今回紹介する作品は「ヒルズ・ハブ・アイズ2」です。
あの”邪悪なヒルズ族”が帰ってきた!、な作品。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「ヒルズ・ハブ・アイズ2」
・製作年:2007年
・製作国:アメリカ
・上映時間:90分
・原題:「THE HILLS OF EYES Ⅱ」 ※R-18作品
・監督:マーティン・ワイズ
・製作:ウェス・クレイブン/ピーター・ロック ・製作総指揮:ジョナサン・デビン
・脚本:ウェス・クレイブン/ジョナサン・クレイブン ・音楽:トレヴァー・モリス ・撮影:サム・マカーディ
・出演:マイケル・マクミリアン/フレックス・アレクサンダー/ジェシカ・ストループ/ダニエラ・アロンソ/ジェイコブ・バルガス……etc.
予告編
↑前作の「ヒルズ・ハブ・アイズ」と同じく、日本語の予告編が見つからなかったので、オリジナル版です。
「ヒルズ・ハブ・アイズ2」:あらすじ
『ヒルズ・ハブ・アイズ』の恐怖から一年。
軍事目的で現地調査に訪れていた科学者たちが謎の失踪、
砂漠地帯で訓練中だった新兵の一団が捜索を開始する。
しかし彼らが向かった先こそ、
前作でカーター一家が何者かと死闘を繰り広げた禁断の土地だった!
果たして生き残るのはどっちだ? 今度は戦争だ!~Amazon作品紹介より抜粋~
「売れたホラー作品は、続編でアクション映画になる」の法則に忠実な作品。
「今度は戦争だ」のキャッチフレーズの使いまわしである。
オリジナル作品の「サランドラ2」は、バイクのレーシングチームが、”ヒルズ族”と死闘を繰り広げる内容だったらしい。しかし、リメイク版は、「”ヒルズ族”VS.州兵」です。
脚本は、オリジナル版の監督であるウェス・クレイブンも一枚噛んでいるみたい。
「ヒルズ・ハブ・アイズ2」:感想/ネタバレ有
前作では、カーター一家を恐怖のどん底に追いやった”ヒルズ族”
今回は州兵を相手に戦いを繰り広げる!
果たして、未熟な州兵たちは、邪悪な”ヒルズ族”から生き延びる事ができるのか……。
軍隊なんだけど、州兵、それも新兵というのがミソ。
「”邪悪なヒルズ族”VS.新米州兵」
冒頭、前作のカーター一家の顛末をうけて、陸軍が「16地区」の掃討作戦を実行した事が、文字で語られる。
奴らに捕まった女性の末路を描いた後、州兵の訓練シーン。
この州兵ってのは、アメリカ映画でちょくちょく出てくるが、普段は別の仕事をしているが、いざとなったら招集されて戦う人達です。
映画だと、だいたい作品の背景・舞台装置として出てくる→「汚染地域を州兵に閉鎖させました!」みたいな使われ方。
メインで描かれる場合は「アメリカ国内なのに悲惨な目に遭う」人達です。
※参考→州兵・Wikipedia←
軍曹にこってりと絞られて、そのまま、監視カメラの設置作業をしている技術者たちに、物資を届けることになる。トラックでキャンプ地に向かうが、そこには技術者の姿はなく、護衛の兵士も見当たらない。
救助を求める無線と、丘の上から鏡での信号を確認した一行は、行軍訓練も兼ねて救助に向かう決定をする。
軍曹に口答えした、ナポレオンに懲罰としてトイレの監視を言い渡すと同時に、女性兵士のアンバーに、無線当番を言い渡す。
初っ端から二手に分かれることになり、それを監視する視線。
その後は、お馴染みの展開、無線は使えず、トラックは燃やされて、銃器も不足。さらには、舞台で唯一の実戦経験者でベテランの軍曹はさっさと死亡して……と踏んだり蹴ったり。
全体的に、戦力の分断をやられて、ジリ貧に陥っていく描写が目立つ。
安いB級スラッシャー映画に多い、どこまでも自分勝手でムカつくキャラクターは出てこないが、基本的に状況判断が甘い感じである。
相手の”邪悪なヒルズ族”の方が一枚上手である。
ただし、敵が強いと言うよりは、兵士側の学習能力のなさである。
何回装備を奪われているんだか。なんでそのタイミングで単独行動を選ぶのか…。
「もうちょと考えて行動せい!」とツッコミたくなること必須。
前作の携帯電話のセールスマンは、バットと犬で無双してたぞ!
やっぱ眼鏡とバットと犬がいるのさ!!
神様だって、ここじゃお手上げさ。
前作に比べて安易な続編なイメージがぬぐえない。
ところどころで、前作を観ていないといまいちよく分からないシーンも多い。
軍曹の遺体とそれを運んでいた巨漢の兵士が崖の下に転落。
↓
前作のラストシーンとセットになっている。
ラストバトルで、デカい奴の頭の一部を吹っ飛ばすも、動いて襲ってくる。
↓
前作の主人公の嫁が頭に一発喰らっても、まだ動いていたシーンとセット。
以上のように、前作とは、主人公サイドと“ヒルズ族”を入れ替えて撮っているシーンが幾つかある。
あと、「証拠がない」と瀕死のお偉いさんが言っていたが、あれは「掃討戦をやったが、あと一歩のところで撤退命令が出た」ということだろうか?
軍の基地の近くに人喰い一族が棲んでいることを、お偉いさんが信じてないから、掃討戦が完了しなかった。
そのため、事情を知っている=現場で兵士が、何人か殺されたのを見たお偉いさんの一人が、監視システムで決定的な証拠を押さえるために、冒頭、技術者に作業させていた、といったところだろうか?
「ホラー映画で優秀な上官は早死にします」の法則。
冒頭の妊婦も、女兵士の一人なのか?
説明されてない設定で、色々と面白いのがありそう。
まあ、なんだかんだ言ったが、面白くないわけじゃないのよ。佳作レベルはあるよ。
ある程度の予算とスケールでホラー・スラッシャー映画を撮ることなんて、滅多にないからね。
ゴアやスラッシャーとして、中途半端だから、却って気軽に観る分には十分な作品だと思うよ。
興味のある人は、前作とセットで観て欲しい。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡ 7/10
●キャラクター………○
・前作に比べて、個性や関係性が弱い感じがする。反戦主義の主人公が戦いに慣れていく皮肉。
・嫌な奴はいないが、愚か者が多い。
●ストーリー………○
・プロット自体は王道である。
・↑前作に比べると見せ方が弱い。
●カメラ・演出とう………○
・映画の基本的なクオリティは高い。
・展開が全部同じだった。もう一工夫欲しい。
●怪物……○
・前作に比べて個性が弱い気がする。半面、戦闘力は上がっている。
・怪物にしては善人ポジションも、前作よりも弱い。
●その他・印象に残ったところ
・前作よりもB級臭が酷くなった。
・「安易な続編」の印象が強い。
・「3」もありそうなオチだったが、2019年現在、まだ作られていない。
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