「クワイエット・ボーイ」感想・レビュー ~お互い他に誰もいない~

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映画

 今回紹介する作品はこれ↓

クワイエット・ボーイ [DVD]
 

「ラスト5分に驚愕必須のショッキングスリラー!!」
と、余計な煽り文句を書くなって。身構えちゃうだろ!

この手の「パチモンタイトル」がつけられてる映画に「ネタバレ」もクソもないですが、初めに断っておきます。

この映画、すごくいい映画です。
騙されたと思って一度観て欲しい。

とりあえず、邦題に『クワイエット・〇〇』なんてつけなくていい。この映画十分面白いよ。

いつもと違う意味で騙されたが、今回はいい騙され方だった。

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『クワイエット・ボーイ』:作品情報・キャスト・スタッフ

製作年:2015年  製作国:イタリア  
上映時間:93分 原題:「IN FOND AL BOSCO」

監督:ステファノ・ロドヴィッチ
製作:ロベルト・アモロソ
出演:アレッサンドロ・コラービ/テオ・アキーレ・コラービ/カミッラ・フィリッポ/フィリッポ・ニグロ/ジョヴァンニ・ヴェットラッツォ…etc.

予告編

 


『クワイエット・ボーイ』
:あらすじ

「人々が悪魔の格好をして子供を驚かす祭り「クランプの夜」
その「クランプの夜」に4歳の少年が行方不明なる。少年の名前はトンミ。大人たちの必死の創作にもかかわらず、トンミは遂に見つからなかった。
5年後、移動遊園地の跡地で一人の少年が見つかり、DNA鑑定の結果、行方不明だったトンミだと分かる。

しかし、戻ってきたトンミは様子が違っていて……」

 

「クワイエット・ボーイ」:感想/ネタバレ有

 

●怪物……?
出てきません。今回はお休みです。ただし、劇中「悪魔はいるのか?」という台詞は頻繁に出てくる。

パチモンタイトルの最近のトレンド

 邦題に『クワイエット・〇〇~』とつけるのが、最近のB級映画のトレンドである。
ちなみに、もう一つは『イット・〇〇』である。

 本作品、怪物が襲ってくる『クワイエット・プレイス』のパッケージを意識しているが、内容はサスペンス要素のあるヒューマンドラマである。さらに詳しく言えば、やや鬱要素の強い感動系である

 

クワイエット・フォレスト(字幕版)
ブロンティス・ホドロフスキー
2018-11-23

 

 

私の年収低すぎクワイエット・サラリー ~増税したら、即死

「うわっ…、私の年収低すぎ…?」
でお馴染みの、お姉さんではない。うーん、あんまり違和感ない(笑)

映画の内容に入ろう。
冒頭映し出されるのは「クランプの夜」という、大人が悪魔の格好をして子供を驚かす祭り。
悪魔の格好をした出し物に、驚く小さな男の子。焚火にあたりながら、仲間と酒を飲む父親(マヌエル)のもとへ行くが、すっかり出来上がってるマヌエルは、知らんぷり。

そのまんま、小さな男の子(トンミ)は、行方不明になってしまう。
必死の捜査にもかかわらず、トンミは発見されなかった……。

5年後、移動遊園地の跡地で一人の男の子が見つかる。
背格好から、トンミの可能性があり、DNA鑑定の結果、本人だと確認される。

大喜びする父親(マヌエル)と、母親(リンダ)。しかし、祖父はどこか訝しげな表情。

トンミはすうかり人が変わったようになり、飼い犬を殺害し、教会で嘔吐してしまう。
劇中繰り返される「悪魔はいるのか」といったテーマ。曇った空に、夜のシーンの連続。

村の近くにある、子供が失踪するスポット。
何か知ってる様子の、バーを経営している若者たち。異常に幼い言動の若者は、トンミを恐れる。
妻(リンダ)と、警察署長の関係、何かを確信する祖父、失ったものを取り戻そうと、必死に努力するマヌエル……そして、明かされる、真相。

全てが終わった後に、マヌエルが発する台詞。
「三人とも殺すべきだった」
「お互い他に誰もいない」

そう言い残して、車で走り去るマヌエル。
そこで映し出される景色は、本作で一番綺麗な晴れた空。

その綺麗な空が、これからの彼の人生を象徴している。
いや、素直に「よかったね」と言いたくなる話なんだよ。

途中まで、誰が主役かイマイチよく分かんない作品なんだけど、多分主役はお父さん・マヌエルなんだと思う。
出てきた時は、飲んだくれのダメ親父だったんだけど、劇中、なんだかんだ言って改心していくの。
嫌な事が判明して、酒瓶に手を伸ばすシーンなんて、凄く見入っちゃうよ。

ダメな男が救われる物語

 予告編だと『オーメン』みたいなホラー、もしくは、サスペンスものかと思ってしまうが、始まってみれば、ただのいい話である。

 

前回『クワイエット・フィールド』なんて、色んな意味でウ〇コな映画を(※小道具的な意味で)観たもんだから、今回もネタにしてやろうと、ワクワクして借りてきたら、いい話が始まってしまい、逆に評価に困る自分がいた。

いい映画なんだけど、どういった映画なのか説明するのが難しい感じ。
感動系といっても、最近のハリウッドのポリコネ系の感動映画ではない。

妙に静かで、淡々と状況を描いていくんだよね。ある意味「雰囲気映画」なんだけど、分かりにくい感じの映画とも言える。

俳優がうまい。
音楽・音響は最小限。

ドロドロの人間ドラマ満載で、最後はいい話で締める。

B級映画のレーベルで出てるけど、あんまりB級感はなかった。
むしろ、久しぶりにマイナー映画で辺りを引いた気分だ。

感想まとめ

総評:☆☆☆☆☆☆☆☆ 8/10

演技・音楽・ロケーション……◎
非常にいい。
・雰囲気映画。
・いい映画だが、ジャンルの説明がしづらい。
・ラストの綺麗な青空がよかった。

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『クワイエット・フォレスト』の感想は→こちら
『クワイエットフィールド』の感想は→こちら

 

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