今回紹介する作品は「ディレイルド 脱線」です。
古典的名作を彷彿させるパッケージが目を引く本作は、「列車×ミステリーツアー×モンスター」といった、思いついた設定を全部、突っ込んだ内容だ。
「怪物出現!」のシンプルな煽り文句が、期待を高めてくれる。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ディレイルド 脱線」
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:80分
・原題:「D-RAILED」
・監督:デイル・ファブリンガー
・製作:スザンヌ・デ・ラウレンティス
・撮影:ジョン・ラジアー
・出演:カーター・スコット/シェイ・スモリック/ローガン・コフィ―・ランス・ヘンリクセン……etc.
予告編
↑予告編よりも、本編の映像の方が綺麗に見えた。珍しい(笑)
「ディレイルド 脱線」:あらすじ
豪華なディナーを楽しみながら推理ゲームを行う体感型イベント列車“殺人ミステリー急行”。一部の役者らが演技ではない本当の強盗を企て、乗客の数名が犠牲となり車内は大パニックに陥ってしまう。そんな中、加速した列車は急カーブを曲がり切れずに脱線し、崖から川へ転落してしまう。その後、奇跡的に一命を取り留めた参加者は過酷な状況下で更なる信じがたい現実に直面するのだった。
~作品紹介より抜粋~
ハロウィンの夜、汽車を使ったミステリーツアーが開催された。古風な衣装に身を固めた参加者たち。その中には、メイドの格好をした16歳のアビゲイルの姿もあった。ツアーに役者として参加している友人に会うために参加したイブリン。彼女たちを乗せて列車は走り出す。
宴もたけなわとなり、さっそくミステリーツアーがスタートするが、乗客の中に本物の列車強盗が混ざっており、本物の殺人事件が起こってしまう。カーブに猛スピードで突っ込んだ列車は脱線し、崖の下の沼に堕ちてしまう。
生き残った乗客たちは、不安に打ちひしがれる。さらには、その沼には、得体のしれない生物が潜んでいて……。
「ディレイルド 脱線」:感想/ネタバレ有
ミステリーツアー+本物の事件&謎の怪物という、「麺大盛りニンニク野菜マシマシ」みたいな作品。企画の段階で、「引き算」を覚える気は、これっぽっちもないらしい。
とりあえず、出演者の中にランス・ヘンリクセンの名前を発見したので借りてくる。本当に、ランス・ヘンリクセンには、実家のような安心感がある。
序盤~中盤:B級映画にしてはまぁまぁの内容。
B級映画にしては、気合が入っており、セットや撮影には、まぁ、観ていられるレベルだった。欲を言えば、列車の内装をも少し丁寧に仕上げて欲しかったぐらいかな~。
出演者のルックス&演技もよかったと思う(※B級にしては)
中でも物語の起点となる「ミステリーツアーかと思ったら、本当の事件だった」の下りは、よく出来ていたと思う。どこまでが「計算通り」「演技」だったのか訳がわからないまま、脱線事故が起こる。
その辺のスピード感が良かった。
使っているCGも最低限で、なかなかリアリティーのある映像だった。
怪物について。
謎の怪物は、昔懐かしの着ぐるみで再現。CG全盛期というよりは「何でもかんでもCGを使う」風潮の中で、この姿勢は評価したい。奇妙にヌラヌラした肌をした怪物が、暗闇から迫って来る様は、やっぱりいいなぁ~(笑)
着ぐるみならではの存在感がある。
デザインも、人型ベースの嫌悪感たっぷりでグッド。
なかなかよく出来た着ぐるみで、水辺や暗闇を使った見せ方も及第点をあげられると思う。
ただし、出番は少ない(笑)
ついでに、正体は……。あれ?そんなオチなのか?
ハッピー・ハロウィン:核心的なネタバレ有。
序盤~中盤は、なかなかテンポよく進むのだが、後半に差し掛かるあたりから、ちょっと映画の様子が変わって来る。
キャラクター同士が妙に、意味ありげな会話を交わし始める。妙に、悟ったかのような言い回しだ。
何よりも、人数の減り方が、早いこと早いこと。
極めつけは、まだ10分以上残して、ヒロインが安全地帯についてしまう。駅員に保護されるヒロイン。
ここで、やっと最序盤で出てきたきり、画面から姿を消していたランス・ヘンリクセンが再登場する。
”イブリン・ハイド”の名前を聞いて、一人で納得するマニー氏(ランス・ヘンリクセン)。駅員室を開けると、そこにいるはずのイブリンの姿がない。
なんと!イブリンたち一行は、96年前にあった事故で全員行方不明になっており、彼女たちが乗った車両だけは、未だに崖の下の沼地に沈んでいるというものだった……。
「じゃあ、彼女はなにから怯えて逃げていたんです?」
「死の運命そのものでは?」
みたいな会話をする、駅員たち。
駅員たちが去った後で、イブリンたちが映った写真の前に、列車で刺されて死んだはずの怪しい親父がやってきて微笑んで終わる。
「自分が死んだと気づいてない迷える死者たちが、命日であるハロウィンの夜になるとさまよい出てくる」といった「世にも奇妙な物語」風のお話。
訳知り顔の怪しい親父は、タモさんのポジションなのか?
モンスター映画を観ていたつもりが、「世にも奇妙な物語」にいつの間にか変わっていた。
B級映画にしては、そこそこよく出来ていたけど、なんだか釈然としない。
けっこう楽しく観れたけど、なに、このオチ?
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡ 6/10
●キャラクター………〇
・登場キャラクターが多い。それぞれの紹介・見せ方は上手かった。
・「とりあえず、水辺から離れろ!」と言いたくなるのは様式美。
●ストーリー………〇
・序盤~前半の流れはテンポが良くていい。
・オチがけっこう衝撃的だった。
●カメラ・演出とう………〇
・全体的にBにしては上手かったと思う。
・CGを極力抑えた手腕は評価できる。
●怪物……〇
・昔懐かしのモンスター映画テイスト。
・なかなかいい感じの着ぐるみ。出番は少ないのが残念。
●その他・印象に残ったところ
・衣装が凝っていた。
・展開が斜め上だった。
・もうちょっとモンスターを映して欲しかった。
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