ブラムハウス製ホラー:「パラサイト 禁断の島」感想(ネタバレ有)&紹介 ~目を覚ますと美少女が~

スポンサーリンク
ホラー映画

今回紹介する作品は「パラサイト 禁断の島」です。

煽り文句は、「世界最強のヒット・メーカーが贈る“美少女”サバイバル・スリラー!」と大仰である。

ホラー映画の煽り文句って、基本的にあてにならないよね。

スポンサーリンク

作品情報・スタッフ・キャスト

「パラサイト 禁断の島」
製作年:2019年  
製作国:アメリカ  
上映時間:85分 
原題:「PREY」

監督:フランク・カルフン
製作:ジェイソン・ブラム     
脚本:デヴィッド・コッゲシャル  ・音楽:リチャード・ブレイクスピアー 
出演:クリスティン・フロセス/ローガン・ミラー/ジェレーン・アンダーソン/アンソニー・ジェンセン……etc.

予告編

映画 『パラサイト 禁断の島』 公式予告

 

「パラサイト 禁断の島」:あらすじ

「父親を強盗犯に殺され、心に傷を負った青年トビー。カウンセリングの一環で、3ッ日間の無人島キャンプに参加する事になる。
島に着くなり、猿に食料を奪われて、さらに、不注意から怪我をしてしまう。
トビーは、厳しい環境と、トラウマである事件の記憶がフラッシュバックし、ショック状態になってしまう。

目を覚ますと、一人の美しい少女の姿があり、トビーは彼女に惹かれていくが……」

 

無人島で行われる「自己回復プログラム」に参加した少年が、恐ろしい経験をするさまを描いたサスペンス・ホラー作品です。

「パラサイト 禁断の島」:感想/ネタバレ無

製作は、かのブラムハウス
ジェイソン・ブラムを中心に、2018年版の「ハロウィン」リブートや、「パージ」シリーズなどのホラー作品を作っている。ホラー映画にしては、金はかかっているし、話題作は多い、映像は綺麗と”大作”志向だが、その分いろんなところに配慮した結果、なんとも”中途半端”な作品ばっかり作っているイメージがある。

いや悪口みたいになっちゃったけど、ホラー映画で金集めんのはたいへんなんだろうなぁ~、とは思うよ。

(やっぱり悪口だな、うん)

 

映画の内容としては、”とある理由から無人島に缶詰めになった青年が、ミステリアスな美女と知り合いになり、彼女がらみの超自然的な恐怖に巻き込まれる”という、いたってオードソックスな展開。

 

ホラー映画と”社会的正しさ”

昨今のハリウッド映画ほど、様々な注文を付けられているものも珍しいだろう。
「ヒット作を作れ!」「なるべく多くの人に劇場に足を運んでもらえるようにしろ」「製作費は回収しろ!」、それでいて「ポリティカルコネクトに配慮しろ」という、全く違った命題を求められる。

そういった「ポリティカルコネクト」が、「ホラー映画」にまで及んでいるから、話がややこしくなる。

そもそも、「ホラー映画」なんてものは、PTA的な真面目な人たちには、眉をひそめられるようなジャンルであり、不埒でアングラなイメージがある。どちらかと言えば、「社会的に信用のない」もんであって、品行方正・社会秩序とは、真逆のベクトルで作られている。

そういった出自のホラー作品ですら、何作も作られる人気作品が出てきて、「金と人を集められる」ジャンルに成長した。

その結果、人が残酷に殺されるようなシーン、殺人鬼やモンスターといった“ほの暗い世界の住人たち”が出てくる作品なのに、「多くの人が劇場に足を運ぶ」ような、なおかつ「ポリティカルコネクト」にも配慮した作品を求められるようになってきたわけだ。

「品行方正なホラー映画」なんて、矛盾したもんを作らされるハリウッドスタッフには、頭が下がると同時に、「えっ!?、だってホラー映画だぜ?正気か……」と思わなくもない。

ブラムハウスは、そんな「品行方正なホラー映画」を安定して作っているイメージがある。
そういった矛盾する条件を求められ、一定のクオリティを維持しているのは、称賛に値する。

しかし、「ちっちゃくまとまりやがってよ…」と思ってしまうのも、僕の正直な感想だ。

本作も、ブラムハウスらしく、クオリティ自体は高いのだが、な~んか、グッとこないんだよね。
「ハロウィン(2018)」や、「パージ」シリーズもそうなんだけど、「ここまではやっていい」という表現のリフレインになっている気がする。

怖いシーンや、残酷なシーンもあるにはあるんだけど、「検閲済み」な表現ばっかりで、こういった「恐怖」や「残酷」さが、一種の記号になってしまう、テンプレート気味になってしまうのは、それはそれで怖い。

ジョージ・オーウェル的な「過剰に管理されたデストピア」じみてきて、それこそ「現実は小説より奇なり」みたいになってきたな、と思う。

そして、その他者に対する検閲が、”ビックブラザー”ではなく、”自覚のない一般大衆”によって行われているのも、これまたディストピアっぽい。

なんらかの事件が起こる度に、やり玉に挙げられるジャンルだけど、ここ数年で一気に「普通の映画」になってきたような気がする。……と思ったが、最近のは俳優の人種だとか、マイノリティの尊重、女優の裸には物凄くうるさくなったが、代わりに残酷シーンは過激になっていると思う。そのため、やっぱり「普通の映画」じゃねーな。

最近のホラー映画の血糊にスタッフの本気を見た。

そもそも「体にいいラーメン・○ろう」だとか「特保のス○ロング・ゼロ」みたいに矛盾したもんを作ろうとしているのが、間違っているような気がする(笑)

個人の意見としては、アングラなもんはアングラにしといた方がいいと思うが、ネットの発達でそれも無理だよね。

全体的に高いクオリティでまとまってるし、それなりに面白かったけど、なんだかなーて作品。

ええ、映画の感想とあんまり関係ないっすね。なんかすみません。

 

しかし、ブラムハウス作品って、予算や機材、俳優はそれなりなのを使って(※ホラージャンルとしては金がかかっている)、丁寧に作ってあるのだが、“雑”なんだよなー。(※僕が”雑”に感じるだけですが)

な~んか、ホラー映画どころか、映画自体そんなに好きじゃないのでは?って勘ぐっちまう。

「設計図通りに数字を入力して、材料をセットすれば、こういうのが出てきますよー」という、文字通りの「プロダクト」=“工業製品”て感じで、なんだかなー……。

と思いつつ、そういった金集めと人集めに長けた人も、集団には絶対必要なわけで、クリエイターの全員が「1クールのレギュラーより、1回の伝説」路線だったら、それはそれで困る。

う~ん、やっぱり、映画とはあんまり関係ない話ばかりになったが、個人的には、そんな感じの映画なんだよ。

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡ 4/10
キャラクター………○
・キャラクター造形が、悪くはないんだけど”優等生”っぽい、
・主人公のダメっぷりがリアルで身につまされるw

ストーリー………△
・ベタベタすぎて何とも言えない気分になる。
・「パラサイト」の部分は”う~ん…”となる。何その拡大解釈。

●カメラ・演出とう………○
・映像はそれなりに金がかかっている。
・ラストバトルがゲームの演出っぽい。

怪物……△
・物凄くベタ。イマイチ不完全燃焼感じがモヤモヤする。
・危険とわかっていても、美女にフラフラ近づいてしまうのは、男の性(さが)

その他・印象に残ったところ
・魚や猿の死体が暗示的。
・”その他”の不運な巻き込まれっぷりw
・目覚めたら美少女が……とラノベ的な展開だが、残念!ホラー展開でした!

●ご購入はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました