今回紹介する作品は「ローンウルフ~真夜中の死闘~」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ローンウルフ~真夜中の死闘~」
・製作年:2014年
・製作国:アメリカ
・上映時間:96分
・原題:「Late Phases」
・監督:アドリアン・ガルシア・ボクリアーノ
・製作:マリク・アリ
・脚本:エリック・J・ストルツェ ・音楽:ヴォイチェフ・ゴルチェフスキ
・出演:ニック・ダミチ/イーサン・エンブリー/ランス・ゲスト/エリン・カミングス/ルターニャ・アルダ/ティナ・ルイーズ/ケントリオン・オビーニ……etc.
予告編
「ローンウルフ~真夜中の死闘~」:あらすじ
盲目の元軍人のアンブロースは、盲導犬のシャドーと共に、とある老人向け居住区域に引っ越す。
妻を亡くしてから、気難しくなったアンブロースは、新しい環境に上手くなじめずにいた。
そんなある夜、隣人の老婦人デロリスの部屋から悲鳴が!
駆け付けるアンブロースだったが、デロリスとシャドーは、何者かに殺されてしまう。
愛犬を殺されたアンブロースは、独自に犯人捜しを始めるが……。
「ローンウルフ~真夜中の死闘~」:感想/ネタバレ有
盲目の老人が狼男と死闘を繰り広げる映画です。
同時期に話題になった「ドント・ブリーズ」に便乗して出された作品です。
さて、話題作に乗っかる気満々の作品ですが、その出来の方は……?
漢一匹、死に場所を求めて
怪物映画として観るとやや退屈で評価に困るが、ヒューマンドラマとして観るとそこそこ観れる類の映画です。
「男の生き様」and「人と人との絆」を描いている映画で、ホラー要素とサスペンス要素はおまけです。
そんな訳で、怪物映画を期待してみるとがっかりする。
作品のテーマとしては「頑固な老人が”自分の死に場所”を求めて狼男と死闘を繰り広げる」というプロット。
盲目の元軍人アンブロースのキャラクターは、しっかりと掘り下げて描かれていた。しかし、ホラー映画としては、いささか地味である。
怪物の出番が少ない上に、思いっきり着ぐるみなんだよね…。
この映画は、「狼男=満月の日に理性を無くして襲ってくる」といった伝統的な構図に従って作ってある。
そのため狼男の出番が、劇中で満月である、開始15分と終盤に集中してしまい、それ以外は主人公の盲目の老人アンブロースを、中心としたヒューマンドラマが描かれる。
そのヒューマンドラマが、丁寧に作ってあるが長い。
そこに、中途半端なサスペンス要素を、ホラーテイストでねじ込んで来るものだから、どんな作品にしたいのかブレてしまっていたと思う。
そのサスペンス要素が、いかにもなミスリードを狙っている上に、最終的にぶん投げていてあまり機能していない。
そのため、観賞している人には、謎解き要素よりも、アンブロースが周囲に嫌われて孤立していく様子ばかりが印象に残ってしまい辛い。
次の満月に向けて戦いの準備をするアンブロース。
家じゅうの間取りを頭に叩き込み、銀の銃弾を作り、腕立てにスコップ格闘術の練習。その辺のシーンに妙な味わいがある。
対するは、着ぐるみ狼男
そして遂に訪れる満月の夜。いかにも犯人じゃないかと描かれていた人物は、結局ただの人間で狼男は別の奴。
狼男に変身するシーンは面白かったが、変身が完了したらいつもの着ぐるみ。
正直、ちょっとかわいい。
その狼男がまた微妙な戦闘力である。
変身前が、高齢ってのもあるだろうが妙に弱い。
「プレスリーVSミイラ男」ほどグダグダではないが、相手が老人だと怪物も弱くなるらしい。
アンブロースが準備万端で待ち構えていたにしても、狼男がちょっと弱すぎるかなぁー(`・д・´)
何よりも、怪物としての狼男よりも、変身する前の人間の時の方がキャラが立ってるときたら、もういったいどういった評価をしていいものか困る……(;´Д`)
盲目の老人という点では「ドント・ブリーズ」と被るが、こっちはあまり盲目要素が活かされてないと思う。
あっちの盲目爺さんは、盲目だからこそ、侵入者の若者よりも暗闇で有利に動ける設定だったが、こっちはただのハンデでしかない。
狼男側の視力を奪って…という事もなく、いまいち主人公を盲目にする意味が分からない。
その分嗅覚が異常に鋭い設定があったが、その設定が脚本に完全に殺されていていったい何がしたいのかいまいち分からない作品だった(*・ε・*)ムー
とりあえず、男の修行シーンは、白のタンクトップで床の上で腕立て伏せやらせとけという風潮……一理ある。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡ 4/10
●キャラクター………○
・アンブロースのキャラは立ってたと思うが、盲目設定はいるのだろうか?
・↑似たような映画の便乗作品に思えてしょうがない。
●ストーリー………△
・ヒューマンドラマパートは良かったが、やや退屈。
・男の死にざまを描いた作品。
●カメラ・演出とう………○
・闇夜の表現は良かったと思う。
・
●怪物……△
・着ぐるみ狼男にほっこり。
・案の定、あんまり出てこない。
●その他・印象に残ったところ
・出番は少ないが盲導犬シャドーの忠犬ぶり。
・アンブロースが嫌われていく様がやたらと丁寧に描かれている。辛いです。
・腕立て伏せ。
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