「ヒルズ・ハブ・アイズ」紹介&感想 ~アレクサンドル・アジャが「サランドラ」をリメイク~

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怪人・殺人鬼・食人鬼・吸血鬼

今回紹介する作品は「ヒルズ・ハブ・アイズ」です。

”邪悪なヒルズ族”が襲ってくる映画だよ。

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作品情報・スタッフ・キャスト

「ヒルズ・ハブ・アイズ」
製作年:2006年  
製作国:アメリカ  
上映時間:107分 
原題:「THE HILLS OF EYES」  ※R-18作品

監督:アレクサンドル・アジャ
製作:ウェス・クレイブン/ピーター・ロック

脚本:アレクサンドル・アジャ  ・撮影:マキシム・アレクサンドル  ・音楽:トムアンドアンディ
出演:アーロン・スタンフォード/キャスリーン・クインラン/ヴィネッサ・ショウ/エミリー・デ・レイビン/ダン・バード……etc.

監督は「ハイテンション」「ピラニア 3D」アレクサンドル・アジャが務めている。

もうすぐ日本でも公開される「クロール-凶暴領域-」でも監督を務めている。

本作のオリジナルである「サランドラ」の監督であるウェス・クレイブンも参加している。

予告編

The Hills Have Eyes

↑日本語の予告編が見つからなかったので、オリジナルです。

「ヒルズ・ハブ・アイズ」:あらすじ

警官を退職したボブ・カーターが家族を連れてトレーラーで砂漠を横断中、
故障により砂漠の中で立ち往生することに。
だが、核実験場に近いその荒地には、
突然変異を起こした食人一家がおり、
カーター達との殺し合いが始まるのだった。

~Amazon作品紹介より抜粋~

1977年製作のウェス・クレイブン監督「サランドラ」のリメイク作品。当時は「サスペリア」だとか「サンゲリア」など似たようなタイトルが多い。

”サランドラ”というのはギリシャ神話に出てくる火の怪物だとか。「核実験」を「火の怪物」に例え、その核実験の副産物としての人喰い族なんだろう。

「銀婚式のバカンス旅行中にニューメキシコの砂漠に差し掛かった一家が、車の故障で立ち往生し、そこに砂漠にすむ食人鬼一家が、襲ってくる」お話。

監督は「ハイテンション」「ピラニア3D」のアレクサンドル・アジャ監督。「ハイテンション」に比べると、不協和音やコントラストが、マイルドになっている感じだ。

とりあえず、とうブログでは、この食人鬼一家のことを以下”ヒルズ族”と表現するよ。

「ヒルズ・ハブ・アイズ」:感想/ネタバレ有

2006年当時にレンタルDVDで一度鑑賞した。今回「U-NEXT」の無料鑑賞枠にあったので、10何年かぶりに再視聴した。

昔見た時は、食人鬼を描いたエロ・グロの作品だったと思ったが、今観ると、そこまで直接的な描写はない。直接的に描かないで、周りを撮ることによって描写している。そっちのが上手い。

同じ食人鬼を描いた作品で「クライモリ」シリーズがあるが、あっちの方がエログロ描写がキツイ&B級臭が酷い。

冒頭のどこか懐かしい呑気な曲に合わせて、核実験の映像が流れ、その最中にミュータントの写真が挟まる。オープニングから見入ってしまうこと間違いなし。

オリジナルの「サランドラ」と本作「ヒルズ・ハブ・アイズ」両作品とも、ちょくちょく取り扱いが止まる事があったようだ。

そうやら「核爆発の副作用で凶暴なミュータントが誕生する」の下りが問題視される事があるらしい。

 

カルト的ホラー作品のリメイク作品。

本作は、ホラー作品としてはかなりしっかりとした作りだと思う。

話の「起承転結」がしっかりしているし、登場人物の個性や関係の描き方も上手い。何よりも先が読めない展開で観ていて飽きなかった。

この手のホラー・スラッシャー映画につきものの「どこまでも自分勝手で嫌なキャラクターが出てこないのである。まだまだ精神的に未熟で、キツイ言動をする若者や、高圧的で独善的なキャラクターもいるが、深い所ではお互いを思いやり、大切の思っている家族が、今回の犠牲者だ。

前半丁寧に、キャラクターの性格や、キャラクター同士の関係性を描写する。じっくりと準備してから、怒涛の残虐描写。殺されるシーンが怖いだけではなく、やるせないし、許せないのだ。

ついでに、襲ってくる怪物たちも、悲しいバクボーンを持っており、単純な善悪の二元論で語れないのが、この作品の質を上げている。

仲間に関しては、寝たきりの奴でも養っていたのが、なんとも言えない気分にさせる。

犬、本気だす。ビースト無双。

珍しく犬が大活躍する。

ホラー映画では犬、それもシェパードは大抵酷い目に遭う。

エイリアンの卵を植え付けられたり、地下でレリックに惨殺されたり、ターミネーターにぶっ殺されたりと、映画においての、シェパードの生存率は以上に低い

本作では大活躍である。ある意味「名犬ビースト物語」である。

本作は「父親を殺された二つの家族の殺し合い」から、後半「連れ合いを殺された二人の男の復讐劇」にシフトしていく。

その復讐に燃える男の一人が、このビースト君である。

2キル1アシスタントと大活躍。

正直、もう軍用犬の部隊を大量に投入するしか、”邪悪なヒルズ族”を壊滅する手段はないんじゃないかな。

銃や無線を使いこなせるくせに、犬にあっさりヤラれるのはどうなんだろうか?

いや、むしろこの手の映画で、殺人鬼が銃も使わず大型犬をあっさりやってしまうのが、間違いなんだ。

「むしろ大型犬なんてモンスターに近いわ!」と思っていた願いが通じたのか、本作では犬、活躍します。

感想まとめ・良リメイク作品。

ホラー映画のリメイク作品としては、成功している稀な作品です。2000年代はまだ、挑戦する監督がいたんだという事が分かる。最近の映画は色々と無難過ぎないか?

アレクサンドル・アジャ監督の他作品「ハイテンション」なんかに比べると、ゴアや不協和音みたいな音響はマイルドだ。

(ただし、それでもR-18作品だ)

”食人鬼一家”のインパクトだけではなく、丁寧なキャラクター描写、先の読めない展開が、作品の質を高めている。

ショッキングな映像はあるが、予告編観て大丈夫な人は、一度観てみたらどうだろう。

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡♡♡♡♡♡ 9/10
キャラクター………◎
・キャラクターの性格&関係性の描写が秀逸。
・基本的に善良で、お互いを思いやっているため、怖いだけではなく、やるせなさがある。

ストーリー………◎
・プロットはかなりの王道である。
・↑王道の展開を見せ方で工夫してる感じ。

カメラ・演出とう………◎
・カット割り・カメラワークがいい。
・直接映さずに、ぼかした表現が多い。役者の表情が素晴らしい。

怪物……◎
・かなり個性的である。
・恐ろしいだけではなく、悲しいバックボーンを背負い、善良な奴もいるのがまた救いがない。

 

その他・印象に残ったところ
・眼鏡君が覚醒する展開は燃える。
・犬、本作では2キル1アシストで大活躍。
・オープニングは秀逸だと思う。

 

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