今回紹介する作品はこれ↓
「グリズリー・レイジ」です。
※RAGE=激しい怒り、、憤怒、等の意味。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
・製作年:2007年 ・製作国:カナダ
・上映時間:83分 ・原題:「GRIZZLY RAGE」
・監督:デヴィッド・デコトー/『ザ・ヒル』
・製作:ロバート・ハルミJr.
・出演:タイラー・ホークリン/ケイト・トッド/グラハム・͡コサカス/ブロディ・ハームス
備考:監督がデヴィッド・デコトー
予告編はこんな感じ↓
「グリズリー・レイジ」:あらすじ
「ハイスクールを卒業したローレン達四人は、車でバカンスに向かう。
途中悪乗りして立ち入り禁止区域に入り込み、グリズリーの子熊を轢き殺してしまう。
そこに怒りに燃える母親熊が現れて……」
感想/ネタバレ有
※①熊映画は、本家本元の『グリズリー(1976年)』からして、かなりアレな作品。
『グリズリー2010』や『グリズリー・プラネット』と微妙な出来な作品が多く、はなから期待せずに観るのが正しい。
なぜか本物の熊が使われている率が高いので、「野生の肉食獣の美しい姿」を愛でるつもりで観賞すれば、動物好きな人は幸せになれると思います。
余談だが、熊は怒ってもほとんど表情が変わらないらしい。情報ソースが管理人が小学生の頃に読んだ本で大変申し訳ない。
(椋鳩十(むくはとじゅう)の動物文学のどれかだったと思う。確かサーカスで飼われている熊の話だったような気がする。超うろ覚え)
そのため、怒っていることが分からない=いきなり襲ってくるため危険らしい。
※②監督はデヴィッド・デコトー。
B級モンパニ大好きな管理人を、いつもと違う意味で呆れさせた『ザ・ヒル』を撮った監督である。
以上の二点を念頭に置いて、レビューしていきたいと思います。
これがグリズリー・レイジだ!
まず、本作のストーリーは無いに等しい。
「羽目を外した若者が、悪乗りして立ち入り禁止区域に侵入する。いい気になって車をかっ飛ばしていたらグリズリーの子熊を轢き殺してしまう。母熊激怒(げきおこ)。若者たちが母熊の猛攻にあう。果たして若者たちの運命や如何に…」
グリズリー・レイジ(RAGE=激しく怒るの意)……そのまんまやんけ!な作品。
これだけ捻りも何もない
タイトルも、内容がタイトル通りの作品も珍しいと思う。
次に肝心のモンスターについて。
熊は本物と着ぐるみを使っている。
遠目に熊が動いているシーンは本物の熊。
毛艶がよくでっぷり太っている事から、所属している動物プロダクションで大切に扱われている事が伺える、とてもいいことだ(笑)
対して車を揺すったり、小屋の扉に体当たりしたりするシーン=俳優と絡むシーンは恐らく着ぐるみと思われる。
本物の熊に比べると、毛がパサついているのでなんとなく分かる。
はっきりと映すとバレてしまう為、画面を揺らす、暗がりのシーンにするなどの涙ぐましい努力をしている。
その努力を称えて、僕はこれ以上ツッコまない事にする。
本物の熊の迫力は、なかなか凄いですよ。
グリズリーなのか、それともコディアックヒグマのようなヒグマの亜種なのかは知らないが、デカい。確かにこんなのに襲われたら絶望的だヽ(TдT)ノ
”羽目を外した若者が熊を轢いてしまって酷い目に遭う”
もの凄くシンプルなプロットにのっとって、熊が襲ってくる合間に、生存者のいがみ合いだとか、「一生仲間だ」の台詞に代表される安いドラマを観ることになる。
ついでに見せ場では、唐突にロックミュージックがかかる。
そのロック自体はけっこうカッコいいのが、却って本作がチープな物になるのに一役かっている気がしないでもない。
アングルや間の撮り方はけっこういい。
そうかと思えば、やや意味のないシーンの垂れ流しが多かったりで、露骨な尺稼ぎが目に付く。
ただし、犠牲になるのは四人の若者達だけで、この手の映画お約束の偶然通りかかったハイカーだとか、通報を受けて駆け付けたポリスメン=ヤラレ役を使用していない潔さ。
ラストはやや間抜けな全滅オチです。
全体的に、いい所と悪い所の差が大きいムラのある、ツッコミがいのある作品です。
まぁ、一番のツッコミ所は次の小題で書きます↓
「うほっ!いい男」:デヴィッド・デコトー監督作品
さて本作でメガホンを取っているのは、あのデヴィッド・デコトーである。
あの「美青年の半裸をねっとりとなめ回すように撮る」事に対して定評のある男である。
(※興味のある人はデヴィッド・デコトー監督でググってみて欲しい)
映画が始まって、管理人がまず最初に抱いた感想が、「あ、今回は男優がちゃんと服を着ているな」ということだ。(男優って言うな!……)
野郎3人女1人のパーティー構成にやや不安を覚えたが、今回はメインキャラに女の子がいる、それもなかなか可愛い子だ。
しかし、安心したのもつかの間、画面にアップされるタンクトップ男の筋肉。(うほっ!)
おもに二の腕から肩にかけてのアップ。
眉毛と揉み上げが濃い、はっきりした顔つきにのハンサムガイのアップ。(うほっ!)
・この濃い顔のマッチョなハンサム俳優だけ、妙にアップが多い。
・仲間が息絶えるシーンで、女の子ではなくハンサムガイが手を握る。
・女の子ではなく、野郎が動き回ってるシーンのが圧倒的に多い。
・美男美女で生き残ってもkissシーンはない。
・野郎同士で臭い台詞。
・ホラー・パニックジャンルなのに女の子が空気。
・ラスト10分でハンサムガイぱんいち。(なぜ脱いだのか……)
……デヴィッド・デコトー…お前なぁ……。
この監督、「怪物としてはマイナーな題材+半裸の美青年をねっとり撮影する」のが売りなんでしょうかね。
画面から、細マッチョの筋肉を撮るのに全力なのが伝わってくる。”熊映画は「野生の肉食獣の美しい姿」を愛でるつもりで観賞すれば楽しめる”と書いたが、そっちの野生の美しさが来るとは……。
……個人的にあんまり嬉しくない。
感想をまとめると、全体的にかなり微妙な出来の作品で、あまり人に勧められない。
ただし、俳優の撮り方、誰にフォーカスを当てるかで観ていると、なんとも言えない笑いがこみあげてくる作品です。
少なくとも、管理人は久しぶりに大爆笑しながら観賞できて大満足。
あと、熊可愛い(′∀`)
監督の趣味丸出しの作品なんだが、なんでもありのB級モンパニ界にはこういった人も必要なんじゃないかなぁー、と思いつつ本レビューを終えたいと思う。
※P.S
映画ではグダグダの出来が多い熊物だが、意外に小説では傑作が多い。
上記二冊は、特にお勧めです。
戸川幸夫の動物文学シリーズやシートン動物記でもお馴染みの題材だった。
……『ゴールデンカムイ』?…う!頭が……!
感想まとめ
総評:♡♡♡ 3/10
●キャラクター………〇、ものの見事に愚かな若者が揃っている。バカだがキャラは立っている。
●ストーリー…………△、あってないようなもの。これだけ中身のないのも珍しい。
●カメラ・演出とう…△、カメラアングルや間は意外といい。しかし垂れ流しの映像が気になるところも多い。謎のダメージエフェクトが出る親切仕様。デヴィッド・デコトー監督だけあって、案の定マッチョなイケメンをねっとりと…。
●怪物…………………△、本物の熊と人間のスタントを、後で組み合わせたのが丸わかりなのが惜しい。熊は本物と着ぐるみを使い分けている。本物の熊自体は凄い迫力がある(熊は凄い生き物だってこと)。しかし映画は全体的にチープな雰囲気に仕上がっている。
●雑多な感想
・劇中流れるロックミュージックは無駄にカッコイイ。
・台詞が安っぽい。
・熊は本物を使用。グリズリーの大きさがヤバいのが伝わってくる。
・やっぱりデヴィッド・デコトー作品だった。
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コメント
あまり内容は面白くなかったが、パリピどもの馬鹿ぶりは徹底しているのは良かった。小屋に熊を閉じ込めただけで勝ったつもりとは思わず笑った。モンパニというより非道なパリピの自業自得映画途してみる分にはいいかもしれない。熊さんだがドキュメンタリーで見た事があるが子連れグリズリーは痩せてて、凄く薄汚いのに、何か偉い違いあるのは何故だろう?
小屋に熊を閉じ込めただけで勝ったつもりとは思わず笑った>なんであれでいけると思ったんでしょうかね? 案の定の結果になって笑ってしまったけど。
子連れグリズリーは痩せてて、凄く薄汚いのに>やっぱり子育てって大変なんだな~、といった感想は置いて、この手の動物アクターが大事にされてるなら、いいんじゃないだろうか?
リアリティー? B級映画なんてツッコミどころが多いぐらいでいいと思う。