ゾンビ映画「アローン・イン・ザ・ゼット」ネタバレあり感想。 ~羊頭狗肉的な何か~

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ゾンビ・感染系。

今回紹介する作品は「アローン・イン・ザ・ゼット」です。

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作品情報・スタッフ・キャスト

「アローン・イン・ザ・ゼット」
製作年:2016年  
製作国:アメリカ  
上映時間:98分 
原題:「HERE ALONE 」

監督:ロッド・ブラックファースト
脚本:デヴィッド・エベルトフト   ・音楽:エリック・D・ジョンソン
出演:ルーシー・ウォルターズ/ジーナ・ピアルサンティ/アダム・デヴィッド・トンプソン/シェーン・ウェスト……etc.

予告編

「アローン・イン・ザ・ゼット」:あらすじ

「謎のウィルス性の感染症が猛威を振るうニューヨーク。 
アンは夫のジェイソンと赤ん坊と共に夫の故郷の近くにある森に逃げ込む。

しかし、夫と赤ん坊は感染して死亡してしまう。
ある日、アンは重傷を負った男と、その連れの少女を助けるが……」

感想/ネタバレ有

序盤、延々と一人キャンプの様子を見せられる。

よくあるキャッチコピー詐欺と言われてしまうような、邦題などを付ける際のプロモーションミス被害にあった作品だと思う。

 毎度毎、度予告編の編集というのは神がかっているものです。
「予告編だと非常に面白そうなのに、実際に観てみたら退屈でしょうがなかった」映画鑑賞においてよくある話です。
 特にB級映画では酷いのですが、こっちも段々と慣れていく感性が麻痺してしまうので、むしろ予告編との違いをツッコミながら楽しく観れるぐらいにはなります。
 しかしながら個人的に許せないといいますか、リアクションに困るのが、予期していた内容と全く異なるジャンルをやられるパターン。この場合その映画に対してどういった評価をしていいのか、よく分からなくなる。

 残念ながら今作もそのパターン。

 開始からずーと女の人のキャンプ生活を延々と観せられる。静かで綺麗な映像が続く。所々で回想シーンが入り、かつては夫と赤ん坊と一緒にこの森に逃げて来たことがうかがえる。ひたすら食料を集めたり車の中で雨宿りしたり、赤ん坊のおもちゃいじって感慨に耽ったりで一向に物語が始まらない。
 そもそもゾンビがほとんど出て来ない。したがって戦闘シーンも恐怖シーンもほとんどない。
 30分くらい経ってやっと他の登場人物が出てくるが、やっぱりゾンビはほぼ出てこない。アン一人の生活が描写されていたのが、少女とその義理の父親との交流が描かれるように変わったぐらいでやっぱり地味で静か。そして時々回想。
 ゾンビとの戦闘はクライマックスでちょっとあるぐらいです。生き残った人間同士の心の触れ合いをメインで描いています。

 映像は綺麗に撮ってあり、役者の演技も上手い。編集や音楽も高い所でまとまっているが、これホラー映画ではなくて、もっと芸術性の高い高尚なアレですわ。
 少なくともゾンビが出て来て銃をぶっ放して、鉈で首を自主規制する類の映画じゃないです。エンターテイメント作品じゃなくて、真面目なよく分からないタイプの映画です。

 期待外れといいますか、ゾンビ映画にそんなものは求めてない!

 こうもっと下品な意識低い作品なんですよ!僕らがゾンビ映画に求めているのは!

 ゾンビがわぁーー!と増えてガァー!と襲って来て建物に立て籠もって、食料が尽きたりだとか派閥争いなんかで人間が醜くいがみ合って、銃ぶっ放してチェーンソーが唸るたぐいの映画なんだよ!
 合間にB級くさいブロンドの姉ちゃんがボロンして、ステレオタイプなマッドな博士が出てくるような、挙句の果てに全滅するかor旅経つor米軍が爆撃で全て吹っ飛ばすような、そんな意識低い作品なんだよ!

 そういったアホな内容を、ホラー寄りかパニック映画寄りかで撮って、アクションかサスペンス要素を混ぜる。

 それでいいじゃないか。

 何を考えて無駄に芸術性の高い映画を撮ってしまったのか、何故ゾンビでそんな事しようと思ったのか、そこんとこ撮った奴に小一時間ほど問い詰めたい、そんな内容。

 映画自体は丁寧に撮ってあるし、演技だとか演出だとかかなりレベルが高い。
そして何よりもまるで『バイオハザード』みたいに、戦うヒロインのサバイバルホラーみたいな売り方をした配給会社に対して腹をたてている(笑)

 看板に偽りありって、四文字熟語になって異国に伝わって後世に残るぐらい荒れます(`・д・´)

 う~ん、映画の個々のスペック自体は高いが、いったいどういった層に向けられた作られたのか、いまいち分からない作品でした。

 しかし真面目なB級映画をどこのレーベルで流すかもけっこう重要な問題な気がします。
一応かのアルバトロスがエロい、グロイ、下らない」の三拍子揃ったバカ映画を配給しているついでに、「暗い、辛い、オチがよく分からない」の三拍子揃ったシリアスな映画も配給している。
 アルバトロスは真面目な映画は一応「これは真面目な映画ですよ~」、てな雰囲気出してた気がする。
 この映画も「真面目な映画ですよ~」、やっててくれればまた違う評価になった気がします。

 監督はなんというか「胸が張り裂けそうな感じ」の映像を撮るのが物凄く上手い。ゾンビ物よりも戦争だとか事故が題材のヒューマンドラマを撮った方がいいのでは?
 映像は綺麗なので、変なホラー映画じゃない作品をにした方が良かったと思う。

 

 

 

 

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡ 4/10
キャラクター………〇
・キャラクター造形はしっかりしている。
・役者の演技も上手い。

ストーリー………✖
・おおいに不満が残る。
・理由は前述↑

カメラ・演出とう………〇
映像は綺麗。しかしホラーやアクションではない画の撮り方。
・詳しいことは前述。

怪物……△
・ゾンビです。ゾンビとしか言いようがない、いつもの奴らです
・走るタイプの奴らです。

その他・印象に残ったところ
・画の撮り方や役者の演技はまとも。
・地味な静かな映画。
・ホラーやアクション、パニック映画ではなく、もっと高尚な芸術性の高い映画。
・どう考えても配給会社によるプロモーションミスとしか思えない内容

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