本日紹介する作品は「ダスク・オブ・ザ・デッド」です。
”ダスク”ってなんだっけ?、と思ったが、「夕暮れ・日暮れ」とうの意味だった。
ようはこの作品の邦題は「ドーン・オブ・ザ・デッド」(ドーン=夜明け)や、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(ナイト=夜)と同じような系統である。
あ!そこ、「パチモン・オブ・ザ・デッド」とか言わない!
作品情報・スタッフ・キャスト
「ダスク・オブ・ザ・デッド」
・製作年:2008年 ・製作国:アメリカ
・上映時間:82分 ・原題:「SPLINTER」
・監督:トビー・ウィルキンソン/「呪怨3 ザ・グラッジ」
・出演:パウロ・コスタンゾ/レイチェル・カーブス/チャールズ・ベイカー/ジル・ワーグナー/シェー・ウィグアム……etc.
※SPLINTER=「鋭い破片・とげ」の意
予告編
「ダスク・オブ・ザ・デッド」:あらすじ
「キャンプに出掛けたカップル・セスとドリー。
キャンプ旅行を楽しむが、メキシコに逃亡しようと企む、訳ありカップルのデニスとレイシーに車を乗っ取られてしまう。
運転中に、何かをはね、車は故障してしまう。やむなく近くのガソリンスタンドに立ち寄る。
しかし、営業時間中のはずなのに、ガソリンスタンドに店員も客の姿も見えず……」
こじんまりとした作りだが、手堅く作られた良作です。
「トラブルに巻き込まれたカップルが、建物(ガソリンスタンド)に籠城しながら、襲ってくる何かと戦う」、といったホラー映画王道のプロットで作られている。
本作のセールスポイントは、その「建物」の部分が”ガソリンスタンド”という、非常にこじんまりとした場所=「密室」という点です。
感想/ネタバレ有
この手の低予算怪物映画の中では観られる方なので、まずは観てみる事をお勧めします。
ネタバレにならない程度のネタバレとして、タイトルに「~オブ・ザ・デッド」とついてますがゾンビ物ではありません。
(これは邦題が悪い)
また、派手なドンパチや爆破シーンのある大作でもないです。
「怪物+密室劇」のこじんまりとした作品ですが、クオリティは高いです。かなり低予算のホラー作品ですが、公開当初から、アメリカでは話題になっていたらしい。
興味を持たれた方は、ネタバレを見る前に、回れ右をしてレンタル屋へGo!
トゲトゲが襲ってくるホラー映画
全く正体不明のモンスターが襲ってきて、建物に籠城しながら戦う、そんないたってシンプルな作風のホラー作品。
本作の特徴の一つは、その怪物の独特さが挙げられる。
怪物は謎の「トゲトゲ」モンスター。まさに”SPLINTER”である。
妙な「トゲ」を使って獲物の体内に侵入して、そいつの体を乗っ取る&養分にしてしまう。「カビ」や「ウィルス」みたいな群体生物ような描かれ方をしているが、詳しい正体は最後まで明かされなかった。
「全身トゲだらけ」という、聞いただけだと「うん?パンクロッカー?」と思ってしまう、奇抜なアイデア。それを視覚化すると、「全身にトゲを生やした、よく分からない生き物が襲ってくる」、といった、観ているだけでチクチクしてくる地獄絵図。
最初はシンプルな「トゲ人間」といった感じなんだけど、「刺されると感染」する、さらには、「トゲを使って感染した生き物を繋いでいく」なんてウルトラCで、ドンドン奇妙な生き物になっていく。「感染」要素があるから、一応は「〇〇・オブ・ザ・デッド」と言ってもいいのかもしれないが、う~ん…(笑)
その正体不明なモンスターに対して、生態を観察して頭を使って立ち向かうさまが面白かった。正体不明の怪物から、一定のパターンを見出して、なんとか狭いガソリンスタンド店内から、逃げ出そうとするのが描かれている。その「一定のパターン」が視聴者にもわかりやすく描かれていて、上手に視聴者を映画に引き込んでいたと思う。
特に、序盤はナヨナヨしていたカップルの男が(タイヤのパンクも彼女にかえてもらうような男)、脱出するために、冷静に行動していく展開。ちゃんと、「頭のいいキャラクター」設定が活かされているのがいい。
登場キャラクターが、非常に少ない密室劇だけあって、そういったキャラクターの個性、使い方が凄く練られていてGood!
演じている俳優さんも上手い。
合間合間に「極悪カップル」の身の上話を入れてくる構成も面白かったと思う。
全体的に「ベタ」なんだけど、それが凄く練られている手堅い作品だと感じた。
密室&怪物
本作のもう一つの要素が、「籠城するのがガソリンスタンドという限られた空間=密室劇」という点です。
割と「籠城もの」では、がっしりとした作りの大きな建物というのが、定番で、そこに「複数の怪物」や「絶対的な力を持った不死身の怪物」が襲ってくるパターンが多いと思う。
本作で襲ってくるのは、たったの一体。物凄く強そうな描写もないが、とにかく正体不明で得体が知れない。その「気味の悪さ」を”全身トゲだらけ”という、奇抜なアイデアで表現。
それらが、俳優のうまさ、展開上の工夫とピタッと合わさって、良作になっているのだと思う。
低予算ながら「舞台をガソリンスタンドに絞る」というアイデアが、かなり上手くマッチしていて面白い。
ホラー映画が好きな人はチェックしてみては。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡♡ 7/10
●キャラクター………〇
・それぞれの掘り下げ方が上手い。・俳優の演技も〇
●ストーリー……〇
・目新しさはないが、綺麗にまとまっている。
●怪物……◎
・非常に独創的なアイデアがいい。・ビジュアルが面白い。
・「邪悪なハンド君」状態には笑う
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