今回紹介する作品は「プレデターX」です。
管理人が利用しているレンタル屋は、「ザ・プレデター」の関連作品として、この作品を棚に並べていた。
正気か?
「あのクリストファー・コッポラが監督を務める!」なんて書いてあったら、騙される人がいるんじゃないか?
という事で感想を書いていきます。
ついでにAmazonさんで本作のレビューを見ると、なぜか本家の「プレデター」のレビューが大量に書かれているという怪奇現象。シュワちゃんも玄田哲章ボイスも関係ないからね。
管理人が大昔、mixiでこの手の映画のレビューを書いていた時も、何故か本家「プレデター」のレビューが書かれていたが、そこんとこどうなってんの?
個人的には、なかなかシュールな状況で面白いから、このまま放置でいいかと思う( *´艸`)
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「プレデターX」
・製作年:2004年
・製作国:アメリカ
・上映時間:105分
・原題:「THE CRETUER」/「The Creature of THe Sunny Side Up traile Park」/「Bloodhead」
・監督:クリストファー・コッポラ
・製作:クリストファー・コッポラ/アラン・シルヴァー ・製作総指揮:エリス・メレディス
・出演:アンドレ・ウェア/リンダ・カーター/シャーリー・ジョーンズ/ジム・コディ・ウィリアムズ/スティーブン・ヘデン/フランク・ゴーシン……etc.
※監督のクリストファー・コッポラはあのフランシス・F・コッポラの息子。姉か妹かは知らないが、ソフィア・コッポラも当然親族だ。
本作意外にB級映画を数本撮ってるようだが、あんまりパッとせずに終わったようだ。
予告編
※Youtubeでは公式が見つからなかったので、気になる方は
「The Creature of THe Sunny Side Up traile Park」で検索してみて下さい。
「プレデターX」:あらすじ
「母親の遺産相続で、初めて顔合わせをした父親違いの兄弟。お互いに母親のわずかな遺産を巡っていがみ合う。そんな二人だったが、母親が密かに探していた「どんな願いもかなえる石」のせいで、カルト宗教団体や謎の生物に襲撃される。果たして、二人の運命は……」
まぁ、なんだかよくわからんストーリーです。
大男の白人と黒人の兄弟(共に華のない役者)がひたすらいがみ合って、最後には和解する……といった、「兄弟の対立と和解」なんてわかりやすいテーマは、一応あるが、基本的に何が撮りたいのかいまいち分かんない作品だったよ。
感想/ネタバレ有
よく分かんない作品なんだが、よく見ると映画の細々とした所は悪くない。
・キャラクターの設定も無駄に細かく、それに対応して役者が丁寧な演技をしている。
・物語の背景も丁寧に作ってある。
・出番は少ないし、ホラーな撮り方ではないが、怪物のスーツの出来はいい。
・いわゆる”前フリとオチ”作品の伏線の張り方・回収もちゃんとしている。
・撮影に使われている機材・カメラワーク等はそれなりのクオリティー。
それなのに、すげーつまんねー作品。105分と中途半端に長いのも評価を下げている。
なんでお色気担当に熟女を採用したんだろ? それも「美魔女」ではなく、リアル路線の生々しい熟女。
ヒロインに限らず、ここまで美男美女が一切出てこない作品も珍しい。
もう本当にどこの層をターゲットにしているのか、さっぱりわからん作品だ。
「その通りだよ、人生は時にデタラメだ」~本編台詞より
●本作を大雑把に説明するとこうなる。
「父親違いの白人と黒人の兄弟が、母親の遺産を巡っていがみ合い、その合間に近所の熟女にハニートラップを仕掛けられつつ、いじめられっ子とそれぞれ友情を築きつつ、謎のカルト集団と戦いながら、最後は和解して、エンディングはラップで占める」作品。
「ラップで締めるモンスター映画に名作なし」と、孔子あたりが言っていた気もするが(錯乱)、例によってなんだか微妙な作品。
それを、華のない役者が演じ、砂漠の真ん中の過疎化した殺風景な”トレーラーパーク”を舞台に、いまいちジャンル分けし辛いドラマが演じられる。
全くと言ってもいいぐらい映画に彩りがない。この彩りのなさが、砂漠の片隅に追いやられた「貧しい人々」の悲哀をあらわす……と言いたいところだが、こやつら心まで「貧しい」ので、あんまり感情移入できないと言いますか、「なんだかなぁー」てな感じなんで、たぶん深い意図はない。
もうネタバレしちゃいますが、先ほどの「いじめられっ子」が実は怪物が姿を正体で、最後は操っていたカルト集団を全員溶かした後、兄弟と「ぬるぬるドキドキ☆泥んこレスリング」を演じた後斬首され、いがみ合っていた兄弟が「おまえなかなかやるな!」みたいな感じで握手して終わる。
この「友情を結んだいじめられっ子が、実は敵だった」なんてのも、お涙頂戴のおいしい素材なんだか、本作では、戦うにあたってなんの葛藤もドラマもないので、必然的に「なんだ?これ…」となる。
●本作の見どころ。
・熟女の水着姿をたっぷり堪能する羽目になる。なぜこの人がヒロイン枠とお色気枠におさまっているのか理解に苦しむ。
・途中、死んだかーちゃんの幽霊が登場。「スターウォーズ/新たなる希望」(1977)の冒頭のレイア姫のホログラムぐらいの雑な感じで登場し、ますますこの作品の方向性が分からなくなっていく。
・なんだか知らないが、怪物が妖精のように「キラキラした光を放ちながら」飛ぶ。恐ろしい怪物のくせに飛び方はピーターパン的。
・所々無駄にいい台詞がある。
「X商法」は規制されるべきか?
荒涼とした風景に、華のない役者陣によく分からないストーリーと「B級」を構成する要素は盛沢山。それなのにVFX自体は本家「プレデター」と同じ会社が担当しており、怪物自体はそこそこの出来。
さらに、使ってる機材や、カメラワーク自体はそれなりのクオリティーだったり、本当によく分からない作品だ。タイトルが複数存在するのもポイントが高い。
それらに加えて、有名な映画一族が撮っている事もあり、「Z級映画」「カルト映画」としてのスペックは高いが、人に勧められ映画ではない。
さらに、俗にいう「X商法」のせいで本家「プレデター」シリーズの新作が公開される度に、レンタル屋に「関連商品」として棚に並べられる悪夢のような作品である。
また、どういった訳か、Amazon、mixiとうで本家「プレデター」と間違って扱われているのも非常にポイントが高い。
(※mixiのレビューについては10年以上前の話です。現在はどうなっているのか知りません)
そういった点を踏まえると、一般のシネフィルには勧められないが、マニアは観ておくべき作品かもしれない。
しかし、「X商法」「ライジング商法(略してR商法)」「ビギニング商法(B商法)」ってそろそろ規制されても仕方ないよね(笑)
「エイリアンVSプレデター2」「プレデターズ」そして「ザ・プレデター」と、十年以上の「関連作トラップ」として、息の長い嫌がらせ活躍をしている本作「プレデターX」。
あなたの街にレンタル屋にも、この作品が潜んでいるかもしれない……。
見かけてもスルー推奨。
総評・感想まとめ
総評:★★ 2/10 (※ Z級映画として★ヒトデを進呈)
●キャラクター………〇
・登場キャラクターの設定・掘り下げ等は悪くなかったと思う。
・主人公とヒロインぐらいは、美形を出して欲しかった。
●ストーリー………△
・テーマは分かるが、結局何を伝えたいのかイマイチ分かんない。
・丁寧に作ってるかと思いきや、一番肝心のところをぶん投げた感じ。
●カメラ・演出とう………〇
・アサイラム系の低予算に比べ、かなりしっかりしているように思えた。
・画の撮り方は、ややドキュメンタリータッチの淡々とした撮り方。
●怪物……〇
・VFX自体は悪くない出来。 ・撮り方がホラーではないので、怖くはない。
・デザインも悪くない。 ・ファンタジーな飛び方には笑う。
●雑多な感想
・撮りたいテーマはなんとなくわかるが、どうしてこんな作品になったのかは、さっぱり解らん。
・エンディングでラップが始まる。 ・映画の各要素のレベルは高い。
・マニア以外は観なくていい。
●ご購入はこちら↓
※古い作品ですが、レンタル屋には結構な打率で置いてありますので、まずは近所のレンタル屋を覗いてみて下さい。
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