今回紹介する作品は「ロード・オブ・モンスターズ」です。
キャチコピーは「地球の[支配者](ロード)が、決まる」です。
誰か「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のパチモン作品を作るだろうなー、と思っていた。やっぱり出て来た。製作は安定のアサイラム。
パッケージからして、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」にそっくりである。
(ちなみに、※「パッケージはイメージです」てな感じだ)
アサイラム作品で、監督がマーク・アトキンスという時点で明るい未来は見えないが、あえて地雷を踏んでみる。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ロード・オブ・モンスターズ」
・製作年:2019年
・製作国:アメリカ
・上映時間:90分
・原題:「MONSTER ISLAND」
・監督:マーク・アトキンス
・製作:デヴィッド・マイケル・ラット ・音楽:クリストファー・カノ
・出演:エリック・ロバーツ/クリス・フィッシャー/トシ・トダ/エイドリアン・プーシェ/ナタリー・ロビー/ドナ・コーマック・トムスン/マーゴット・ウッド/ジョナサン・ピーナー……etc.
※キャストの半分ぐらいは、監督の前作「シックスヘッド・ジョーズ」で見たような顔である。
予告編
予告動画のキャッチコピーが「ゴジラは忘れろ!」なのには笑った。
「ゴジラ」以外にも「パシフィック・リム」の怪獣に似ている気がする。
最初から最後まで他人のふんどしを当てにしているのは、いつもの事です。
「ロード・オブ・モンスターズ」:あらすじ
伝説の巨大怪獣が地球の覇権を懸けて戦いを繰り広げる大怪獣アクション。深海発掘ロボットが消息を絶ち、調査に向かったフォードとサラが見たのは海底火山により覚醒した巨大怪獣だった。マグマをエネルギー源とする怪獣は地上の火山を目指し始め…。
~「キネマ旬報社」データベースより抜粋~
とりあえず、「大怪獣アクション」の文字は当てにしない方がいい。
「ロード・オブ・モンスターズ」:感想/ネタバレ有
「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」が公開された時点で、「まぁ、作るだろうな」と思ったよ。店頭でパッケージを見た時も「やっぱり」と思ったよ。
安定のアサイラム、監督は「ビーチ・シャーク」「シックスヘッド・ジョーズ」とう、変なサメ映画ばっかり撮ってるマーク・アトキンス。
絶対ダメだろうな…と思ったが、新作で借りてきました(義務感)
正直な感想としては、「雑」です。
この監督、作品を撮る度に、良くなるどころか雑になっている気がする。今回は、いつもに輪をかけて予算がない感じがします。ロジャー・コーマン監督リスペクトもたいがいにしとけよ……。
だいたいこんなお話だ:「爆撃ヲ、ヤメナサーイ!」
南太平洋のケルマンディック海溝。そこではベンシック社の無人探査機=ロボットによる鉱山資源の探査・発掘が行われていた。
ロボットによる海底に眠る鉱山資源の発掘は、史上初の快挙になるはずだった。
しかし、ロボットは奇妙な映像を残して、行方不明になってしまう。
ベンシック社社長のビリー・フォードは、探査機のスタッフであるシャリーズとライリーを連れて回収に向かう。船で海洋調査官のサラ・マーレイと合流した一行は、海底を目指す。
そこで見たものは、ヒトデに似た巨大な生物だった。
あろうことか潜水艇は、海上浮上した怪獣の上に座礁してしまう。
海軍が攻撃を加えるが、びくともしない。
さらには、怪獣の体液が煮えたぎるマグマだということも判明する。
なんとか脱出する主人公たち。
軍に怪獣の情報を渡すとともに、マーレイの師匠が怪獣の研究のために大学を追われた人物だと判明。
マーレイの師匠とコンタクトを取り、その間に怪獣にドローンによる攻撃を加える。
ひっくりかえって、ダメージを受けたかのように見えたが、なんと卵をそこら中にまき散らす。まき散らされた卵から、ドラゴンのような怪物がたくさん誕生する。
一方、師匠にコンタクトをとったマーレイは、事態の収拾のためには、もう一匹の怪獣を目覚めさせるしかないと聞かされる。
一行は、「モトゥ・タニタ」(怪獣の島)に封印されたもう一匹の怪獣を探しに行くが……。
なんてのが、だいたいのお話。
なんか怪獣と言うよりは、ヒトデです。6本足のヒトデ。鉱山資源を喰い散らかして、血液は溶岩。子どもは何故かドラゴンぽくて、炎を吐く。
「どんな生態やねん…」と思っていたら、終盤ヒトデから羽が生える。飛んでもう一匹の怪獣に攻撃を加える。
……わけがわからないよ。
ここで、オープニングでチラッと出てくる怪獣のシルエットは、二匹の怪獣が組み合った姿なのが分かる仕掛けがある。……う~ん、どうでもいいな!
あと、「怪獣」=「日本」なのか知らないが、怪獣を攻撃している軍隊に、なぜか自衛隊が混ざっている。唐突に入る日本語通信。
当り前の様に、日本語で返す主人公の仲間。
「爆撃ヲ、ヤメナサーイ!」の下りで吹いた。全力で視聴者の腹筋を攻撃してくる。
絶対その台詞しか練習してないだろう!
それでいて、渡辺謙のポジションの怪獣に詳しい、元大学教授にアジア系を持ってこない。そこは、海軍の副官役で出てきた、アジアンなおっさんでよかったんじゃないだろうか?
ちなみに、劇中では、件のモンスターズのことを「かいじゅー」と日本語で読んでいる。その辺りも変な感じがする。
マーク・アトキンス:撮る度に、映画が雑になる男。
監督はマーク・アトキンス。
「シックスヘッド・ジョーズ」や「鮫の惑星 パシフィック・ウォー」など変なサメ映画を撮っている、アサイラム監督の一人である。サメに変なイメージを付けている戦犯の一人。
なんとなく、予算の使い方が偏っているイメージがある。
比較的気合いれて怪物を撮るが、その反動で後半になるほど、適当なシーンが増えるイメージがある。
今作では、いつもに増して”雑”な感じがした。
とにかく、怪獣はほとんど出てこず、登場人物のどうでもいい会話シーンで尺を稼いでいる。
その辺はいつもの事なんだけど、今作はいつもより雑なんだよ。
設定だとか、ストーリー展開だとか、CGや、破壊シーン、全てが雑。
凄く、やっつけで撮った感じがする。
いつもよりも予算が少なかったんじゃないだろうか?
画面にも最低限の人数しか出てこないです。
映画のインパクトも「地面を泳ぐサメが襲ってくる」だとか、「伝説のサメ使い」などの比べると、出オチ感弱い気がする。
予想よりも、はるかに雑な作りだったんでがっかり。雑な作りに関して、こっちも”雑な感想”しか出てこない。怪獣もあんまり出番ないです。
ただ、この”雑な感想”を誰かと共有したい気がするが、間違っても新作で借りてくるのはやめたほうがいい。
やっぱりアサイラムは、サメのCGが使いまわせる作品じゃないと、ダメなんじゃないかな?
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡ 3/10
●キャラクター………
・どこかで見たようなキャラクターを、どこかで見た役者が演じている。
・演技も雑な感じがした。
●ストーリー………△
・最初から最後まで、どこかで見た話しのオンパレード。
・設定や展開は色々と雑である。
●カメラ・演出とう………△
・凄く低予算映画っぽい出来だった。
・CGはいつもに増して酷かった。
●怪物……△
・生態が謎の生き物なのは、いかにも怪獣ぽい。
・オチを含めて始終雑に扱われて残念である。
●その他・印象に残ったところ
・思いついた使えそうな設定は、とりあえず出すらしい。
・日本語通信の下りは、日本人ファンへのサービスだろうか?
・オチが唐突に感じた。
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