今回紹介する作品は「ピラナコンダ」です。
作品情報・スタッフ・キャスト
「ピラナコンダ」
・製作年:2012年
・製作国:アメリカ
・上映時間:87分
・原題:「PIRANHACONDA」
・監督:ジム・ウィノースキー
・製作:フレスト・キング ・脚本:マイク・マクレーン ・音楽:アル・カプラン
・出演:マイケル・マドセン/レイチェル・ハンター/シャンディ・フィネッセー/リヴ・フィリス/
予告編
「ピラナコンダ」:あらすじ
「ハリウッドの映画撮影隊が、B級映画撮影のためハワイを訪れる。
しかし、そこには全長30メートルの巨大な怪物”ピラナコンダ”と、映画の主演女優を、身代金目的で誘拐しようとたくらむ武装強盗団が待ち構えていた。
そこに、”ピラナコンダ”の生態を解明しようと心血を注ぐ、大学教授のラブクローブ博士(マイケル・マドセン)も関わって、事態はより昏迷さを増していく。
南国の楽園を舞台に惨劇の幕が切って落とされる…」
感想/ネタバレ有
監督がジム・ウィノースキーって時点で色々とお察しである。
相方のフレッド・オーレンレイと合わせて、ロジャー・コーマン組の筆頭弟子筆頭である。
師匠譲りのしょうもない作品を撮っていることで、一部の映画ファンには知られている。
出演者&キャスト
先ずは出演者から。
俳優のマイケル・マドセン。
ジョニー・デップと共演した、『フェイク』ではアルパチーノのライバルのマフィアを、『スピーシーズ~種の起源』では、エイリアン美女を追うチームの火器担当などを演じている。
B級映画でマフィアや傭兵などの強面役でよく出てくるお人。
役割的にダニー・トレホとかぶる。
(実際にいくつかの映画で共演してます)。
今回は生物学者で”ピラナコンダ”の生態を解明しようとする大学教授のラブグローブ博士を演じている。
探検衣装に眼鏡姿だが、休暇中にジャングル探検ツアーに参加した、マフィアのおっちゃんにしか見えない。
そんなツッコミを入れたくなる視聴者の代わりに、劇中でとある人物に、
「あなたはどう見ても大学教授には見えないわよ」
、と指摘される。
それに対して素敵な笑顔で応えるマイケル・マドセン。
その辺のやり取りが個人的にツボだった。
いつもしかめっ面をしているイメージのあるマイケル・マドセンだが、今回は素敵な笑顔を見せてくれる。
しかしマッドサイエンティスト役なのだが、全くマッドサイエンティストに見えないのが欠点。
こういったミスマッチ過ぎて、笑いが起きるレベルのキャスティングも、B級映画ならではのお遊びかもしれないと前向きに考えておこう。
清々しいまでにB級映画
続いて、清々しいまでにB級に徹してるところに触れたい。
ジャングルの奥地に棲む伝説の怪物、謎の武装集団、父親を殺されたのがきっかけで怪物を追う大学教授、さも当然のように出てくる二匹目の”ピラナコンダ”と、物語を作る上に必要な様々な要素が揃っている。
しかし、どの要素も全く活かすつもりなどないらしく、全部適当にぶん投げてあるのがたまらない。
余った尺は薄着の美女が喰われるシーンで埋める。
出番の終わったキャラクターは速攻で退場させる。
人がけっこう死んでいるのに、陽気なBGMでカラッとした雰囲気で仕上げてある。
血飛沫は適当なCG,怪物の特撮は場面によって大きさ、質感が異なる…etcといつものアルバトロスクオリティを存分に堪能できる。
しかし、残念ながら、全体的に低いレベルでまとまっている印象を受けた。
CGや小道具は、予算の都合もあるだろうが、もう少し見せ方でなんとかなると思う。
ストーリーも、もう少し丁寧に、ドラマを回収してもいいんじゃないでしょうか……。
ええ、監督がジム・ウィノースキーな時点でそういった事を期待するのは間違いだろうね。
さらに、劇中で、他のB級映画のパロディをやっていることにもふれよう。
物語に喰われ役として登場する三人組のお姉さん。
どうやら、薬効のある”幽霊蘭”なる植物を探しに来た様子。
そこで蛇の化け物に襲われる………どこかで聞いたようなお話だな~と思ったのは俺だけではないと思う。
そう、あの傑作怪物映画『アナコンダ2』のストーリーが、長寿の薬効がある”幻の幽霊蘭”を探しているうちに、アナコンダの繁殖地に踏み込んでしまうという内容、だったのを思いだした。
”貴重な植物を探しに来たら巨大ヘビに襲われた”、B級映画の中で他の有名B級映画のパロディをやっていてニヤリとできる。
その他に観ていてニヤリとできるところとして、ロケ地が挙げたい。
劇中謎の武装集団が、アジトに利用している廃工場らしき建物があります。
実はこの建物も、よくB級モンスター映画のロケ地に使われていたりする。
確かロジャー・コーマン映画で、何回か爆破されていたような気がしたなぁ~(; ̄Д ̄)。
…怪物映画にも”例のプール”的な建物があったりするんですね……Σ(・ω・ノ)ノ。
強面のマイケル・マドセンに、大学教授役を演じさせるのも含めて、怪物映画のパロディで遊んでいる印象を受けた。
そもそもストーリーが”B級映画を撮りに来た撮影隊が、酷い目に遭う”ってお話だしね…(笑)
『ピラナコンダ』の感想まとめ。
安定のアルバトロスクオリティを堪能できます。
テーマソングの”PIRANACONDA”が個人的にツボ。
iTunesで200円ぐらいで販売しないかなぁ~、どうです?アップルさん?
そういえば何故”ピラナコンダ”なんて名前付けられてるのか、結局納得のいく説明はなかった気がする。
ついでにパッケージには
「驚異のアナコンダとピラニアの合体生物」
、みたいな宣伝文句が書かれていたが、そんなことはなかったぜ!
…別にキメラ生物でもなんでもないですが、そこんとこどうなってんですかね?
…いや、気にしたら負けですね、ハイ。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡ 3/10
●キャラクター………△
・設定のあるわりには活かす気がない。
・監督の師匠である「ロジャー・コーマン方式」を採用しているので、全体的に雑。
●ストーリー………△
・適当である。
・何にも解決しないで全部ぶん投げる。
●カメラ・演出とう………△
・酷い。
・適当。
●怪物……〇
・顔のデザインはナイス。
・ヘビなのに噛みちぎってくる。
●雑多な感想
・安定のアルバトロスクオリティ。しかし、今作は全体的に低い所でまとまってる感じ。
・とりあえず出て来て、喰われて退場していく薄着のお姉さんが拝める。
・いつもと違うマイケル・マドセンが見られる。
・”ピラニア要素”は怪物の顔だけ。
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