「オペレーション・ラグナロク」紹介&感想 ~スウェーデン産の、ゾンビ×社会問題×政治劇~

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ゾンビ・感染系。

今回紹介する作品は「オペレーション・ラグナロク」です。

スウェーデン産のゾンビ映画。ただし、ゾンビよりも移民問題にスポットを当てた社会風刺の強い作品

配給はクロックワークスです。

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作品情報・スタッフ・キャスト

「オペレーション・ラグナロク」
製作年:2018年  
製作国:スウェーデン  
上映時間:108分 
原題:「OPREATION RAGNAROK」

監督:フレデリック・ヒラ―
脚本:フレデリック・ヒラ―  

出演:ジョナス・マルムショ/ヨーナス・マルムフェ/ぺータル・エガース/ペール・ラグナー/バハール・パルス/ハフポル・ユリウス・ビョルンソン……etc.

予告編

ゾンビと軍に包囲された中で生き延びろ!『オペレーション:ラグナロク』DVD予告

「オペレーション・ラグナロク」:あらすじ

アメリカ西海岸での極秘任務を終え、帰港目前だったスウェーデン海軍の潜水艦シーライオンが、南岸の港町ランズクルーナへ漂着した。地元の男性ハンスは衝撃音を聞き、埠頭へと急行すると、潜水艦に積まれていた生物兵器に感染しゾンビ化した人々が殺しあう光景を目の当たりにする。感染の拡大を恐れたスウェーデン軍により町はすでに包囲されていた。軍は町ごとすべてを焼き尽くす“ラグナロク作戦”の実行を決定した…。

~Amazon作品紹介より抜粋~

 

「オペレーション・ラグナロク」:感想/ネタバレ有

スウェーデン製のゾンビ映画。スウェーデンだけなら「珍しい」の一言で済むが、配給がかのクロックワークス。「アート系の小難しい話」が大好きなクロックワークスである。
「ゾンビ物」「クロックワークス」のミスマッチが、観る前から不安にさせる。

ちなみに、管理人のイメージとしては、

例① 「世界滅亡の危機」
 アルバトロス:「ご近所の危機。現場でドタバタ」
 クロックワークス:「世界レベルの危機。俯瞰的な位置から政治劇」

例② 「美人博士」
 アルバトロス:「美人(?)博士」
 クロックワークス:「美人博士に、本気で真面目な話をさせる」

みたいなイメージがある。
「アルバトロス」とは違うベクトルで、視聴者の期待を裏切ってくれること間違いなしである。なんと言いますか、「予告編詐欺」の方向性が違うのである。ただし、アルバトロスとは違い、映画の機材・撮影技術、役者の演技はレベルが高いイメージだ。

しかし、アート性の高い、小難しい話を持ってくるため、気軽に他人に勧めにくい感じである

ゾンビの出てくる「政治劇×社会風刺」

開始早々、本作のテーマが浮かび上がる。

怪物は存在するがより危険なのは人間である プリーモ・レーヴィ

~本作のオープニングより~

案の定、「ゾンビの出てくる社会問題(移民問題)を扱った作品」であり、基本的に政治劇×陰謀劇みたいなお話。生物兵器(ゾンビパンデミックの原因)をめぐる政治劇・陰謀劇に力を入れている。

そんなわけで、ゾンビとドンパチするよりも、主人公一家と隣に住んでいる移民一家を中心に、「対立と融和」を描いている。
主人公の妹と、移民一家の次男の関係は、まんま「ロミオとジュリエット」であり、その辺はコテコテのメロドラマである。

政治劇×陰謀劇の話が、なかなか入り組んでおり、普段ハリウッド製の「分かりやすい話」ばかり観ている管理人としては、ちょっと理解するのが大変だった。
また、その幕の引き方も、一言でいい悪いと言い表せないような、モヤっとした結末なのも、印象的だった。
ともかく、ハリウッドでは絶対にやらないストーリー展開だと思う。

その辺りが、新鮮で考えさせられる。

そういった

移民がテーマの「ゾンビ×社会風刺」といった作品は、ちょっと前に紹介した「ラスト・ドア」と被る。ただし、結末は、かなり隔たりがある。

本作におけるゾンビのでき。

ゾンビのメイク&数は気合が入っていたと思う。ただし、このゾンビ、武器は使う、言葉もちょっとは通じるという、変な設定である。中途半端に知性があるせいで、銃を見せると、ビビッて散っていくのが、なんだか拍子抜けである。
やっぱり「ゾンビもの」ではなく「社会風刺」に力を入れているんじゃないかと思う。

「移民問題」「民族対立」のメタファーとしての、ゾンビパンデミックという、やっぱりアート系の小難しい話だったような気がする。

数少ない戦闘シーン自体は、けっこうレベルが高いし、面白いアイデアを使っていた。古い城塞でゾンビを迎え撃つシーンや、銃の他にシールドで武装した特殊部隊の接近戦は、かなり燃えるものがあった。こういった戦闘シーンがもうちょっと多かったならと思い、残念だ。

 

まとめ。

よくも悪くもクロックワークス配給ですよ。撮影技術や予算、俳優の質はそれなりに高い。
ただし、シンプルな「ゾンビに銃弾をぶっこめー!ヒャッハー!」なんて映画、もしくは「ゾンビの出てくるホラー映画」を期待している層は観ない方が賢明だと思う。

どうでもいいけど、「オペレーション・ラグナロクを発動する!」みたいな台詞は一度言ってみたい。どんな人生を歩んだら、そいうった台詞を言うシーンに出くわすのか、イマイチ分からないが、言ってみたい。
高そうなスーツを着て、深刻ぶった顔して言ってみたい。そんな自分の中の厨二にビンビン来るワードだと思う。

( ゚Д゚)<「オペレーション・ラグナロクを発動する!」

 

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡♡ 5/10
キャラクター………〇
・メインキャラクターは全員キャラが立っていた。
・主人公のニルスは、典型的なマッチョななんだが、北欧系の陰のある俳優が演じているため、そんなに単純な男には見えない。

 

ストーリー………〇
・ゾンビものよりも、政治劇・社会風刺中心である。
・メッセージ性とアート性は強い。

 

カメラ・演出とう………〇
・撮影技術や役者の演技は、それなりに高い。
・時々、妙にシュールな画がある。

 

怪物……〇
・言葉と銃が使えるゾンビです。メイクは気合が入っている。
・↑なにかの社会風刺であり、ゾンビホラーを期待すると裏切られる。

 

その他・印象に残ったところ
・安定のクロックワークス作品。
・もうちょっと戦闘シーンが欲しかった。
・「オペレーション・ラグナロク」の厨二感。

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