今回紹介する作品は「ハングリー・アタック」です。
ワニ映画かと思いきや、かなり不純物(変態肉屋)成分が混ざっている作品です。
一応書いておくが、パッケージはイメージです。
水着のお姉ちゃんは出てきません。
ワニ映画のパッケージは、この構図じゃないといけない法律でもあるんでしょうか?
ワニ映画のパッケージとして、一番見栄えのする構図なのは、なんとなく理解できますが、もうお約束のギャグにしか見えなくなってきました。
う~ん、…水着のお姉ちゃんをなんだと思っているのか……。
目次
【キャスト・スタッフ・データー】
「ハングリー・アタック」
・製作年:2014年 ・製作国:イギリス
・上映時間:91分 ・原題:「THE HATCHING」
・監督:マイケル・アンダーソン
・製作:ナイジェル・ウール
・出演:アンドリュー・リー・ポッツ/トーマス・ターグーズ/ローラ・エイクマン/ダニー・カーレイ……etc.
予告編
「ハングリー・アタック」:あらすじ
「父親の死をきっかけに故郷に戻ったティム。久しぶりに戻った故郷はどこかよそよそしい。
そんな中、若い女性が失踪する事件が続発し、さらに何かに喰いちぎられた死体が発見される。
ティムは、15年前に自分が犯した過ちと関係があるのか調査を始めるが……」
感想/ネタバレ有
本作品「ハングリー・アタック」はワニ映画と見せかけて、変態肉屋が大活躍する変な映画である。ついでに、モラトリアムなボンクラ兄ちゃんの友情を描いた作品である。
ワニ映画から変態肉屋映画にシフトする。
遅ればせながらAmazonのプライム会員になってみました。早速Amazonビデオの「会員無料」枠の作品を楽しんでます。
当ブログで取り上げている”B級モンスター”枠も充実しており、コスパという点ではかなりいい感じです。
……無駄に、マーク・ポロニア監督作品と、グリフ・ファースト監督作品が充実しているのに、言葉では言い表せない違和感を感じております。
どうしたんですか?Amazon先生。
(↑「Z級映画界に彗星の様に現れた男」マーク・ポロニア監督)
(↑”何物にも捕らわれない自由な作風”で知られるアサイラムにおいても、珍作ばっかり作っている際立った個性を持つグリフ・ファースト監督)
というわけで、今回はAmazonビデオの会員無料枠から『ハングリー・アタック』を紹介します。
本作は、小学生の主人公が、夜の動物園に友人たちと忍び込むシーンから始まる。ワニの卵を盗み出すが、警報機が作動。慌てて逃げ出すが、その際に一人がワニに襲われて食われてしまう。その事件のせいで主人公一家は、都会に引っ越す。
時は流れ15年後、死んだ父親から工場を受け継いだ主人公が、奥さんと一緒に田舎に戻ってくる。
実家の管理を任されている老婦人や、幼馴染の親友のように、温かく迎え入れてくれる人もいるが、それは少数派。閉鎖的な村社会は、ひとたび外に出た主人公に対して冷たい。
そんな中、ペットの犬が行方不明になったり、近所の老婆の生首だけの死体が見つかる。
どうやらワニの仕業であるとわかり、マスコミに15年前の事件との関連性を、面白おかしく書かれる主人公。
個人的には、このマスコミの下種っぷりが、いい味出していたと思う。
さらに、主人公の会社で働いていた若い女性も行方不明となる。
この若い女性の失踪を、疑問に思い独自の捜査を開始する若者コンビ。
(例によって、けっこうなボンクラとして描かれている)
そして判明する”連続婦女殺人犯”の存在。
若い女性は、命からがら逃げだすことに成功するが、代わりに、主人公の奥さんが犯人にさらわれて……。
かくして、主人公達と殺人鬼の対決の結末は……と、いうのがだいたいのストーリー。
上記の大筋で分かるように、この映画、敵役が”ワニ”から→”殺人鬼”にいつの間にか入れ替わっている。
”ワニ”という「分かりやすい人喰い」から、”人々の中に潜む異常者”という「分かりにくい人喰い」を描く事にシフトしている。
そのサスペンスパートが、いまいち盛り上がらないため、しょっぱい評価をつけざるを得ない。
サスペンスパートが、よくできているなら評価されただろうが、緊迫感はないし、意外な人物が犯人であるカタルシスもない。
ただし、この”殺人鬼”の鬱屈したキャラクター性は、なかなかの出来だったと思う。
村の肉屋が、いわゆる”変態肉屋”だったというパターンなんだが、ソーセジに自分の〇〇をどろ~んと入れたり、そもそもソーセジの原料が■■だったりと、きっちりいい仕事をしてくれる。
演じている兄ちゃんが上手くて、この殺人鬼の鬱屈した「何を考えているかよく分からない変態性」を表現できていたと思う。妙に淡々とやってるのが、かえって怖い。
この変態肉屋がいい味だしていたが、そのおかげでワニと殺人鬼の印象が喧嘩しちゃって、ホラー映画として「どんな恐怖を描きたい」のかイマイチよく分からない作品になってしまっている。
ついでに、村のボンクラ二人組の友情物語に、かなりの尺を割いている、さらに田舎の閉鎖的な村社会も描き、とどめに、イギリス映画特有のブラックジョークまでぶっこんでいるもんだから、まさに「闇鍋」である。
”よくあるワニ映画”を避けた結果、「変態肉屋映画」が誕生してしまった訳だ。
うん、よくわかんねー(笑)
演じている役者さんは、低予算のB級映画にして上手い人が多い。カメラワーク、音響等の「映画の基本的なこと」はちゃんとしているため、意外と観れます。
基本的な事をちゃんとやってくれると、観ていてストレスがない。
ワニ映画はからっとした作品では成立しないのか?
本作の舞台はイギリスの田舎。ロケーションは綺麗だ。
昔ながらの石造りの建物を、曇った空からさす陽光が照らす様は美しい。
景観を考えて整備されている小川。
映画を観ながら、つくづく思ったのだが、こういった落ち着いた風景に「人喰いワニ」は合わない。
やっぱりワニ映画は、「カラっとした雰囲気」とセットじゃないと。
ワニ自体は、昔ながらの模型で表現されていて、妙な存在感がある。CG全盛のこの時代において、あえて模型を作って撮る、それだけでもこの映画を評価したい。
こういった「昔ながらの撮影方法」を上手く現代の技術に組み合わせる映画が、もうちょっと増えたらいいなぁーと思う。
近年、「サメ映画」の暴走ばかり危惧されるが、ライバルである「ワニ映画」もコンスタンスに珍作を出してくれている。
イギリスからやってきた、ちょっと変なワニ映画である本作『ハングリー・アタック』、気になった人は暇つぶしにどうぞ。
※余談だが、Amazonビデオのリコメンド機能で「B級モンスター映画」と「キララ系美少女アニメ」ばっかり出てくるようになった。
はたから見て、Amazon先生がとち狂ったようにしか見えない(笑)
いや、ほら「学校ぐらし」のアニメ版が無料であったもんだから……(言い訳)
この手のB級低予算ホラーは、いつの間にか町のレンタルやの棚から消えていることも多いので、それが簡単に見つかるのは、個人的には大助かりです。
Amazonでよく注文する、さらにはレンタル屋によく行く人。
ついでに「マーク・ポロニア映画はどんなもんか気になるけど、正直金は払いたくない」そんな貴方!
この機会にプライム会員になってみてはいかがだろうか?
日本で流通しているマーク・ポロニア映画はだいたい揃ってますよ。
(おそろしく、ニッチな勧誘文句)
感想まとめ
総評:♡♡♡♡ 5/10
●キャラクター………〇
キャラクターはよかったと思う。細かい仕草や、ふとしたやり取りで、登場人物同士の関係を上手く表現していた。
主人公そっちのけで、わき役のボンクラコンビの熱い友情を描く事に重きをおいている。多分、主役はこいつら(笑)
●ストーリー……△
よくある「ワニ襲撃映画」かと思いきや、田舎の閉鎖的な人間関係をじっくりと描き、さらには殺人鬼まで絡んでくる。それをイギリス映画らしいブラックな笑いを混ぜて描く、何が撮りたいのかいまいちよくわからない作品。
むしろ、その闇鍋的な混沌を楽しんで欲しい。
●怪物……〇
CG全盛期にあえて模型で表現。個人的に模型の質感の方が好き。ワニの出来は、低予算にしてはそれなり。
しかし、映画が、ワニそっちのけであさっての方向に行ってしまうため、後半はただの舞台装置と化す。スマブラの、大ダメージを受けるステージギミックみたいなもん。
途中から変態肉屋の方が”モンスター”しています。こっちの方が、ビジュアル的にキツイ事をやってくれる。
●雑多な感想
・ワニと変態肉屋と、ブラックジョークと人情話のコラボレーション。
・まとまりはないが、意外と観れる。
・ワニは昔ながらの模型。
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