex.「ミノフスキー物理学」「特殊なカーボン」とう
「クローバーフィールド・パラドックス」なる用語は、それらに連なるものだろうか?
そんな訳で、壁の中に知らないお姉さんが埋め込まれていたり、壁に手を喰われたり、亡くなった腕が「会話」したり、仲間の一人がミミズを吐いたりする。
う~ん、SF設定だけど、やってることは「オカルト」だよね。
上述したような「恐ろしいこと」を、昔懐かしの手法で演出している。このご時世に、クラシックスタイルのホラー演出を見られるとは思わなかった。それがなかなか面白い。
&登場キャラクターのやられ方が、最近のホラーにしては凝っていたし、その前フリも上手かったと思う。
内容としては、「イベント・ホライゾン」や「ライフ」といった「SF幽霊船」である。
クローバー・フィールド・パラドックス:考察
さて本作品「次元に干渉する実験」とやらのせいで、ほぼ「なんでもあり」になっている。「次元」と「次元」をぶつけた結果「全てがおかしい」「どんなことも起こりえる」と、なんでもありのカオス世界が出来上がる。そこで起こる恐ろしい出来事を描いている。
「次元」を構成している「時間」と「空間」が滅茶苦茶になっているため、劇中ではほぼなんでも起こりうえる状態だ。この「時間」と「空間」というのは、現実の科学を構成する重要な要素であり、西洋文明・科学の根幹をなす要素でもある。
また、西洋文明は「時間」と「空間」をほぼ「ゼロ」に近づくように進歩してきた。
「鉄道」や「飛行機」といった運送機関の発達が、今日のライフスタイルを形成し、ラジオ、テレビといった電波を使ったメディアの発達も大きい。
さらに、近年「ネット」というものが登場して、僕らは誰かがネットに投降した情報を、世界中で、ほぼ、タイムラグなく共有できるようになった。
そんな風に考えてみれば、限りなく広がっていく「ネット社会」だって、「時間」と「空間」が焼失した「どんな事でも起こりうる、なんでもありの空間」なのかもしれない。
いつも間にか、あるのが当たり前になっているが、これは凄い事だよ。
上記のように考えると、本作「クローバー・フィールド・パラドックス」が、ネット社会への警鐘をならした作品と見えなくは、……うん、ちょっと苦しいか(笑)
こういった「特定の前提が崩壊すると、それにともない全てが崩れる」っていうのは、実はけっこうな頻度で起こっているのではないだろうか?
それを僕らが「観測できない」だけなんじゃないか?
しかし、本作は怪物は出てこないが「怪獣・怪物映画」を期待して観てしまった。
J・J・エイブラムスは、よく言えば「業界の事をよく分かっている映画人」だが、悪く言えば「詐欺師」みたいな奴である。
「大騒ぎして、人を集めるだけ集めておいて、肝心の者は一切見せない」、そんな感じの奴である。
「お兄さん、可愛い子いるよ♪」
、と言われ劇場に入っていったら、おっさんの漫談が始まった感じだ。そのおっさんの漫談自体は面白かったが、「可愛い子は?」て感じである。
いや、「おっちゃん、可愛いやろ?」と満面の笑みで言われたら黙るしかないが、うん、まあ、騙された感じはするね。
この「クローバー・フィールド」サーガもどこまで続ける気だろうか?
もうすぐ劇場公開される「オーバーロード」もこの系譜で、今度は第二次世界大戦中に、連合軍がナチスの作ったゾンビ軍団と戦う話だとか。
「ナチス」と「ゾンビ」が一緒になっているのだから、意識低い作品を期待して、劇場まで足を運ぼうかしらん。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡ 7/10
●キャラクター………〇
・キャラクターは立っており、役者の演技も上手い。
・最近のホラー映画にしては、死に方が凝っていたと思う。
●ストーリー………〇
・先が読めないと言いますか、ほぼなんでもあり。
・その「なんでもあり」の部分が「SF」を名乗っている割にはほぼ「オカルト」
●カメラ・演出とう………〇
・一昔前のホラー映画な演出が懐かしい気分にさせる。
・クラシックスタイルのホラーをやっていた。
●怪物……△
・3秒だけ出てくる。この作品「怪獣映画」のくくりでいいのかしらん?
・一作目に出て来た奴よりも巨大化している。
●雑多な感想
・J・J・エイブラムスはちゃんと考えて作っているのだろうか?
・怪物映画ではないが、怪物が出てくる事を期待してしまう。
・ホラーとしては王道をやっている。 ・3Dプリンターって凄い。
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