今回は珍しくお勧めのB級映画を紹介しよう。
今回紹介する作品は「プライマル・レイジ」です。
※PRIMAL=最初の、原始の、等の意味
※RAGE=怒る、激怒する、暴れる、等の意味。
ビッグフット(サスカッチ)物に名作がでた!
この手のB級作品にしては、出来のいい部類に入る。ネタバレを見る前に一度観賞してみてはいかがだろうか?
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「プライマル・レイジ」
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:105分
・原題:「PRIMAL RAGE」 ※R-15指定
・監督:パトリック・マギー
・脚本:ジェイ・リー
・出演:キャシー・ガリアルディ/アンドリュー・ジョセフ・モンゴメリー/エロイ・カサドス/ジャスティン・レイン/マーシャル・ヒルトン……etc.
※備考:「エロイ・カサドスに捧ぐ」と表記される。エロイ・カサドスは保安官役を演じていたおじさん。
予告編
「プライマル・レイジ」:あらすじ
アシュリーは、刑期を終えて出所した夫のマックスを迎えに行く。
久しぶりに再会した二人だったが、少しのすれ違いで喧嘩になってしまう。口喧嘩をしながら車を走らせていたアシュリーは、突然飛び出してきた男を轢いてしまう。
外に出て確認する二人だったが、何か様子がおかしい。
男は半裸に剥かれ、自動車事故とは思えない傷を体中に負っていたのだ。
電話で助けを呼ぶアシュリー。その時何者かが投げた石がマックスの頭に命中し、マックスは川に転落してしまう。マックスを助けに川に飛び込むアシュリー。
二人は、なんとか岸に這い上がる事に成功する。
一夜明けて、焚火の傍で目覚めたアシュリー。なぜかアシュリーの服がなくなっていた。
マックスのT-シャツを借りてその場をしのぐ。森から脱出しようとするアシュリーとマックスの前に地元のハンターの集団が現れる。
ハンター達と行動を共にするが、アシュリーは男達の様子に不穏な物を感じ取る。
しかし、アシュリー夫婦もハンター達も、森の奥からこっちをずっと観察している視線に、全く気付いていなかった。
その視線の主は、音もなく忍び寄って来て……。
「プライマル・レイジ」:感想/ネタバレ有
※全体的にクオリティが高い。
演技、カメラ、音響、怪物の造形が高いレベルでまとまっている。残酷な表現がやや多めなので注意
「ひょんなことから、森で遭難したカップルが、助けを求めたロクデナシの一行共々恐ろしい怪物に襲撃される」、この手の映画の王道。。R-15指定作品です。
そのよくあるプロットに多少の+アルファがある。その+アルファに賛否両論がありそう。あのシャーマン(魔法オババ)の下りはいるのか?
※キャラクターとしては大好き。
顔の造形がカッコいいだけで、こんなにも怪物の印象が変わるものだとビックリする。まさか、”女性はイケメンが好き”という事実を、ビッグフットの造形を見て納得するとは思わなかった(笑)
駄目な奴に彼女が出来た
さて本作『プライマル・レイジ』はビッグフット物である。
管理人は、常々「B級映画の三大目に見えた地雷作品」として、半魚人、チュパカブラ、そしてビッグフットを上げていた。
そんなビッグフッド物に、傑作と呼べる作品が遂に誕生した。
嬉しい反面、ギャグ漫画の駄目なキャラクターに彼女が出来たような、一抹の寂しさを感じるのは管理人だけだろうか?
そもそもビッグフットを題材にした映画は、
「ビッグフットそっちのけで街のオモシロ素人さんを映して回るPOV」
「ビッグフットを撮影しに出かけたら別のモンが撮れたPOV」
「怪物そっちのけで渋いおっさん達が浪花節をやりだす」
といった、アクが強いを通り越して、映画ファンを舐めているとしか思えない物が、多い事で有名である。
なんと表現したらいいのだろう?
「履歴書に盛りまくったプリクラを貼って出す」様な「初っ端からやる気が、あさっての方向にずれてる」作品ばっかりなんですよ。
そんな作品群で、管理人が面白かったと思うのは『ケイヴ・フィアー』ぐらいです。
(↑この作品にもランス・ヘンリクセンが出てる。ランス・ヘンリクセンと言ったら『エイリアン』シリーズのビショップ役だが、何気にビッグフット物にも3本出てる)
そんなビッグフット物に、名作が誕生した。
えぇ、大事なことなんで二度言いました。
いまいち地味な怪物であるビッグフットに、独自の解釈でアレンジを加え、カメラ、音響、特撮、演技のレベルを高い物にしただけで、これだけのクオリティーの作品が出来上がった。
(※ほぼ全部じゃん)
……う~ん、怪物、カメラ、音響、演技のできる役者さんを揃えるのは、B級作品だと難しい事ばっかりなんですよね。主に予算の問題で(笑)
特に本作のやたらとイケメンの、シャープな顔のビッグフットはかなりカッコいい。ついでに弓矢や石斧で襲ってくるのだが、その下りがほぼ『プレデター』の一作目です。
監督はかなり『プレデター』に影響受けてるんじゃないかな?
もしくは『ランボー2 怒りの脱出』のランボー襲撃シーン。
地元の不良中年に襲いかかるプレデター
『プレデター』で怪物に襲われるのは、シュワルツェネッガー率いるコマンド部隊だった。
それに比べて、本作で忍び寄って来た怪物に”サイレントキリング”される面々は、地元の不良中年ども。
おそらく、密猟に来たと思われる。
プレデターにしろ、ジョン・ランボーにしろ、地元の不良中年には荷が重すぎる。
このハンター達が、見事にクズばっかりなため、ヤラれるシーンが、観ていて非常にスカッとする。
前もって、丁寧に視聴者のヘイトを稼いでいたため、ビッグフット無双シーンが盛り上がるのなんの( ゚∀゚)アハハ
これだけ、怪物襲撃シーンが、気持ちいいのは珍しいんじゃないかな?
そういった怪物無双も含めて、かなりベタなプロットを採用している。
しかし、王道のプロット、+アルファの部分でシャーマン(魔法オババ)の下りが入ってくる。
このおばあちゃんの下りで、ラストに向けての仕切り直しになる。しかし、それと同時にちょっとテンポが悪くなっていると思う。
犯罪歴のある夫のマックス、および地元の不良中年ハンター達はともかくとして、善人の保安官は死んで欲しくなかったかな。
「銃を使う」というのが、禁忌に触れるのはなんとなく分かるが、保安官のおっさんを殺してしまうと、作品のテーマの統合性がずれてしまう気がする。
いつもの「見えてる地雷」作品なら、気にならない展開だが、本作の様にA級に近い作品だと却って気になってしまった。
ビッグフット物としてはかなり出来がよかったが、この作品、ほぼ『プレデター』だよね!
もうすぐ公開される『ザ・プレデター』の出来の如何によっては、管理人の中で、この作品の評価も変化しそうな気がする(笑)
(これを「怪物映画」にカウントするのは、抵抗があるが……)
さて、最後に残された”チュパカブラ”に名作が誕生する日は来るのだろうか?
当ブログでは、その辺りを気長にウォッチしていきたいと思っている。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡♡ 8/10
●キャラクター………◎
・やられやくのモブにいたるまで、かなり細かくキャラ設定されている。
・演じている役者さん達も全員上手い。
●ストーリー………○
・ストーリーはいたってシンプル。
・思わせぶりな”魔法おばば”は何なのか、深く考えてはいけない。
●カメラ・演出とう………○
・カメラワークと、ピントの合わせ方でビッグフットのステレス機能を完璧に表現。
・カメラの使い方は、B級作品ではなく、A級作品のクオリティ。
●怪物……◎
・ビッグフットに対してかなり独特の解釈がされている。弓矢、ナイフ、石斧、槍を使いこなす。
・顔つきはこれまでの作品がゴリラだとすると、本作は”ヒヒ”である。
●その他・印象に残ったところ
・全体的に丁寧に作ってある。
・ビッグフットの無双シーンはスカッとする。
・人妻を手籠めにしようとする以外は、ほぼプレデターの一作目
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