キャスト・スタッフ・データー
「ザ・サンド」
・製作年:2015年
・製作国:アメリカ
・上映時間:84分
・原題「THE SAND」
・監督:アイザック・ガバエフ
・出演:ブルック・バトラー/クレオ・ベリー/シンシア・マレル/ディーン・ガイヤ—/メーガン・ホルダー/ミッチェル・ムソ/ジェイミー・ケネディ
予告編はこちら
「ザ・サンド」:あらすじ
「前夜に行われた楽しいパーティー。
砂浜で目覚めた若者達に忍び寄るなにか…。
仲間の一人が砂浜に足を踏み入れた瞬間、無数の触手が絡みつき、一瞬で砂の中に引きずり込んでしまう。
砂の中に人を喰う何かがいる。
パニックに駆られた若者たちは、砂浜に体を何とか付けないようにしながらビーチからの脱出を試みる」
感想/ネタバレ有
パッケージの写真と「ザ・サンド」のタイトルからだと、まるで砂場そのものが襲ってくるかのようなイメージだが、実際襲ってくるのは触手を持った謎の生物。
(↑”きりさく”のあいつじゃないです)
しかも、パッケージに映っている、巨大なタコの触手みたいなのが、襲ってくるのは最後の10分くらい。
それまでは春雨ぽい何かが襲ってくる。体じゅうに春雨的な何かが絡みつき、人体が血だらけになりながら砂に沈んでいく様子は、かなりシュールだ。
春雨にょろにょろ映画
この映画、観せる上で細かい工夫が色々としてある。
まず冒頭のパーティーシーンは、POV方式で撮られている。
画質の悪いとびとびの映像が、いかにも過去シーンらしさをだしている。
その場面ではキャンプファイヤーの周りで大騒ぎに興じる若者たちが撮られているのだが、所々に、
「あ、これは今後のフラグだなー」てな映像が混じっている。
いくつか例を挙げると、
「このパーティーの様子はネットで共有禁止だ! スマホは回収しまーす」
「これ、なんだか知らないけれど、あっちに落ちていたんだ。とりあえず焚火のそばに置いとくわ」
(ヌメヌメした怪しい肉肉しい球体を転がしながら)
………どっちも最悪なフラグです、本当にありがとうございます!
あとは、酔いつぶれた太った黒人のあんちゃんの顔に、マジックで落書きをしてるシーンがあるぐらいかな。
そして朝がきて、ここでPOV方式の映像から、普通の映像に切り替わる。
映画の枕である過去のシーンと、今現在のシーンの違いをこれで分かり易く表現している。
寝ぼけた水着のお姉ちゃんたちに交じって、奥の方に太った黒人のあんちゃんが、ドラム缶にハマってる様子が映っているのは、妙な笑いが出てくる。
そんなシュールな画で、ひと笑いとった後話は動き出す。
ビーチの机の上に寝ていた姉ちゃん(トップレス)が、砂浜に降りた瞬間悲劇が起こる…。
トップレスのお姉ちゃんが、何かに足をつかまれパニックに陥る。
それを助けに向かった兄ちゃんも、砂浜に降りたとたん転んで動けなくなる。
二人の体には白い小さな触手がまとわりつき、それが人体を食べながら砂の中に引きずりこんでいく。
本来なら怖いシーンなんだろが、ブログ主には春雨がクネクネしているようにしか見えなかった。
この後ドラム缶にハマってたあんちゃんが、やっと目覚めるわけですが、顔には男性のアレが書かれてる。
うーん最悪だ。
太ったあんちゃんが、ドラム缶にこじんまりとハマってるだけでも面白いのに、顔に男性のアレが書かれてる。
以下このあんちゃんのシーンは、ほぼギャグシーン。
悲惨な物語の一種の清涼剤としての機能を果たす。
日焼け止めクリームを、うっとりと塗るシーンなんて、シュールで笑える。
ガードマンのおっさんが、パトロール任務でやってくる。
若者たちをヤク中扱いして、ドラム缶のあんちゃんの顔に書かれたものに大爆笑。
まぁ、顔にチ〇チ〇書かれた大男が、泣きそうな顔していたら笑うわな。
その後で案の定喰われる。
「嫌な役をやってると速攻で死ぬ」なんて、実にベタでいい死亡フラグだ。
おっさんは退場するが、怪物が丈夫な素材の服や靴を破れない事を示し、催涙スプレー、ガソリン、ジープ、救急ボートと、色々なお役立ちアイテムを遺して逝ってくれる。
……昔のゲームにいましたよね、突然出てきて便利なアイテム残していってくれる味方キャラ。
なんとか砂浜に降りないように、サーフボードや机や木材を利用して移動してくシーンは「トレマーズ」ぽかった。
最後は、ガソリンで焼き殺して終わり。
こんな顔で死にたくない。
残念ながらドラム缶デブは死にます。
マ〇オやル〇ージが土管に潜るシーンを思い浮かべて頂ければ、だいたい想像できると思う。
死ぬ前に、顔に書かれていた男性のアレを消していたんで、それがいけなかったのかも。
「こんな顔のまま死にたくない!」
と嘆いていましたが、まさかそれが魔除けの印だったとは!
(※違います)
怪物はショボいですが、映画自体は結構丁寧に作ってある感じです。
視聴者に今何が起こっているのか、ちゃんと分かるように画を撮っている感じがした。
物語において重要な役割を果たす、マッチや催涙スプレーを回収するシーンも、ちゃんと出てくる。
怪物が退治された分かりやすい描写として、ジープ周辺の地面が一段低くなってたりする。
この手の映画は結構、怪物のパワープレイと強引な展開で押し切る映画多いので、この辺は評価してもいいと思う。
あとこの手の映画にしては、登場人物が結構考えてる感じがして好き。
自分勝手な輩が、他のジャンルに比べて多いB級パニック映画界にしては、お互いを気にかけてるいい奴等でしたよ。
ラストシーンのオチは、もっとでかい怪物が泳いでる。
泳いでる先には人がいっぱいいるビーチが……まぁ、お約束です。
細かい描写と、映像の撮り方は面白かったと思う。
「THE 春雨~ドラム缶にハマった男とタコの腕~」
てな感じの映画。
感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡ 5/10
●キャラクター………◎
・太った黒人兄貴の顔の落書きの下りが全て持って行った。
・お姉さんは綺麗な人が多かった。
●ストーリー………〇
・このての作品としてはかなりオードソックスな感じ。
●カメラ・演出とう………〇
・序盤の過去の映像の見せ方は面白かった。
・B級にしてはクリアな画像。
●怪物……〇
・アイデアは面白かったと思う。
・見せ方は地味。
●雑多な感想
・低予算作品を、撮り方によって補っている作品で好感が持てる。
・視覚的に、情報が分かりやすい。
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コメント
ザ・サンドというからサンシャイン(キン肉マン)やザ・フール(ジョジョ3部)みたいのが出てくるかと違った。昔見たブラッドビーチに似ている。割と面白かったがモンスターの説明もなく、あんまり出てこなかったことが消化不良気味。目新しい部分としてはモンスターが退治されたのではなく、逃亡して生き残ったことくらい、大抵は最後に出てくるのは別個体か、新しい卵を誰かが拾って終わるが常だから。
>サンシャインやザ・フール、土を操る系ではなかったですね。
オチや怪物の正体、捕食の仕組み等全て投げっぱなしというのは、確かに珍しいですね。
個人的にはこの映画は、顔に卑猥な落書きをされた黒人の大男が、ドラム缶にハマっているシュールな地獄絵図が全部もっていった作品でしたよ。