「マット・ダディ」紹介&感想 ~ニコラス・ケイジとセルマ・ブレアが狂った親を熱演!!~

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スリラー

本日紹介する作品は「マット・ダディ」です。

「家族の絆が一番大事」なんてハリウッドの金科玉条に、思いっきり喧嘩売ってます。

この作品はこの作品で「家族の絆」を描いているんだと思うよ。

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作品情報・スタッフ・キャスト

「マット・ダディ」
製作年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:85分
原題:「MOM AND DAD」

監督:ブライアン・テイラー
製作:クリストファー・ルモール
製作総指揮:ジェリー・ハウスファター
撮影:ダニエル・パール
出演:ニコラス・ケイジ/セルマ・ブレア/アン・ウィンターズ/ザカリ―・アーサー/ランス・ヘンリクセン……etc.

予告編

↓※予告編はネタバレ多め。観ない方が楽しめます。

ある日突然、パパとママが狂いだす! 『マッド・ダディ』 予告

「マット・ダディ」:あらすじ

≪殺したいほど愛してる。愛してるから殺したい! ある日突然、日常は崩壊する!!!!!!!!≫

それはブレント(ニコラス・ケイジ)にとっていつもと変わらない朝だった。いつもと変わらない日常
。若い頃に思い描いていたのとは全く違う冴えない日常だけど、結婚して十数年、2人の子供にも恵
まれ「幸せなんだ、コレでいいんだ」と自分に言い聞かせて暮らしている。いつものように会社へ行
きダラダラと仕事をこなしていたが、その日のテレビはいつもと違っていた。親が実の子供を殺害し
たという陰惨なニュースがひっきりなしに報じられているのだ。国中がパニック状態に陥る中、愛す
る子どもたちの身を案じるブレントは、仕事を早退して帰宅。良かった、子供たちは無事だ。しかし
、愛しい我が子の顔を見た瞬間、彼の中で何かがはじけ飛ぶ――。この子たちを殺さなければ! ! ブレントは正体不明の殺意に突き動かされてゆく!

~Amazon作品紹介より抜粋~

↑ストーリーはあってないようなもの。

「ある日、親たちが狂って我が子を殺し始める」なんて狂った作品。

何かストーリーがあるわけではなく、原因も陰謀もない。

むしろ、それ自体がミソで核心

そんな作品。

「マット・ダディ」:みどころ

「ある日、親たちが突然我が子を殺し始める」というとんでもないストーリー。

「愛こそすべて」「家族は一番大切」といった、ハリウッドの金科玉条を粉々に吹っ飛ばす作品だ。感動系の作品すべてに喧嘩売っているかのような作品だが、本作自体が「家族の絆」を別の角度から再検討した作品とも言えるので、これはこれで「家族サーガ」なんじゃないかと。

 

ニコラス・ケイジセルマ・ブレアの狂った演技が最高です。

なんだか知らないけど「子供を殺せ!」とあの手この手で作戦を実行する様は笑えてくる。夫婦の絆です。

さらに、終盤乱入して来る、B級映画の名プレイヤー、ランス・ヘンリクセンの笑顔にあなたはきっと癒される事でしょう。

「エイリアン2」でみせた華麗なるナイフさばきが、久しぶりに観れます(笑)

「マッド・ダデイ」:感想/ネタバレ有

冒頭の70年代風の、レトロ感漂うお洒落なタイトルバックで、まずテンションが上がる。
ニコラス・ケイジセルマ・ブレア演じる中年夫婦が「夢は叶えたけどなんか違う」「あの頃思い描いていたものとは違うけど、きっと幸せなんだ」と述懐する様は胸にくる。
平凡な幸せを手に入れたはずなんだけど、子供たちは日増しに憎たらしくなり……と、いうのはあんまり関係なくて、もう「マッド」になっちゃう訳だ。

原因はさっぱり究明されないが、テレビの画面が砂嵐になった後、親たちの目が虚ろになている描写アリ。

「マッド・ダディ」:現代の寓話。

「ある日、親たちが、自分たちの子供を殺し始める」そんな狂った内容が本作である。
劇中、何度も何度も「子供の頃思い描いていた幸せとは違う」「今じゃ、僕も君も“パパ”と”ママ”だ」みたいな台詞が出てくる。
子供たちとのディスコミュニケーションや、若さへの嫉妬が原因なのか。行き過ぎた若者讃美が裏返っての殺意だろうか。

劇中では、一切原因に触れない。

「親による子殺し」が何かの寓話になっているかと言えば、具体的な例は出てこない。
どこかの国では、若者を使い捨ての派遣社員ばっかりにしているが、アメリカでは軍隊か?

そういうのも、間接的な「親による子殺し」かもしれない。

しかし、本作はとんでもない内容な割には、どこかゆるいんですよね。
病院の新生児室みたいに、ただ父親が我が子を見ているだけで、ゾクッとする、笑えないシーンも所々にあるが、えてしてゆるい。

あんまり真剣に考えちゃいけない作品かもしれない。考えるな、感じろ。

前半は、学校や病院など街の中の事が描かれているが、後半は家の中で「ホームアローン」状態の攻防劇が描かれる。ただし、襲ってくるのは泥棒ではなくて、両親。

「家族」をテーマにした作品だから「家」が舞台になるのは、半ば必然である。

そこで行われるドタバタ劇……というには、命懸けである。
終盤に笑顔で登場したランス・ヘンリクセンが、サクサクサク……とえげつない攻撃をしてくる様には笑った。
B級映画に出続けた男からの、B級映画地獄に堕ちてきたニコラスに対する激励ともとれる
「この界隈(B級映画)は甘くないぞ」
、とうランス・ヘンリクセンからのありがたいメッセージである。

車の天井越しに、吹っ飛んでいくおばあちゃんを始め、変な顔には事欠かない映画だった。
万能ノコギリ片手に「万能ノコギリはなんでも切れる…」キチ○イ顔で嬉しそうに語る、ニコラスが素敵過ぎる。
「マンディ 地獄のロード・ウォーリア」ではチェーンソーに夢中だったが、今回は万能ノコギリである

お前ら、ニコラス・ケイジをどうしたいのさっ!

 

感想まとめ】

全体的に俳優の狂った演技が愛おしい作品です。
頭のおかしい人しか出てきません。

世代間格差だとか、文化の断絶だとか、そういったものを描いた新しいタイプの寓話かもしれませんが、難しい事は考えずに、ニコラス・ケイジセルマ・ブレアの狂った夫婦共同作業を見守りましょう。

オチは投げっぱなし。
「家族の問題にオチ・終わりなんてないのさ!」
そんなメッセージかもしれない。

 

総評・感想まとめ

総評:☆☆☆☆☆☆ 6/10
●【よかったところ】
・ニコラス・のキチ○イ演技。セルマ・ブレアも、ニコラスとは違う方向で狂っていてグッド!
・全体的にゆる~いようで、それでも確実に狂ってる感じが良かった。
・笑顔で登場するランス・ヘンリクセン。ここで大御所の登場である

 

●【悪かったところ】
・回想シーンを挟んでテンポを悪くしている。意図的だろうか?
・現代の寓話なのか、ホラーなのか、ギャグなのかよく分からない(笑)
・オチが投げっぱなしジャーマン。

 

雑多な感想
・なんで、最近のニコラス・ケイジはマッドな役ばっかりなんだろう?
「万能ノコギリはなんでも切れる…」、チェーンソーに引き続き、万能ノコギリである。
・↑ニコラス・ケイジに、変な属性を付与したい勢力がいるらしい。応援します
・車の敗れたボディ越しに、ばあさんと目が合うシーンは笑った。
・炎なんて浴びたら、残った髪の毛が……。

 

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◇ニコラス・ケイジがチェーンソーに夢中な作品のレビューはこちら↓

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