今回紹介する作品は「スネーク・アウタ・コンプトン」です。
「未体験ゾーンの映画たち2019」エントリー作品。
おきて破りのラップ×モンスターパニック召喚!
なにが”おきて破り”なのかイマイチわからんが、勢いは認める。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「スネーク・アウタ・コンプトン」
・製作年:2018年
・製作国:アメリカ
・上映時間:83分
・原題:「SNAKE OUTTA COMPTON」
・監督:ハンク・ブラクスタン
・製作総指揮:ジェフリー・ジャイルズ ・脚本:アシュリー・スコット ・音楽:クリス・ロット
・出演:リッキー・フラワーズJr./モータウン・モーリス/ドンテ・エシエン/タルカン・ドスピル……etc.
予告編
「スネーク・アウタ・コンプトン」:あらすじ
アメリカ屈指の犯罪多発エリア、コンプトン。悪名高いこの街を抜け出し、ラップで一発当てようとキャム達は悶々とした日々を送っていた。そんなある日、大手レコード会社のスカウトの目に留まり、一躍スターダムへ駆け上るオーディションを受けることになるが、彼らの成功を拒むかのように、リーダーのキャムが悪徳刑事の理不尽な拘束を受けることに。しかし、本当の敵が彼等を狙っていた…。
~Amazon作品紹介から抜粋~
本作のマッドサイエンティスト枠である、モテない科学オタクのにーちゃん(主人公の顔見知り)が、謎の光線をヘビの赤ちゃんに照射→ありえない速度で成長&凶暴化してしまう。
その一方で、主人公の若者ラッパーグループが、オーディションを巡ってドタバタする作品である。
隙あらば下ネタと、ハードなブラックジョークをガンガンぶち込んでくる危険な作品である。ポリティカルコネクトがうるさくなる一方で、こういったかなり過激なブラックジョークをふんだんに盛り込んだ作品を出せるあたり、アメリカは懐が大きい。
下ネタもブラックジョークも、キレキレで面白い。
「スネーク・アウタ・コンプトン」:感想/ネタバレ有
内容としては、「毎度おなじみのマッドサイエンティストによって、遺伝子にエラーを起こしたヘビが、どんどん巨大化しながら街をパニックに陥れる。それと並行して、ラッパーとしてメジャーデビューを夢見る主人公たちが、悪徳警官や、街のポン引きを巻き込んでドタバタ劇を演じる」と、いったものです。
コメディ色が強いのが特徴です。
キャラクター同士の痛快なやり取りと、その被害の割には、どこか憎めない巨大ヘビが観ていて面白かった。
下ネタとブラックジョークが冴える作品。
隙あらば下ネタと、ブラックジョークをぶち込んでくる油断のならない作品だ。
キャラクターの下種さを強調するための、下品な台詞ではなく、ジョーク自体が、キレキレなんで不愉快には感じない。
(※もちろん、下ネタ自体がダメな人は、観ない方がいい)
そもそも、マッドサイエンティスト枠の科学オタクのにーちゃん(※主人公たちと同じ下宿の顔見知り)が、「ヘビを巨大化させる実験が成功したあかつきには、自分の「ナニ」に応用するつもりだった」、なんて動機で、もう、この映画の方向性がなんとなく分かる。
キャラクターは、前述のマッドサイエンティストをはじめとして、悪徳警官とゆとりの新人警官コンビ、音楽会社のスカウトのねーちゃん、モブの店主まで、妙にキャラが立っている。
個人的には、店主のおっさんのやり取りが面白かった。
「目はあけ、心もあけて、尻は閉じる」
「不良の忍者だ」
とう、一度使ってみたい台詞も多い。
巨大ヘビの描き方が秀逸!
さて、肝心のモンスターパニックの方だが、下ネタ祭りに隠れて分かりにくいが、これがなかなかよく出来ている。
最初は小さかったヘビが、成長するにつれてついには、ビルに巻き付ける大きさになる。
大きさによって「撮り方」を工夫してあり、観ていて飽きないようにしてる。
最初の小さい時は「小さな奴が死角から素早く襲ってくる」恐怖
↓
アナコンダくらいの大きさの時は、「正統派モンスターパニック」風味で撮影。
↓
ビルに巻きつく大きさ、の時は「怪獣映画」風味と、色んな見せ方をしているのが素晴らしい。同じモンスターでも、表現を変える事により、マンネリ化を防いでいる。
CGはショボいのだが、ダイナミックに動き回って楽しい。
低予算映画のバカバカしさを活かして撮っており、好感が持てる。
どうしようもないB級映画だが、休日にテレビの前で寝っ転がって観る分には、申し分ない出来だと思う。
B級映画と、下ネタに抵抗がない人は、観て欲しい。
うん、主人公達のラップの出来が本格的なんだが、吹き替えは、ラップまで日本語でやらなくてもいいと思うよ。
仕事上「ラップをやれ」と言われるのか……本当にお疲れ様です<(_ _)>
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡ 6/10
●キャラクター………○
・キャラクターに関しては無駄に濃い。アメリカにも「ゆとり教育」の弊害があるのか?
・濃いキャラクターの、強烈な下ネタとブラックジョークを楽しめる作品。
●ストーリー………○
・あってないようなものなんだけど、テンポよく進むため、観ていて退屈しない。
・基本的に、悪ノリで進む。
●カメラ・演出とう………○
・場面に応じて「ヘビ」の見せ方を工夫してある。
・CGはショボいが、動きと見せ方はセンスがある。
●怪物……○
・シーンによって、怪物の大きさと、撮り方を工夫しており、飽きない。
・「ヘビ」という、ともすれば動きが単調になりがちな素材で、これは上手いと思う。
●その他・印象に残ったところ
・ラップまで、日本語訳でやらなくてもいいと思う。
・オチが渋滞気味な作品である。ミュータントヒーローには笑った。
・「不良の忍者」の響きの良さ。
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