さて、アメリカのとある都市では、名称に性別をあらわす単語が入っている単語を見直す運動をやっているのだとか。「マンホール」は名称に「マン」がつくため今後は「メンテナンスホール」にするとかしないとか、なんてニュースを聞いた。
(詳しい事を知りたい方は「マンホール 改名」で検索してください)
そんなわけで、今回紹介する作品は「マンホール」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「マンホール」
・製作年:2013年
・製作国:カナダ
・上映時間:83分 ※R-15作品
・原題:「SEPTIC MAN」 ※septic=下水設備、腐敗等の意味。
・監督:ジェシー・T・クック
・脚本:トニー・バージェス ・音楽:ネイト・クライスワース
・出演:ジェイソン・デヴィッド・ブラウン/モリ―・ダンズワース/ジュリアン・リッチングス/ロバート・メイレット/スティーブン・マクハティ……etc.
予告編
※予告編にも汚いシーンが多いです。グロ注意↓
「マンホール」:あらすじ
もう二度と戻れない・・・カナダの田舎町で、原因不明の水質汚染が発生。
被害は瞬く間に拡散し、住人たちは嘔吐と下痢に襲われ次々に倒れていく。
汚染の原因を突き止めて欲しいと頼まれた配管工のジャックは、妊娠中の妻の反対を押し切り、下水道の調査に出向く。
だが不幸なことに、ジャックは誤って悪臭漂う下水溝に転落。
閉じ込められた下水溝で、彼が見てしまった驚愕の光景と水質汚染の原因とは。
そして、彼の行く末は―。~Amazon作品紹介から抜粋~
「事件の解決のために、人が寄り付かない施設に出向いたら……」みたいなプロットである。
全体的に、濃い顔をした頭のおかしい登場人物に事欠かない映画である。
+ウンコとゲロで錬成されたアート系トンデモ映画。
「マンホール」:感想/ネタバレ有
かつてファミ通の読書お便りコーナーで「マンホールがあるなら、チンホールもあると思いませんか?」みたいなネタがいっぱい載ってましてね……。
「ゲーム帝国」ってどうなったんだっけ?、と調べたらツッコミどころしかない。やっぱりライターが代わっていたか。
多感な思春期に「ゲーム帝国」で育った人間としては、つい話をそっちに持って行きたくなる。
まぁ、映画自体は割かしシリアスなノリの映画でした。
「キュリオスコープ」って、割と頭のおかしい作品ばっかりだった気がする。
「21世紀のど毒々モンスター」なんてキャッチフレーズがついているが、さてどんなお話かというと……。
「マンホール」:鑑賞にあたっての注意事項。
本作品を観るときには「グロ注意」である。グロと言ってもゴアとかスラッシャーではなくて、ウンコ、おしっこ、排泄物的な意味である。
冒頭の感染症が発生していることを説明するシーン。女の人がトイレで色々と出している。
この色々と吹き出しているシーンのグロさが、この映画ではデフォルトですので、このシーンでダメな人は鑑賞をやめた方がいい。
この映画、そっちの表現が本気。画面から臭ってきそうな映像の嵐である。主人公が問題の下水道に出向き、蓋を開けるシーンなんて、むわっと臭ってきそうな湯気がね……。本当に臭そうなんだよ。
そんな中、ガスマスク無しで降りていく主人公。
案の定、ボチャンと落ちた上に閉じ込められる主人公。
観ているこっちが「ギャァァァー!」だよ。
閉じ込められた主人公が、じょじょに狂いながらもその環境に適応していく様が描かれている。
さらには、主人公を閉じ込めた、頭のおかしい地下の住人とのやり取りや、主人公を心配する妻、彼を下水道に送り込んだ政府の男の行動などが描かれる。
この政府の男・プロッサーを演じていた人が良かった。
冷徹に見えて、意外と人情味があるのがね。
で、変な風に人間臭いから、あんな目に遭ったのかも。
主人公が下水道に適応していく様が、グロ映像なんですよ。
段々と、「悪魔の毒々モンスター」になっていくとか、そういった外見的な変化ではなくて、ドブネズミを食したり、下水をテイスティングしたり……、もう、そっちのグロのオンパレード。
予告編にもあったが、本当に「ゲロ」である。観てるこっちが吐きそうだ。
主人公が正気を失っていくのにリンクして、こっちも気分が悪くなってくる。
感想:僕らが太陽だと思っているのは、下水道の非常灯かもしれない。
しかし、この映画が凄いのは、そういったグログロな映像ばっかり集めてるくせに、それでいてアート系のホラーをやっているところだ。
段々と正気を失ってきた主人公の目に、下水道の非常灯が太陽の様に見えるシーン。
そのシーンは凄かった。本当にそんな風に見えてくる。
それと同時に、この下水道が「こんな汚い世界に生まれた俺たち。それでも美しいものはある」的な世界観に見えてくるのが、スゲー。
下水道を、現実の世界のメタファーとして機能させようとするアイディア。
それを本当に実行しちゃう監督たち。
さしずめ、蓋を開けて覗き込む頭のおかしい男は、自分勝手な神様だろうか。
こんなクソまみれな世界でも生きていけるもんだという、監督からのメッセージかもしれない。
グログロで汚い映像満載の、決して人に勧められる映画ではないが、所々で妙に心をうつシーンがある。これだけ汚いもの集めてアートをやっているのは、素直にスゲーと思う。
グロ耐性のある人は観てみよう。
総評・感想まとめ
総評:☆☆☆☆☆☆ 6/10
●キャラクター………◎
・キャラ立ち、演技はともに良かった。
・↑画面に頭のおかしい人しか映ってないような気がする……。
●ストーリー………〇
・プロットはありきたり。メッセージは尖っている。
・主人公の置かれた立場が凄く理不尽。同情する。
●カメラ・演出とう………〇
・汚い。「画」で臭いを表現しているのは凄い。
・暗いシーンと、明るいシーンのコントラストが印象的だ。
●その他・印象に残ったところ
・映像が本当に汚い。臭ってきそうな映像。グロ注意。
・ヤバい場所に出向くときは、単独行動禁止。
・あの頭のおかしい下水道の住人はなんなんだろう?
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しかし、通販でマンホールが売ってることにちょっと驚いた。もしかしたら普段見落としているだけで、地元のホームセンターとかでも取り扱ってるのかしらん?
あと、「マンホールカード」なんて物もあるんだな。
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