本日紹介する作品は「ヘレディタリ― /継承」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ヘレディタリ―/ 継承」
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:127分
・原題:「Hereditary」 ※PG-12
※「Hereditary」=①〔性質・病気などが〕遺伝性の、遺伝的な、②〔習慣・考え方などが〕親譲りの、先祖代々の、③〔財産・権力などが〕世襲の、等の意
・監督:アリ・アスター
・脚本:アリ・アスター
・音楽:コリン・ステットソン ・撮影:パヴェウ・ポゴジェルスキ
・出演:トニ・コレット/ガブリエル・バーン/アレックス・ウルフ/ミリー・シャピロ/アン・ダウド……etc.
※主人公のアニーを演じるのは「シックス・センス」「アバウト・ア・ボーイ」でも酷い目に遭うママさんを演じていたトニ・コレット。
息子のピーター役に「ジュマンジ・ウェルカム・トゥ・ジャングル」で“ロック様”にクラスチェンジする役どころだったアレックス・ウルフ。夫役にガブリエル・バーン。
娘役には、本作で俳優デビューのミリー・シャピロ。
予告編
「ヘレディタリ― /継承」:あらすじ
「ミニチュア模型作家として活動しているアニー(トニ・コレット)の母親・エレンが亡くなった。
秘密主義者で支配的だった祖母を家族はよく思っておらず、アニーをはじめとして、家族に悲しみの色はない。ただ、末っ子のチャールズ(ミリー・シャピロ)だけが、祖母の死に敏感に反応していた。
アニーは、夫(ガブリエル・バーン)に内緒でカウンセリングの教室に通っていた。なぜなら、アニーの父親は重度の鬱で食事が摂れなくなり餓死、兄は妄想的な被害妄想で苦しみ自殺。アニー自身も夢遊病の気があり、自分の家計は精神疾患を起こしやすいのではないかと、危惧しているからだ。
そんなある日、息子のピーター(アレックス・ウルフ)が、クラスメートの主催するパーティーのために車を借りたいと言い出す。
アニーは、落ち込んでいるチャーリーを気晴らしに一緒に連れていくのなら、OKだと交換条件をだす。
しかし、このアニーの気遣いが全ての悲劇の始まりだったとは、この時の家族は想像だにできなくて……」
死んだ祖母は、いったいなにを遺したのか?
「恐ろしいもの」を「継承」した家族の運命は?
「ヘレディタリ― /継承」:感想/ネタバレ少有
「ここ50年で一番怖い!」なんて宣伝文句が使われている本作。近くでやってなかったから、DVDでやっと鑑賞出来た。
どうでもいいが、宣伝文句もどんどん大げさになって、遂に頭打ちになった感じだ。
その内ボジョレーヌーボーみたいに、宣伝文句を並べていくと「???」何が何だか分からなくなること必須だろう。
(で?いつのボジョレーが一番美味いんだい?)
監督は、本作がデビュー作である、アリ・アスター。
デビュー作から高すぎる評価を得ると、次作が怖い。
計算された映画/理屈っぽさ。
「妙に理屈っぽい映画の撮り方をする人だな~」というのが、第一の印象。
冒頭、ミニチュアの家をロングからゆっくり近づいていく。近づくと部屋が実際の子供部屋にチェンジ。そこから物語が始まるわけだが、常に一定の距離感・「作り物めいた」構成をずっと維持している。
主人公の職業が、ミニチュア作家なのも、この視点・距離感も計算されつくしたもので、名何者かが、この家族を配置し、管理しているかのような印象を受ける。
視聴者が感じた違和感は、物語が進むうちに徐々にはっきりしていき、パーティーの帰り道で起こった「悲劇」をきっかけに、一気に加速していく。
そして、いったい誰が、主人公一家を管理し操っているのか。また、どうしてそんな事をするのかが描かれていく。そういったものが、理屈っぽいといいますか、計算されつくした感じがして、個人的にはあんまり怖くなかったかな~。
その「カチッとした作り」が、本作のオカルト的な恐怖の源泉とあんまり合ってないような気がするんですよね。
オカルト的な怖さ、「霊」だとか「悪魔」ってのは、正体不明でわけがわからないから「恐怖」の対象であり得るわけで、本作みたいな「理屈っぽい」「カチッとした」撮り方だと、打ち消しあってあんまり怖くないんじゃないかな~、と僕は思うわけです。
むしろ、トニ・コレットの顔芸のが面白い怖かったよ。ここまでの顔面崩壊芸を見せられたら笑わない方が失礼だよ(よく分からに理屈)
この計算されつくした撮り方と、トニ・コレットの顔芸が本作のいい所と、悪い所を兼ねている。なんにしろ、本作の最大のセールスポイントなのは間違いない。
何を「継承」したのか?
本作では、平和な家族が「継承」したものによって崩壊していく様が描かれている。
全体的に、計算されつくしたカチッとした作りだが、怖がるべきなのか、笑うべきなのかよく分からない。
(管理人個人の感想です)
終盤の、ぼおおおおおおお、「うぎゃぁぁあぁあああぁぁ!」からの、全力疾走、ああ、これは夢なんだ、起きなきゃ…(ぺしぺし)からの、ギコギコギコギコ……の一連の流れなんてギャグに見えなくもない。ついでに裸族が、にこやかに手を振るもんですから、観ているこっちの腹筋は崩壊である。
ただし、「ギコギコギコギコ…」の下りは、音をよく聞いていると、何かが転がる音もちゃんとするあたりが、やっぱりホラーなのかしらん?
つーか、ばあちゃん、なんて物遺してくれたんだよ……。
「死んだ祖母には、別の顔があって、祖母が遺したものが家族に襲い掛かる」といったお話。冒頭から、「作り物めいた家族」の違和感があるが、それが最悪な形で顕在していく。
そもそも、トニ・コレットと、ガブリエル・バーンの息子がアレックス・ウルフってそりゃ、もう違和感ありありよ。
感想まとめ。
なんだかんだ言って、本作は面白かったです。
普段、「これは映画なのか?」なんて物をいっぱい観てるもんだから、久しぶりにまともなホラー作品を評価してみようと欲すると、言葉が出てきませんね。
男子学生の一人暮らしで、ジャンクなもんばっかり喰ってると、たまに食べるおふくろの料理がなんでも美味く感じるのに似ているような、なんかそんな感じです。劇場公開されるホラー作品には、実家のような安心感を見出してます。
あんんまりネタバレしないように書いたら、なんだか意味不明な文章が並んでいますが、本当にこんな感じなんです。
気になる方は、一度観て下さい。
総評・感想まとめ
総評:☆☆☆☆☆☆☆ 7/10
●【よかったところ】
・計算されつくした撮り方
・トニ・コレットの顔芸
・唐突に入るグロ映像・ショッキングな映像。
●【悪かったところ】
・計算されつくした撮り方
・トニ・コレットの顔芸
・唐突に入るグロ映像・ショッキングな映像。
●雑多な感想
・ミリー・シャピロの瞳が綺麗。
・大げさな演技に笑ってしまう。いや、怖いのは本当だよ。
・クライマックスの「ギコギコギコギコ…」の下り。どうでもいいけどその部屋天井高いな。
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