今回紹介する作品は「クワイエット・フィールド」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「クワイエット・フィールド」
・製作年:2017年
・製作国: カナダ
・上映時間:104分
・原題:「RED SPRING」
・監督:ジェフ・シナサック
・製作:トーニャ・ドッズ ・撮影:トム・アントス ・音楽:エイドリアン・エリス
・出演:ジェフ・シナサック/エリシア・ホワイト/アダム・クロンハイム/ジョナサン・ロビンズ/リンジー・ミドルストン/リース・プレスリー……etc.
予告編
「クワイエット・フィールド」:あらすじ
「地球は突如として現れた吸血鬼に支配された。奴らは、匂いを残すと襲ってくる。
レイ達生き残った5人は、匂いを残さないように車で移動しながら、物資と生存者を探していた。
そんなある日、彼らは、吸血鬼に追われていた一人の若い女性を助けるが……」
感想/ネタバレ有
どこかで見たような、パッケージの構図とタイトル。
久しぶりにパクリやすい作品が見つかり、B級映画配給会社の担当が、ワックワク♪なのがなんとなく分かる。
Place=場所
Field=領域・分野
パクリ元の「クワイエット・プレイス」に比べると、なんとなく舞台となる場所が広いのかな?、と思えてくるが、パチモンタイトルのB級映画である。嫌な予感しかしない。
ハードルは 埋めてしまえば 大丈夫(五七五)
そんな風に詠ったのは誰だったろうか?
今では僕の座右の銘だ。
匂いを残したら、即襲。笑撃の世界
DVDを、プレイヤーにつっこむと出てくる”TOM CAT FILMS(トムキャットフィルムズ)”のロゴ。
管理人が最近観た作品だと、「プレデター・プラネット」でも映し出されていた。
製作会社なのか、配給会社なのか知らないが、”TOM CAT FILMS(トムキャットフィルムズ)”のロゴが出てきたら、覚悟だけはしておこう。だいたい酷い映画だ。
「奴が出てきたら厳しい戦いになる……」
うん、まぁ、「敵側に凄腕の傭兵がついた」みたいなノリで言われても困るよね。
「ある日吸血鬼が現れて人間を襲い始めた。噛まれた者も感染し、瞬く間に増え続けた吸血鬼は、最早人間よりも多くなり、生き残った人間たちは隠れて逃亡生活をおくっていた。人間と同等の知能が残っている奴らは、人間牧場を作り、戦車や核兵器もコントロール下においたと、噂される。レイ達5人の生き残りは、ある日吸血鬼に襲われていたヴィッキーという名の若い女性を助ける。ヴィッキーの案内でシェルターにたどり着くが……」
というのが、本作のあらすじだ。
どうやら吸血鬼は”匂い”で人間を追尾してくるらしい。そのため生き残った人間は、”匂い”に気をつけて生活している設定である。
設定としては面白いと思う。
しかし、しょっぱなから「車で移動すれば匂いは残らない」「雨が降れば匂いは消える」という、大変穴だらけな設定に、つっこみの言葉が見つからない状態だ。
いや、無理だろう。
”匂い”で追ってくるだけの野生動物ならともかくとして、相手が人間と同等の知能を有しているのである。劇中でも車や銃を使い、文字も理解する様子が描かれている。
匂いをごまかしても、目や耳で発見される。色んな条件から推理されるだろう。
道具を使えるなら、サーモグラフィーや、モーショントラッカーも仕えるだろう。
はっきり言って人間側が、完全に詰んでる。
さらに、話が進むにつれ、「吸血鬼側も何億という数にまで増えており、メインの食糧=人間がいなくて、その内全員飢え死にする可能性がある」
吸血鬼側も詰んでいる。頭が悪い奴しかいないぞ、この世界。
非常に間抜けな上に、誰も救われない殺伐とした世界観が明らかになる。
登場人物がアホなのではなく、世界観がアホである。
意外と世界の危機的状況なんて、はたから見たらこんなものかもしれない。
そんなツッコミどころ満載の世界で、生き残るために必死な主人公達。
この作品のルールが「匂いを残さない」なため、「移動は車ならOK。バイクはNG」「ぴっちり閉鎖される建物なら奴らはやってこない」「雨が降ってる間は外に出てもOK」を徹底する。
色々と設定がガバガバな気がするが、あんまりにも真剣にやっているため、観ているこっちも、
「僕は毎日職場まで車で通っているから、仮に今職場に、吸血鬼が現れても家まではたどられないな。大丈夫だな」
と、思えてくるぐらいだ。
うん、ぜんぜん大丈夫じゃないな。
登場人物はあくまで真剣なので、笑っていいのか分からん。
一応最後の方に、全身に泥を塗りたくって、追跡をかわしたり、排泄物を使っておびき寄せたりと、「匂い」を意識させる展開がある。
「匂い」というのは、視覚にわかりやすく置き換えたり、言葉でうまく説明できないため、どうしても伝えるのが難しい。
「匂い」オンリーで、ホラー映画を一本作るのは、ちょっと考えなおした方がよかったと思う。
吸血鬼が、「ウ〇コの臭いでおびき出されて爆殺された、顔色の悪い人」で、なんだかモヤモヤする。
色んな意味でウ〇コな映画だったよ。
吸血鬼のキャラクター
本作品の一番残念なところとして、吸血鬼のキャラクターがブレまくりな事を挙げたい。
吸血鬼の設定がブレまくりなせいで、物語が機能してないのだ。ただの頑丈なDQNである。
序盤に、バイクで逃げる人間を車で追っかけてくるのだが、この時にヘッドライト点けて運転している。
追われる主人公サイトも、車のバックライトを壊して見えにくくしている事から、考えると、吸血鬼のくせに夜目が効かないようだ。
いや、しまらないだろ、それ。
「夜の帝王」と呼ばれる吸血鬼が、「すんません。暗くてよく見えないんで、灯りつけていいすっか?」である。
この時点でかなり情けない。
ヘッドライトを点けていた方が、視覚的に「追われている」感が出るのかもしれないが、なんか間抜けである。
いっそのこと、ハイビームで煽るぐらいしろよ。
「こ、こいつ…ハイビームで煽ってきやがる!……最近煽り運転に対しての罰則が強化されたのに……ヴァンパイア、恐ろしい子…」
※煽り運転ダメ、絶対!
一応、日光には弱いが、太陽の下にひき釣り出されると、一瞬で灰になる演出もない。
おそらく、予算の関係上、そういった特撮が出来ないのだと思う。
むしろ、パーカー被ればセーフ理論。
いい加減にしろよ……。
例えるなら、「今日一日休みで部屋でゴロゴロしてたけど、そういえば公共料金の支払いがあった事を思い出した。近所のコンビニ行くのに、着替えるのも身だしなみ整えるのも面倒だから、マスクしてパーカー羽織ればいいか」みたいなノリ。
そんな、ものぐさな独身男性みたいな感覚で、弱点を克服されたらたまったもんじゃない。
吸血鬼の基本設定である「ほぼ不死身で怪力、噛んで仲間を増やす。様々な能力を持つ。しかし、日光で即死、流れる水を渡れない、ニンニクや白木の杭に弱い。招かれないと建物に入れない」
そういった設定が、キャラクターを際立たせるだけではなく、物語を作る要素があるんだというのを、改めて認識させてくれる。
「匂いで追ってくる」設定もほぼ機能していない。
いや、していないというか、どう考えたって「視えている」感が凄いのだ。
体臭を利用してどうのこうのするのは、最後の15分くらいで出てくるだけです。
全体的に「ヴァンパイアである必要も、匂いで追ってくる設定」もほぼ機能していない。
普通にゾンビものを、やった方がよかったんじゃないかな。
ハードルを下げるどころか、埋めて鑑賞したので、それほどショックは受けなかったが、あんまりお勧めしない。
もう一度、管理人の座右の銘を書いておこう。
ハードルは 埋めてしまえば 大丈夫
「クワイエット・プレイス」のヒットのおかげで、B級映画会社にとってパクリやすいのが見つかった。
ここまで使いやすいのは「バイオハザード」以来だろうか?
「アーンイヤーンマン」「オッパイダーマン:モンデカミング」「マイチン・ソー」のように、キッレキレなのが一部ありますが、その辺はちょっと違うか(笑)
そんな訳で、とうブログでは今後も「クワイエット・〇〇」というタイトルをチェックしていこうと思ってます。
総評・感想まとめ
総評:♡♡ 2/10
●キャラクター………△
・可もなく不可もなくといったところだが、「吸血鬼もの」は作風問わず、登場キャラが”濃い”場合がほとんどなので、相対的にキャラが弱く見える。
ex『ブレイド』『アイ・アム・レジェンド』『ヘルシング』『彼岸島』『吸血鬼すぐ死ぬ』
頭の中チンパンなアホは出てこない。あくまでシリアス路線(でいきたいらしい)
●ストーリー………△
・フィールドを探索→隠れ場所を見つけて籠城→脱出の流れ。
設定が色々とある割には、あんまり機能していない感じがする。
「匂い」の下りはコントにしか見えないが、鑑賞しているうちに段々と
「あれ?そんなもんかな…」と思えてくるから不思議だ。
( ・Д・)<「モルダー、あなた疲れてるのよ」
●怪物……△
・怪物の正体は”吸血鬼”です。正直顔色の悪い人間にしか見えない。
ついでに、「走るゾンビ」の出現のせいで、キャラクターとして弱くなっているのが現状だ。
本作でも、イマイチ怪物としての個性が弱い。
設定がブレまくりで、強さもコロコロ変わる。
●雑多な感想
・限りなくZ級に近い作品。
・ウンコの生々しい活用方法。
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